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米騒動は終わりの始り?

今回の米不足、マスコミでは色々な原因が取りだたされているが、私は根本的な原因は日本人の米離れにあると感じている。

パンやパスタなど小麦食品が嗜好され、一方で米は大量に余っていた。

農家も国も、行き先の無い米を大量に作り続けるわけにはいかず、減反と言う形で需給調整を図ってきたが、それでも米余りは解消されず、米の価格は下がり続け生産者は消耗した。

そこにコロナによる外食需要の消失で価格が崩壊し、米の生産に見切りをつける農家がふえた。

このように、米の需要減とそれに伴い生産が減り続けるなかで、国際情勢により小麦が値上がりし、急に安い米へ回帰した所に猛暑やインバウンド、災害への備蓄が加わって需給が逼迫したのではないだろうか。

しかし、この先米の生産量は増えるどころか維持するのも不可能で、急激に減少するだろう。

現在の農業は、70代後半のお父さんと50代の息子が主力で、跡継ぎはほとんどいない。

お父さん世代のリタイアが本格的に始まるなかで、残された農業者は極めて厳しい立場に立たされている。労働力が圧倒的に足らないのである。

しかし、今後どんな施策をとっても農業従事者は増えることはないと思う。なぜなら、日本中が労働力不足のなかで、農業だけに人を振り向ける余裕がないからだ。

バスは減便され、医療現場でも教育現場でも建設現場でも人手不足に喘いでいる。そんななかで、きつくて不安定な農業をやりたい人がどれだけいるだろうか。

せっかく作った農産物も、トラックの運転手さんが足らなくて輸送できないなんてこともおこるかもしれない。

AIやスマート技術がいくら進歩してもそれは枝葉の話で、結局は人間なのだか、その人間がいないのだ。

海外からの労働力に頼るにしたって、給料の安い日本に魅力は無い。食糧を輸入するにしても、地球規模では人口が爆発的に増えて食糧は奪い合い。国力が下がってお金の無い日本は新興国に買い負けるだろう。

いつからこんな国になってしまったのだろう。石ころが、坂道を転げ落ちるように国が沈んでいく。

悲観的なことばかり書いてしまったが、私の小さな頭では解決策が見当たらないのである。

かつての日本が焼け野原から復活したように、堕ちるところまで堕ちて第二の敗戦を迎えて、まっさらな状態にならないと希望の光を見出す事ができないのではないか。

それまでの間、配給制を復活させたり国連からの食糧援助で、日本人は空腹をしのぐのだろうか。

大袈裟に聞こえるかもしれないが、そうならない為にも、今回の米騒動の意味をみんなが問い続けなければならないと思う。

自戒を込めて。





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