愛車内での一考②
1.時代遅れの感のあるCDだが、情報の見える化・パッケージングに成功し、それがサービス業に活かせる手法であることは前回述べた通り。
このCDを製作するレコード会社は再販価格維持を行なっている。
再販価格維持とは商品の生産者・供給者が卸・小売に販売価格を指示して守らせる行為。
この行為は正常な価格形成を妨げて、消費者利益を害するとして独禁法2条9項の不公正な取引方法に該当するとして禁止されている。
ただ本やCDと言った一定の商品や著作物に関しては例外とされている。
名目としては文化の保護と言ったことが挙げられるがよく考えればおかしな話だ。
なぜならiPod 等を使ってインターネットのダウンロード形式で販売される音楽は再販商品でないのに、ここまで社会に出回って新たな音楽文化を作っているから。
CDの衰退の一因はレコード会社の既得権益に使われて、価格面での差別化を怠ってきた面があるのではないかと思う。
2.ただこの再販価格維持という考えは、警備業に関してはある程度検討の価値があるのではないかと思う。
思うに再販価格維持の考えは、無制限な価格競争を許すことによって損なわれる社会的価値を保護することにある。
警備業の提供する価値は安全・安心である。
そしてその提供主体は一部機会やロボットがあるものの、その主流は人である。
人の頑張りによって取引先に安全・安心を提供する仕事が警備。
しかし、その人である警備員は低賃金で従事しているのが現状。
その原因の多くは、お客様から頂けるお金が少ないから。経営者の搾取なんてほとんどないと思う。あげたくてもあげられないというのが実情だと思う。
警備は人件費がほとんど。この状態で価格競争が無制限になされることは人の命が削られることを意味する。
そんな命を削られた人の中には安全・安心を本気で守ろうと思わない人が出てくるのもやむを得ないと思う。
そう考えると安全・安心という社会的価値を保護するため、再販価格維持の考え方を警備にもっと採用するなり、現在の最低制限価格制度をもっと機能させていくべきだと思う。
警備員はCDと違って人間なのだ。