イチローの考え方と巡回警備の共通点
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昨夜ユーチューブでトヨタ社長の豊田章男氏とWBSの元キャスターの小谷真生子氏とイチローとの鼎談を見た。
その中で印象的だったのはイチローの同じバット、同じ料理の話だった。
すなわち、イチローが同じバットを使い続けたり、同じ料理を摂り続ける効用として、調子が悪い時にその原因を把握しやすくするためとのこと。
毎日違うバットを使い、違う料理をとっていると打てない時、その原因が食生活なのか、バットなのか、バットの振り方なのかが分からない。
でも同じバットを使って同じ料理をとっていると打てなくなった原因がバットの振り方にあるとわかる。
その結果、効果的な改善策を打てるようになると。
一定の条件を固定することで、バッティングのブレを把握しやすい環境を作り、高い打率を維持する。
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この話を聞いた時、これは巡回警備、とりわけ定期巡回・定線巡回にも言えるのではないかと思った。
巡回警備とは建物の内外を点検して巡回し、安全確認、不安全な事態の発見・処置を行い、取引先に安全を提供する警備業務のこと。
その目的として制服をきた警備員が巡回することで侵入者に犯行を思いとどまらせようとする予防的な「見せる警備」の側面もあるが、やはり異常の有無をいち早く把握して、安全を確保するのがメインといえる。
いくつか形態があるが代表的なものとしては時間に着目したものと経路に着目したものがある。
①
まず巡回時刻を主眼とした区分に定時巡回と臨時巡回がある。
定時巡回とは勤務表によって、あらかじめ定められた時刻に行う巡回のこと。
臨時巡回とは定時巡回以外に随時行う巡回のこと。
②
次に巡回経路を主眼とした区分に定線巡回と乱線巡回がある。
定線巡回とはあらかじめ指定された経路に従って行う巡回のこと。
乱線巡回とは巡回経路の指定は行わず、その都度警備員の判断によって、自由な経路を選択する巡回をいう。
(2)
定時巡回や定線巡回を基本としながら、侵入者にルートを把握されないため、随時、臨時巡回や乱線巡回をちりばめて巡回を行うのが一般的。
この定時巡回と定線巡回を基本とするのは、警備を担当する側が滞りなくスケジュールをこなす意味もあるが、同じ時間・同じルートで巡回することで、施設の異常を発見しやすくするため。
安全の確保のため一定の条件を固定する。
あるべき目的の達成・維持のため、一定の条件を固定するという意味でイチローの考えに通じる部分がある。
もちろん、巡回警備において、その思想が効果的であるためには、巡回警備の質が確保されていることが前提となる。
そのためには、警備教育を主体的に捉え、日々の業務を意識的にこなしていく姿勢が大切になる。
私はそんな警備員を望ましいと考えている。
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