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剣山での一考

昨日、徳島の剣山〜一ノ森を縦走した。

剣山は標高1955mと四国で二番目に高い山で日本百名山に指定されている。

登山時間は3時間20分と少し長かったが、一ノ森(標高1879m)から西島駅までのルートが意外に手強く、思いのほか、時間がかかってしまった。

でも剣山自体は登山口がそれなりに高いところにあり、累積標高差も600に満たないこともあり、登りやすいと思った。
一ノ森を入れなければ子供のハイキングコースにも使えると思う。

それにしてもいい眺めだ。


剣山の名前の由来は安徳天皇がこの山に草薙剣を奉納した伝説に由来する。

なんでも、屋島の戦いに破れた平家の平教経が安徳天皇を連れてこの山に隠れ、再起を願ったという平家伝説があるらしい。

それだけ霊験あらたかな山であり、修験道のメッカでもあるとのこと。しかし、この付近の山々の迫力には圧倒される。

この前の大台ヶ原のある奥吉野でも感じたのだが、山には人間が作る街とは対極にある自然の塊みたいなものだから、どこか、得体の知れない存在感がある。

なので山を目の前にすると、恐れと敬意が入り混じった不思議な思いに囚われる。
それと同時にいかに人間がちっぽけな存在かを感じさせられる。
そんなものは科学や論理でよって征服する対象にすぎないという西洋的価値観は傲慢にさえ思える。


そういう意味では自分は日本人なんだなあと改めて思った。

でも科学の力もすごいと思う。

だって前日行こうと決めてスマホで短時間で十分な量を情報収集して車で明石海峡大橋と大鳴門橋を経由して四国の山奥まで行き、夕方には明石に戻り、夜梅田で友人達と一杯やれているんだから。

昼間、四国の山奥で自然に囲まれている自分が夜には梅田の街で飲んでいる。
少し考えるとなんともへんな感じだ。それだけ休日をフル活用して多くのことを体感できていると素直に評価すべきか、損なわれるものもあると思うべきか…。

要は使い方なんだろうなあと思う。

あくまで日常や仕事をよくするための科学技術。

Googleマップやヤマップもあくまでの目的地に迷う事なく行ったり、遭難を防ぐために使う手段であって、目的じゃない。

それを写真をみて分かった気になりだしたら危険だと思う。

だってそれは本当の意味でわかることにはならないから。

仕事にしても、理屈によるシミュレーションでは簡単でも実際に行うのは難しい場合も多いだろう。言葉だけでなくやってはじめて分かる事柄も多い。

そのへんをこれからも大切にしたい。


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