
愛犬ががんになりました
愛犬てんてんががんになりました。
確定診断はこれからですので、誤診もあるかもしれません。大ベテランの先生による細胞診の診断ですので望みは薄いですが、それでも誤診であってほしい。
てんてんは5歳3ヶ月、雑種のオス犬です。右目の上に小さな傷があることに気づいたのが12月上旬。なにかに引っ掛けたのかな?くらいに思っていましたが、なかなか消えない。年が明けてもなかなか小さくならない傷が、3連休に入って急に大きくなりました。
かかりつけの動物病院を受診したのが1月14日。私は獣医師ですが、臨床獣医師ではないので自分の犬も猫も基本的には動物病院を受診しています。
で、そこで針生検をしていただきました。年齢が若いこともあり、細胞は悪性のものではないだろうということでしたが、念のため検査センターでの細胞診をしようということになりました。しかし、結果が来るまでに2週間もかかるということ!そんなに待てない…。
私は現在、大学院の博士課程で動物のがんや細胞を使った研究をしており、細胞診のスペシャリストが近くにいらっしゃる環境のため、図々しいことは百も承知でお願いしようと、採取していただいたスライドガラス標本をもらって帰宅しました。
翌々日の1月16日、大学にて標本を診ていただきました。まずてんてんの写真をお見せしたところ、犬によくある良性の「組織球腫」じゃないの~?ということでしたが、顕微鏡をのぞかれた途端、先生の顔が厳しくなりました。診断書を書くならば「リンパ腫」と書かざるを得ないと…。全身の血がひいていく感覚に必死に耐えました。
予後にはいろんなパターンがあるし、とにかく腫瘍科の先生に外科的に処置してもらいなさいと、顕微鏡から顔をあげられて即、動物医療センターに出向いてくださいました。そして最短で診察予約を入れていただけ、不幸中の幸いとはこのことだと思いました。涙、涙の1日でした。
帰宅し、気が進まないながら文献をひきました。
Clinical outcome and prognosis of dogs with histopathological features consistent with epitheliotropic lymphoma: a retrospective study of 148 cases (2003-2015)
これによると
The overall median survival time for dogs was 264 days (cutaneous: 130 days; mucocutaneous/mucosal: 491 days)
→全生存期間は264日(皮膚病変:130日、粘膜皮膚/粘膜病変: 491日)
ということでした。てんてんは皮膚病変です。論文は論文としてこの数字を頭に入れておきたいと思います。とにかく、とにかく腫瘍科の診察が待ち遠しいです。