改札をすり抜けて飛び去る鳩が撃ちおとされたホーム、バターとジャムを塗りつける行為。宇宙に呑まれた機関車と、ひとり抜けた乗車席。
媚びずに黴び付く信念と、曇りのとれないダイアモンドの破片。ずっと無双して、夢を見て今を浮立って墜落した黒い猫。
この終末が過ぎたらどこに行こう?東南アジアは物価が安いし(パクチー苦手なのに)砂漠で贅沢もいいね(レプリカ世界旅行で満足できる体質)レイズした資金で治したい生きづらさなんて本質?私が行きたい場所は底知れぬ愛で濡れた橋だった(調べても出てこない画法と禁断の色)
お湯沸いたこと2回も忘れて、もっかい沸騰したら涌いたのはぼくでした。水を挿したらヌルい昨日、熱が醒めたら喪失はみずいろです。
街の匂いはルゥと人参、コンソメで人生の欠陥を埋めるみたいに本質が伴わない味付け。私はきっとここで生きていかれない。ぬらぬら光るネオンのペディキュア、私だったら選ばない色。そうやって全てを一瞥して、なんだか無敵モードですか?神聖も恋も風船も少しづつしか膨らませられなくて、奪わないでよなんて勝手な価値観で価値に呪いをかけている、そして経験が言葉を剥奪する訳を知る。エゴまみれの生肉で指先をあやしている、肩凝りは正義感と反比例だって、秘密のチューで死ぬまで戯れるんでしょ?
海は子供の罪、殺さなければ輝かないような生き様ばかり、誰とも分かちたくないを誰かで塞ぎ続けている、君にとっての全ては僕にとってはカケラでしかない、ばかりがすれ違って、すれ違わなければ生まれなかった調和を手繰りに楽園を調合している。酩酊した視界に焼き付ける憧れは、終わりの予感は茜色を帯びたあやふや、崇高は盲目と究極美の瀬戸際、見届けた無機質の梯子を洗っていく、遺棄した朝に見つけられなかった温度、振り返った道には誰もいない。
霞を覚えるほどに他人は集う、窓から見える移ろいはゆっくりと衰退する、ミニマム規模で刺激と不幸が隣り合わせ、ドキドキだってずっとまとはずれ、嫌いなんてコスパ最悪!正義でなくちゃ許せないとかマジ弱いよね、なんて通用しませんよ。知ってるよ、従わないけどね、お前で生きてる私ならぜんせんかわいくないもの
誰の気にも留まらない非常ベル、金糸雀の鳥籠と奇跡ツラした花が咲く手首、西日の傾くころの道玄坂。命が凍結した匂いが壊しがいのある絶望の予兆、君が一番欲しかった形骸は柔らかい内臓なの?放置されていくぬいぐるみを尻目に、罪も意識すらも消耗品だ、そうやって目を逸らすからツケが回ってきたんだよ、趣味じゃないフレーバーティー、胸を張って着られない服、味がしなくなるまで噛み続けて、学科のない教育センターはミーハー心の殺人予告を産み出した、流行りみたいな複合性も擦るにも人知れた風刺もざらつく一方で、あの街は無能を急き立てるから寄り付かなくなった。
時々全ての人間を抱きたくなる時がある、見初めるのではなく誂えたのだった、許せないこと、愛したいこと、忘れたいこと、忘れたくないこと。質とか圧とかやっと分かるようになってきてもとやかくを我が物顔で翳すような卑しさなら涸れてしまえ、本当に欲しいのは間合いのない対話だった。
大好きな銘柄だっていつかは手放す、それはノイズで割れた弦楽器、先頭のない連結車両、名前のないカリスマ性。地続きの僕らを載らない毎日がアーケードをすり抜けて冷徹に委ねてくる。
そういうことにしたかった洞察力、過る顔を辿れる程に知れなかった安易な冠詞ども。
世界は愛に溢れてる すらも暴力ではないのか?
その加虐性すらも順応しなければずっと未熟だと言われて、ブレずに潤している真心の匂いは3年前への逃亡。
あの時に落ちたスプーンと弾け飛んだ釦、日々をチリチリに不可視のガラスで鑢る、本能をハートフルで見せしめにして、洗いざらいに叶えない賭けを穿き潰す。好きが同じジャンルで安心した?水面には等しく惨めが宿る、合わない油を差してもあうわけないよね、大恋愛しなくてもベストセラー書けちゃう、欲しいレア本手に入ったから用済み、蛇のお腹の中はきっと曇天、お手軽エモーションに見栄えだけギャルが蔓延ってウぜー。田舎のローソンは流行のウィークポイント、よれよれの夕方にのせて鴉が飛び去るとき、それなりに麻痺した幸せでいいなら凡庸と曠日を噛み締めて気の利いた冗長は笑顔の強要、君の歯を折って臍ピアスにしたい、起き抜けの朝に舐め取る夢の味、言葉にしないでいる寝言の悲鳴で煤に灼けた僕の全ては、僕が居た証明にはならない。