評価に伴うバイアスについて考える
1. 個々最近の隊長会議は従業員意識調査、隊員評価、そして来月は隊長の自己評価表に基づく面談と評価に関する内容が多い。
きちんと職務を遂行したり、管理する真面目な人間であればあるほど、自分の考えや好き嫌い等から距離を置いてものを考えることが困難になるもの。
なので今回はその評価をする側、される側が陥りがちなバイアス(偏見)について考えることで、より公正な評価する環境を作るきっかけにしていきたい。
2. まず評価する側のバイアスについて
評価する側のバイアスとしては①中央化効果,②寛大化・厳格化傾向③ハロー効果④自己投影効果、があげられる。
(1) まず①の中央化効果とは5段階評価の場合でいえば、真ん中の3に評価の傾向が集中することをいう。
確かに従業員意識調査の集計を毎回行っていてもそう思う。また自分が他社のサービスのアンケートをしていても結果的に真ん中にマークしがちだ。
これは特によかったり、わるかったりする場合は別として、そこまで行かない場合、無難なところにマークして余計な詮索をされないようにしたいという人間の心理が働くものと思われる。
だからこそ、自社では複数回アンケートを実施するなどしてその変化を分析するという具合に見方を工夫している。
(2) 次に②の寛大化・厳格化傾向とは評価者の好き嫌いや業務の関与具合等によって評価が不当にあまくなったり、厳しくなったりすることをいう。
つまり、評価される方としては、担当する上司の主観や経験よって評価が左右されるわけで不公平感を抱きやすい結果となる。
今の所、自社ではある部門の評価は一人の隊長に任せているので、複数の評価者の評価の違いによる不公平感はでていないが、隊長も人間である以上、個人の好き嫌いはあると思うので、そのへんをどうするかは今後の課題といえる。
(3) さらに③のハロー効果とは例えば、試用期間での印象がよかった場合や被評価者の学歴がよい場合、現在の仕事の出来が悪くてもよい評価をつけてしまう傾向のこと。
これに関しては、評価に限らず生活のあらゆる場面において、第1印象でその人に対する見方を決める人が多いは確か。
(4) 最後に④の自己投影効果とは自分の考えや行動が似ている人間は高く評価するが、そうでない人間には低い評価をつける傾向のことをいう。
自分の考えがもし会社の方針に沿うものであれば、別にそれでもいいとは思うが、単純に感情的な好き嫌いだとか、うっとしい行動をするから低評価をつけるというのであれば今後気をつけていきたい。
2. 次に評価される者のバイアスとしては自信過剰バイアスがあげられる。
人は自分のことを中の上以上に考える傾向があるという。なので、それにそわない評価がされると不満がたまってしまいやすくなるし、また不当によく評価すると、図に乗る傾向もあるという。
やはり、評価者としては、どれだけ、自分が客観視できる自信があったとしても、360度評価をする等して、なるべく多くの人の意見をきいた上で面談等で被評価者に対し、評価を下したり、それに基づく処遇をする場合にはその理由をくわしく説明する必要があるのではないかと思う。
3. 至誠天に通ずる、とは限らない。
どれだけ、自分なりに公正に評価したとしてもそれが本当に公正な評価といえるのか、いえるとして、相手も納得するのか分からない。
だからこそ、客観性があり、かつ相手に納得感を持ってもらう評価の仕方を今後も考えないといけないと感じた。
次の隊長会議でこのことを説明しようと思う。