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赤を纏う短編果実凸

お久しぶり初めまして、赤林檎です🍎

今回は、果実みのるワンダーランドにピッタリな赤い10凸短編果実が実りましたので紹介しようかなと思いまして!
もうね、ダークで謎に包まれた真っ赤な果実なんですよ

それでは、行ってみましょう
レッツゴー!

朗読として読む際はコチラを読んでから、お願いします⤵︎ ︎


『赤いペンキ』

「ねぇ、もう少し切っていい?」

赤い血がポタポタとテーブルに垂れる
あぁ、美しい…
私の口角が上がるのが分かる

私の手首からも赤い血が流れた
くっつくける肌と肌

''ちゅ''…''ぐちゅ、ぴちゃ…''
唇が這う音に舐める音がただ響く
混ざる血液

ダレかの呼吸が抜けた


日が眩しくて日傘を傘を差す
白いワンピースに身を包んで歩く
周りの知らない声を遮断するようにイヤホンを耳に付けて音楽の音量を上げる

アイドルは今どきの機械音で愛を叫んでいた

「ねぇ、今日は、とても空が蒼いわ」

画面越しに伝わるダレかの表情を見て私は口角を上げた


「ただいまぁ」
靴を脱いで電気も付けず、ソファになだれ込んだ
小さく聞こえた唸り声
「ただいまっ」''ちゅっ''
リップ音も愛おしく聞こえるように額にキスをする
「ねぇ、今日は白い服なの。
早く始めましょ?」

カッターがテーブルの上で光る
それは、美しい光だった
瞳が光を歓迎した

「今日の外はねぇ……分からないわ」
耳からイヤホンを外す
音楽は鳴り止んでいて、代わりにダレかの吐息が耳に入る

「そうだ、ペンキを買ってきたの。
真っ赤なペンキよ」
私は買い物袋から、いくつものペンキ缶を取り出す

「これを君の血液とします!」
ダレかの喉がヒュッと鳴った

部屋を明るくして、ペンキをぶちまける

「本当はね、君の血液が欲しいだけなの」

私は、ダレかとペンキの匂いが充満する部屋で二人きり

「でも、人間から血液を抜いたら死んじゃうでしょ?それは困るのです」
私は''だからね…''と続ける

手から空のペンキ缶が滑り落ち響く
「君を作る事にしたの」


「ねぇ、鬼ごっこはもう終わり!」
ダレかの足音と私の足音が混ざる
草木を踏む季節の音
「ぜぇ…ぜぇ…ひゅーっ」
私の喉が隙間風のような音を鳴らす
ふと、肩にダレかの体温

「つかまえたっ」
私は手を掴んでニッコリ微笑む

「もう、遊びはおしまい。家に帰ろ?」
ダレかの額から赤が垂れた


昔の記憶が砂嵐のようにザザザッと頭をよぎる
「ねぇ、このまま2人でいようね」
君が誰かなんて誰でもいい
私の血とダレかの血が混ざる
このペンキはダレかの血液だ

「まざって。私と君。このまま、溶けちゃおうよ」

ダレかの手が私をぎゅっと握った


君は知らなくていいんだよ
そのまま、僕を認識しないまま、僕に依存して
忘れたままでいて、僕を壊してくれ

可笑しくなってしまった日々に白い花
君の血液だけが甘く感じた
そうだ、はじめから狂っていた
傷口がグチャグチャして、全部2人のため
忘れていて、僕のことなんか

「君を壊したのダレ」

君がいない日中に、僕は在宅ワークをする
食べるし出すし、なんなら普通の人間だ

ただ、この部屋だけ……
「歪な赤い血液」

ペンキが固まってヒビ割れていた
まるで、僕と君みたいだ
この血液が君には綺麗に写ってるといいなぁ
僕は、君を独り占めした誘拐犯

「君と僕を混ぜなきゃ」


「ふふん、ふふーんふん♪」
日傘をクルクル、スキップする
ダレかに会える数分前
手首には包帯巻き巻き
ネジ巻は戻らない、時計の針は進む

過去の記憶は、夕暮れの逆光で私を飛ばす
知らない過去、忘れた過去、思い出さない過去

「私は記憶喪失の行方不明者」

ダレかが好きな私は狂った振りをする


さぁ、ゾクゾクしましたかね?
私は、書き終わったあと発狂してました笑
いやぁ、いつも映像を書いてるだけなので、私自身、物語を追っているんです

ラストの方に真相があって、本当のラストでどんでん返し
私は、おぉ、そうなるのか!と、作者なのに興奮が止まりませぬ(´Д`三´Д`*)hshs

また、こんな物語が書けたらと思います!

𝕤𝕖𝕖 𝕪𝕠𝕦🍎

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