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TFZ Athena レビュー

始めに


指令のザクです。

 世の中不思議なことって起こるもので、TFZが大好きで買いまくってたらAngelears audio様からご提供いただき、TFZの新製品のAthenaをレビューさせていただく形となりました。

製品概要

TFZ Athena

 というわけでこちらがTFZ Athenaです。25年2月末~3月上旬に発売予定の数量限定の「TFZ」の新製品です。価格は129ドルです。
 最新の情報についてはAngelears audio (https://x.com/Angelears_audio) のツイートを参照ください。

 ご存じでない方もいらっしゃるかもしれませんが、TFZは数年前に「SUPERTFZ」というブランドにブランディングを一新しており、これがなかなか…(気になる方はTFZとSUPERTFZの製品を検索してみてください。)
 そんな中、過去の「TFZ」ブランドを復活させて登場したのがこちらの新製品となります。

 TFZ Athenaのドライバ構成はいつも通りで1DD、ベリリウムコーティングを施した10mmのデュアルマグネティックサーキットドライバを採用しています。

 TFZは伝統的にコーティングを施した大口径振動板とデュアルマグネティックサーキットドライバを採用しています。
 これにより複数のドライバを搭載してクロスオーバーさせることなく、片耳あたり1機のユニットで広い周波数にわたって音質を改善し、深い低域と解像度の高い中高音をシンプルな筐体構造で実現しています。
 今回のAthenaもこれに倣った形ですね。

パッケージ、製品外観など

 銀色の箱にAthenaと書かれた専用のパッケージに入っています。箱はTFZ SecretGarden等と同じ程度の大きさですね。TFZの外箱は白箱にロゴが入っている印象が強いので、なかなかインパクトがありますね。

 圧倒的素人撮影感…!許して…!
 ということで内容物は画像の通りです。TFZファンの皆様であれば親の顔より見ていますね、いつも通りです。
左からポーチ、ケーブル、イヤホン本体とイヤーピース2種、説明書です。

 こちらはイヤホン本体。TFZの特徴的な女神のシンボルが金色で配置されています。何度見てもこのマーク、非常に優れたデザインだと思います。TFZはこうでないと。

 フェイスプレートはゴールドとブルーのマーブル状になっており、一見レジンのように見えるものの、普通のプラスチック製です。
 過去の製品を持っている方であれば、Live3のホワイト以外のFPのような仕上げだと思っていただけると近い雰囲気だと思います。

 てっきりレジン製だと思っていたので、あまりの軽さに衝撃でした。

TFZ Athena
TFZ Live3

画像の通りTFZ Live3と同レベルの軽さです、めっちゃ軽い。
軽さの割に配置された女神のシンボルのおかげで安く見えないのはいいですね。とにかく軽いので長時間付けていても疲れません。

まさかの機種名入り。機種名まで入ってるのは初では?

 こちらはケーブル。まさかの専用ケーブルです。
 TFZ定番の評判の悪い黒被膜ケーブルや、こたつの電源ケーブルじゃないのは非常に好感です、本気度が伝わりますね。
 TFZがケーブルを変えてきたときはケーブルのハズレ率は低いんですが、このケーブルはどうでしょうか。

サウンドインプレッション

 音質の評価…といっても難しいんですよね、好みが千差万別なので…
ということで、他の製品と相対的に比べての感想で述べていきます。

 その前に付属のイヤーピースなんですが、こいつが足を引っ張る曲者な為、速攻スパイラルドットに交換しました。
 以下のインプレッションはイヤーピースのみ変更しているため、その点はご了承ください。

 TFZ Athenaの全体的な印象としては典型的なTFZサウンド、まさに女神のシンボルを掲げていた時代のそれです。TFZらしい濃く重く深い低音、明瞭な中高音を出す所謂ドンシャリサウンドです。 (そうそうこれこれ

 Athenaはいつも通り寒色系の音ですが、中高音が華やかでTFZ KingIIやKing pro、T2Gなどと比べると明るいすっきりとした音をしています。この辺りはベリリウムコーティングの特徴が出ている感じがします。

 TFZファン向けの書き方をすると、低域の雰囲気は深いところから響くような2.5世代のそれに近く、中高音は3世代の見通しの良さを兼ね備えています。この点はこれまでの集大成といった感じで非常に出来がいいです。

 また、ケーブルについては完璧なほどAthenaと相性が合っています。成長したなぁ…(感激)。リケーブルをした場合はケーブルの特長を素直に反映するものの、手持ちでは付属ケーブルが最も適切なサウンドでした。特段リケーブルの必要はないといえます。

 続いて、低中高音区切って紹介していきます。

 まずは低音域、深い所から響く低音をしています。TFZらしい弛みのないキレのある、寒色系の低音域です。量感としてはTFZ比でやや多め、つまり普通に強いです。とはいえ、ファンの間では周知のTFZの低音は中高音と被ってこないのはさすがですね。

 中音域は明るく派手なサウンドで、ややピークが高いところにありHigh-Midといったあたりが強くはっきりと出ます。
 解像度も非常に高く、TFZの中でもトップクラスの見通しのよさです。
 これにより女性ボーカル、特に美声系のボーカルがすさまじく伸びます。
 反面、Low-Midと呼べる付近は量感が少なく、典型的なドンシャリサウンドを作り出しています。
 そして、この中音域がAthena最大の長所であり最大の短所です。自分のように伸びるボーカルが好きな人は非常に高い評価をすると思いますが、High-Midの強さが苦手な人や刺さりに弱い人は少し厳しいかもしれません。

 高音域も同じように多くのイヤホンと比べてピークがやや高いところにあります。傾向は中音域と同じでハイハットやシンバルの音など非常に解像度が高く、また伸びやかな高音は果てしなく伸びていくような印象があります。この点も最大の長所であり最大の短所ですね。

総評

 おかえりなさい、TFZ。ありがとう、Angelears audio。

 TFZ Athenaは強い低域と華やかな中高音、そしてドンシャリ傾向を兼ね備えた典型的なTFZサウンドです。
 TFZ AthenaはTFZの低域が好きで中高音の刺さり耐性が高いTFZファンの人にはぜひ買っていただきたい製品に仕上がっています。

 一方で万人に勧められるイヤホンかと聞かれると、少し難しいかなというのも正直な感想です。万人に勧めるには中高音の出方、低域の強さが厳しいですね。

 総じてTFZ Athena、かつてのTFZブランドを象徴する製品として数量限定で販売するという製品の方向性を考えると、テーマに沿って作られた非常に良い製品だと思います。


ps:3000字近く書いてたよ、ほんまTFZ大好き。

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