大手に依存しない態勢を

 1. 昨日、公正取引委員会が来月から「下請いじめ」の実態調査に乗り出すというニュースをみた。

下請いじめとは大企業が優位な立場を使い、中小企業に不当な要求を押し付け、従わせることをいう。

このような下請いじめは、ある事業者が、相手方に対する取引上の優越的な地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に相手方の事業活動を制限したり、相手方である会社の役員の選任について指示する等、相手方に不利益となる行為は不公正な取引方法の中の優越的地位の濫用として独占禁止法第2条9項5号で禁じられている。

今回の調査内容はその中で知的財産にかかわるもの、すなわち大企業の優越的地位を利用して独自技術やノウハウといった知的財産を不当に安く手に入れていないかがどうかだと言う。

こうしたことは昔から公然の秘密としておこなわれてきたが、こうやってニュースになるということはそれだけ行われる規模が大きくなり社会問題化してきていることの現れだと思う。

2.その背景には日本企業の国際競争力の低下と国内市場の急速な縮小があるのだろう。

昔から世界で存在感を誇ってきた日本の大企業が近年、ソフト化の流れや新興国企業が仕掛ける価格競争に対応出来なくなっている。また国内においても市場にモノがあふれ、人口減による買い手の減少により、モノが売れなくなってきている。

そんな大企業としては下請に対する圧倒的な交渉力にものをいわせて知的財産を安く買いたたき、費用削減に邁進せざるを得なくなってきている、ということなのだろう。

また下請の中小企業も昔みたいに大企業に頼る旨味がなくなってきている。


なので、今までのような大企業1社に頼るビジネスモデル自体が通用しなくなってきている今日、中小企業としては取引先の数を増やし、リスクを分散することで自律的にならないといけないと思う(あまりに増やしすぎると、それはそれでいろんなコストが出るので考えどころではあるのだろうが)。

3.自社は職種上知財とはあまり縁がないが、いくつか大きな取引先があって、スポット契約を減らした事でその比率が若干高まってきている。

今のところ問題はないが、できれば新規取引先をもっとふやしてリスクヘッジを万全なものにして、さらに経営の安定を図らなければいけないとニュースを見ながら感じた。

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