【漢詩】芙蓉楼にて辛斬を送る 王昌齢
芙蓉楼送辛斬 王昌齡
寒雨連江夜入呉
平明送客楚山孤
洛陽親友如相問
一片氷心在玉壷
芙蓉楼《ふようろう》にて辛斬《しんぜん》を送る 王昌齢《おうしょうれい》
寒雨《かんう》 江《こう》に連《つら》なって 夜 呉《ご》に入る
平明《へいめい》 客《かく》を送れば 楚山《そざん》孤《こ》なり
洛陽《らくよう》の親友 如《も》し相問《あいと》はば
一片《いっぺん》の氷心《ひょうしん》 玉壷《ぎょっこ》に在《あ》りと
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●現代語訳
冷たい雨が川面に降りしきる中を、 昨夜の内から君を送るため呉までやってきた。
明け方になっていよいよ君を送ると、
目の前には楚山がぽつんとそびえている。
洛陽の親友たちがもし私のことを尋ねたら、言っておいてくれ。
「ひとかけらの氷の芯が壷の中に浮いているような、
そんな清らかな心のままだよ」と。
●語句
■芙蓉楼 南京の東方、江蘇省鎮江市の長江を見下ろすところにあった楼台。 ■辛漸 作者の友人。詳細不明。 ■寒雨 冷たい雨。 ■平明 夜明け方。ものがハッキリ見える時間。 ■楚山孤 楚山がぽつんとそびえている。 ■一片氷心 ひとかけらの氷の芯(そのような、透き通った心) ■玉壷 玉(ぎょく)で作った壷。
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