右と左がわからなくなる人は不器用なのではない
■実例
ブラタモリ、奄美の森の再放送(2017年3月25日)より。
カヌーを漕ぐ時のレクチャーが行われてましたが、いまいち理解できない様子の近江アナ。
そのさまを見ながら、空間把握が苦手な人は女性に多いという話を思い出しました。
右を漕ぐと左に進む、左を漕ぐと右に進む。
そうした説明をしかめっ面で見ていた近江アナは、反作用がよく分かってなかったように見えました。
しかしながら、実際にやってみるとできていました。そもそも、言語をイメージに変換することが苦手な女子アナなんて、成立するのでしょうか?などと思いませんでしょうか。
これについて、実は当人の物覚えの問題ではないケースが存在します。
■原因
よくあるのは、
「教員・教官・インストラクターと受講者が向かい合わせに立つから、視覚情報(右と左)がアベコベになる」
というものです。視覚情報と言語情報に齟齬が起きるというタイプということですね。
人に手法を教えるとき、1番引っかかるのがこの系統の人で、また左利きになる理由の一つとも言われているのだそうです。
親の真似をするとき、基本的には対面での状況です。完全に模倣しようとすると、鏡で見たときのような状況になりやすい、というわけです。
もちろん、絶対になるという話ではなく(現に近江アナは右利きの様子)、単なる一因なのですが、女性の方が聴覚優位の人が多いといわれており、空間把握が苦手という話によくなります。
では、どうすれば良いのでしょうか?
これはつまり、教え方が男性目線だからこそ発生するもので、鏡越しなどだとああはならないケースが結構あります。
理解に一手間かかっており、それはあくまで生得的な特性と、その教え方が特性に対応していない、ということです。
そう聞くと、「不器用とは異なる」ということになると思いませんか。
右左を考えてるうちに話が先に進んでしまう方は、この仕組みを理解しておくと、動作の物覚えがグンと良くなります。ただし、このお話も、文章読解の問題などがあるため、完全に伝わるとは思えません。
■まとめと解決策
こうした要素をまとめると、レクチャー受ける、あるいはレクチャーをする側の方は、
・鏡を使う
・映像であれば、その映像を反転して見る
などすることで、「視覚情報・聴覚情報・言語情報を同一にすること」ができます。
理解がぐんと進む人がとても増えますし、時短にもなるということになります。
特に映像の方は、こうした一手間が近年難しくなくなってきていますが、それでもやはり伝える・把握するって難しいですね。