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「終遠のヴィルシュ」総合感想(※ネタバレ無)

★総合感想(※ネタバレ無)


とりあえず、海に向かって叫びたい。
めっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ面白かった。
終ヴィル、最高!!!!!!!!!!!!!!!!! 

初っ端から、語彙力のなさすぎる感想で申し訳ないです。ただ、この大きすぎる感動を伝えるのに、これ以外の言葉が出てこなかった……。(今の私には、ヒロインに愛おしいという感情を伝えるのに「愛してる」という月並みな言葉しか出てこず、己の語彙力のなさを不甲斐なく思う一攻略対象の気持ちがよく分かる。悔しい)

もし、これを読んでいるあなたが購入を迷い、辺境の果てのようなこのnoteに辿りついてくださったのなら、ぜひ買っていただきたい! さあ、私と共に、アルぺシェールに骨を埋めよう!(※情緒が謎) 

……と、私個人としては、全力で万人におすすめして、一人でもこの作品について語りあえる魂の同胞を増やしたいところなのですが。
「終ヴィル」のストーリーは、万人向き……とは言い難いですね。

まず大前提として「終ヴィル」のCEROはD(※17歳以上を対象とする表現が含まれることを意味する)です。CEROの規制対象となるのは、大別すると、性表現と暴力的表現の二つ。
「終ヴィル」のCEROが、どちらを意味しているのかといえば、圧倒的に後者です。甘々で刺激的な恋愛シーンを期待して購入すると、容赦なく裏切られます。要は、CEROでDがつくほど残酷な表現が多い。

どのぐらい残酷かというと、私はとあるキャラの個別ルートでは、あまりの狂気的な展開に震えあがり、怖くなって夜眠りにつけなくなるレベルでした……(;´∀`) 仮にも乙女ゲームを謳っておきながら、ここまで驚かされ、絶望させられるとは思ってもみなかった。これは、怖い話や残酷な話が苦手で、ホラー耐性のない私の感想かもしれませんが、「終ヴィル」を甘い夢を見させてくれる乙女ゲームだと思って買うと、痛い目に遭ってしまうかもしれません……。

当たり前のように、人が死ぬ。
さらには、その死に様が、かなり強烈でエグい。
目を背けたくなるほどの、凄惨な死。文字表現だからこそ、ぎりぎり耐えられたレベルだった。私は、終ヴィルが文字を媒体としたストーリーで本当に良かったと思う。アニメ化して、終ヴィルのキャラ達が活躍している姿を見たい気持ちと、この作品をアニメ化はできないだろうという矛盾した気持ちが混在している。なぜなら、アニメ化するにあたってはこの凄惨さを誤魔化さなければならないと思うが、誤魔化してしまっては終ヴィルの魅力が損なわれるとも思うからだ。
その惨さも含めて、この作品の絶大な魅力なのだ。
そこを受けいれられるかどうかで、この作品への評価は、180度変わってくるのだと思う。
とはいえ、ホラー耐性のあまりない私でも、最後までプレイできた(※どころか、沼に沈んで2キャラについては二周した)ことだけは付け加えておきたい。話は凄惨だけれど、登場するスチルはどれも神々しく、イラストについては見るに耐えないグロ描写は出てこない。後、兎にも角にも話がものすごく面白かった!苦しくても、この先を読みたくないとは一度たりとも思わなかった。主人公たちの行く末をこの目で見届けるまでは、明日の出勤が迫っていようと、ゲームをやめる気になんてなれなかった。

いや~~~~すでに語りすぎだろ、自分。まだ、ネタバレ無の感想で、なにも語れていないよ~~……!?(※ビックリして、我に返った)
では、ここからは、簡単に世界観とあらすじの説明を。公式サイトに出ている情報しか載せないので未プレイの方もご安心してお読みください。

