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無人島生活福袋

ここに流れ着いてどれだけの時間が経ったのだろう……
照り付ける太陽、寄せては帰る白い波と青い海、そして砂浜の奥に広がる黒い森。生い茂った木には様々な果実が成り、食べるものには困らない。でも、この島には私の他に生き物がいないのだ。生命を寄せ付けないこの島で、なぜか私だけが生かされている。そう、生かされているのだ。

この島に漂着して2日目、森に入る勇気のなかった私が空腹を抱え、砂浜でひとり佇んでいると、砂浜に小さな袋が1つ漂着した。中には缶詰数個と缶切りが入っていた。私は急いで缶の蓋を開け、サバの味噌煮を貪った。涙が出るほど美味しかった。
それから毎日、袋が1つ流れ着くようになった。中には食料のほか、衣類、工具、書物など、その時に私が望むものが入っていた。この「福袋」のお陰で、何の取り柄もない弱い私が、この島で生き延びることができている。

そして今日、「福袋」には赤ん坊が入っていた。
これでまた、私は死ねなくなった……

「哺乳瓶とミルクが必要ね」

彼に似た赤ん坊の寝顔を見ながら、私は1人つぶやく。

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