SG初月家計簿
シンガポールに来てから1ヶ月くらいになる。
今日は清算作業と今後の戦略のまとめ。
目標
以前の記事で
「お金は稼ぐこと以上に正しく使うことの方が難しい」という話をした気がする。同じ金額を使ってもそれが本当に自分の次の一瞬を幸せにしてくれるかどうかは、人によっても時間によっても場所によっても違う。
今世の中にはより多くのお金を稼ぐための情報が溢れ返っている。学校ではお金を稼ぐために勉強をし、書店に行けば「成功」のためのビジネス書が並べられ、ネットを開けは高収入を実現した人間が何を思ってか啓蒙活動に明け暮れている。
しかし、せっかく稼いだそのお金を本当に自分のために使う方法はあまり注目されない。出費に関して論じられる内容はいつも節約や貯金といった、これもやはりまた「お金」そのものを如何に自分の懐に残すかといったことに終始している。
地獄にお金は持っていけない。
私は裸一貫、この身一つになったとき、何かこの手に残るようなお金の使い方が素敵だと思っていて、これを目指したいと思っている。
SGの傾向
シンガポールはこのお金の使い方を学ぶにあたってとても適した場所だと感じている。そう思う理由を述べよう。
シンガポール歴の長い同期がこんなことをいった。
「シンガポールではお金がなければ楽しいことはできない。」
これはどういうことなのか。
自分なりに考えてみた。
シンガポールについて早々、この国は日本に非常に似ている点がある感じた。具体的には街をいく人々の目線がかなり俯きがちで単調。往来はあるが会話は少なく、「群衆の中の孤独」が容易に発生する環境だ。
タイはこれを許さない。街を歩けば顔見知りに頼んでもないのに今日の朝食の話をされ、店に入れば店員と仕事場の噂話に花を咲かせる。
これはどちらが良いという議論ではない。
ただ、誰かと話して今日の発見や明日の予定を共有することはそれだけで気持ちを前向きにすると私は思っている。とにかく本来の人間とは、誰かと話すのが好きだと思う。例えどんなにクールを気取っていても。
もしこれが正しければシンガポールでも誰かと仲良くなりたいのだが、タイの時のように簡単にはいかないので難しい。ではどうすれば良いのか。それはコミュニティに入ることで解決する。このコミュニティに入るために「お金」が必要になる。単にクラブに入るための入会費に始まり、酒場や遊び場で構成されるコミュニティにはもちろんその使用料が発生する。翻ってみればタイではこうした人の集いに敷居がなく、開かれた状態があったといえるだろう。
日本でも同じことが言えるが、日本は私の母国である。日本には幼い頃からのコミュニティがあって別にお金を払う必要はなかった。日本でこうした生まれ持ったコミュニティを失った人たちが苦労しているのは簡単に身近な例が五も十も浮かぶ。
「シンガポールではお金がなければ楽しいことはできない。」
しかしどうだろう。逆に「お金があれば楽しいことができる」のだとしたら。これが本当なら、上にあげた「本当に正しいお金のつかい道」がこれほど明確になることもない。この国の在り方と傾向が私の幸せを既に定義してくれているようなものだ。
それが本当に自分の幸せに繋がるのかいくらでも実験できる環境だとは言えないだろうか。
家計簿
この1ヶ月財布を出すたびにアプリに記録を残した。
目立つのは家賃だ。シンガポールの家賃は目が飛び出るほど高い。
しかし、家なしで過ごすわけにいかないので必要経費だ。
今はホステルで共同生活をしているが、来月からはちゃんとした部屋に移動する。食費もこれ以上削れない、かなり気を使って抑えているが、あまり絞りすぎても貧しい思いをするだけだ。まあ、安い飯ほど美味かったりする。
問題は酒とタバコだ。
この国は酒もタバコもめちゃくちゃ高い。
以前トライした禁煙で失敗したので、もう禁煙するのは億劫だし、
帰ってからビールを一杯やるためだけに仕事を頑張っているようなところがある。とはいっても合わせて全体の出費の15%以上。
ビールもタバコも間違いなく私の人生を色あるものにしてくれているが、タイでの仕事を辞めて以来、量が増える一方だ。ここは少し規制が必要だ。
ビールは水金だけ。タバコは週に二箱まででどうだろう。
ちょっとチャレンジしてみよう。
この表の出費全体で給与の50%以下なので半分は貯金にもできるが、このうち幾らかでコミュニティやお気に入りのお店を見つけたりしたい。
お金が管理できれば楽しい国なのはどうやら間違いなさそうだ。
郷に入ってはなんとやら。
この国の楽しみ方をまずは勉強していきたい。
しかし、どうだろう。
お金でしか買えない「楽しい」とは、本当の意味で「楽しい」ことなのだろうか。