物語の舞台は、「死神に魅入られた国」アルぺシェール。
四方を海と黒き災いの花に囲まれたこの国の人間は、23歳までに死に至る呪いにかけられている。
己の短命を嘆く国民たちに、ある一人の天才科学者が、奇跡——「リライバー技術」を確立させた。人の遺伝子からクローン体を創り出し、元の肉体から抽出した記憶をそのクローン体にダウンロードすることで、同一人物として生命活動を再開させるというものだ。

主人公は、この国で死神と呼ばれる少女、セレス。
関わる者を不幸に陥れてきた彼女は、「……神様。私は……たくさんの人を、殺しました」と自死を決意する。
そんな彼女の前に現れたのが、自らを死の番人だと名乗る、謎の男。
彼は、セレスに、こう言った。
「私との約束を果たしたら。君を【普通の女の子】に生まれ変わらせてあげよう」
これは、死神と呼ばれる少女が、死の番人に導かれて、様々な死の謎に向き合うことになる物語。

ねえほら簡単に世界観とあらすじを書いただけでも、めちゃくちゃ面白そうではないですか? 二周目プレイ直後の私は、このあらすじを見ただけでも、胸に万感の想いが迫ってくるあああああ……(※情緒不安定)。

よくこんなに面白い設定を思いつくなぁ……と、ただただ尊敬の念を抱くしかないのですが、設定が面白いだけでは飽きたらず、全ての設定に意味があるんですよね。
誰一人の物語として、欠けてはならないのが「終ヴィル」なんです。一通りプレイし終えたころには、全キャラ抱きしめたくなるほど愛おしくなること間違いなし。立ち絵もスチルも美麗で、いつまででも眺めていられます。当たり前のように死が蔓延る世界観に、どこか幻想的で儚い印象をあたえるイラストの雰囲気がよくマッチしているように感じました。(※これは余談ですが、プレイ前に公式サイトでキャラクター設定を眺めていた段階での最推しはリュカ先生でした。どう考えても天使すぎませんか?中性的な雰囲気のキャラクターに弱いのかもしれない)
ただエンタメとして面白いだけでなく、「生死」や「運命」についても考えさせられる。テーマ性も深い物語だったと思います。
一応乙女ゲームなので糖度についても語っておくと、甘いシーン自体は相当少ないです。ただ、常に生きるか死ぬかの絶望の最中で、たまに訪れる甘いシーンは格別の味でした。極限に追い詰められた状況だからこそ、描ける深い愛がある。
今までの私にはハピエン至上主義の節がありましたが、この作品を通して、BADエンドも愛おしいと思えるようになりました。これは私にとっては革命だった!正に革命!!
最後に、物語を彩るゲーム音楽も、とても良かったです。
いかにも絶望が迫ってきそうな、おどろどろしい曲には心拍数が上がりました。終ヴィルの中で一番好きな曲をあげるとするなら、圧倒的に、贖罪の船出 -Memory-。神秘的で儚いのに、どこか、強さも感じるこの曲。流れてくると、運命に抗いたい気持ちになる。(プレイした方には分かってもらいたい……!)

序盤で、この作品は「万人向き」ではないと書きましたが、そもそも全人類から愛されるお話等ありえないわけで。
「終ヴィル」は、端から「万人向け」を投げうって勝負に出たからこそ、一部の人間の心を鷲掴みにする神作品になりえたのではないかと、このnoteを書きながら思いなおした次第です。

ひゃー。的を得ない、長々としたオタク感想になってしまった……!

全体的に暗く、苦しい作品ではあるのですが、ただ陰鬱なだけでは終わりません。面白い話を読みたい方、感動したい方に、全力で推したいゲーム。ちなみに余裕で男性にも推せます。

予想していたよりも遥かに長文になってしまったので、ネタバレ有の感想記事は別で投稿することにします!この感動を一つの記事におさめようとしていた私がバカだったんだなぁ……(白目)。

長文をお読みいただき、本当にありがとうございます。
好きなことについて語るのは、すごく楽しくて、至福の時間ですね( *´艸`)


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