タイに帰る
タイに戻ってから1ヶ月くらいたった。
今回はこの1ヶ月の振り返り。
3ヶ月ぶりのタイは暑かった。12月の寒期とは違う。
空港に着くと色々な思いが蘇る。
最初にタイに来た時のこと。
半年過ごした記憶。
悔しい思いで日本に帰ったこと。
そこからの就活終盤と怒涛の研修。
そしてこれからのこと。
夕焼けのバンコクを電車で移動しながら中々ないシチュエーションと心境のあり様を楽しんでいた。
大人の力
私の最初のミッションは家を見つけることだった。
その間、見つけるまでのホテル代は会社が負担してくれる。
会社負担のホテルはあまりに綺麗で驚いた。これまで一泊100THBのホステルばかり使っていた私は拍子抜けしたような感じだった。
タイにもこんなに綺麗なホテルあるのか。大人の力すごい。
家探しに関しては私も慣れたものだ。予算はなんと10000THB/月!
5000THBのかつてとはレベルが違う。もちろん自費だ。
しっかり頑張って働くためにもゴミ捨て場みたいなところでなくて、ちゃんとした家に住みたい。それでも日本円換算で¥4万なので、あまり期待していなかった。
しかし、内見一発目からすごかった。駅から徒歩5分。敷地内にプール、ジム、コンビニ、レストラン、喫茶店、クリーニング、美容室。家具付きで高層マンションの26階。
同行していた不動産担当のPorにここが本当に10000THBなのか聞くと
「間違いない」という。
怖い。こんなに贅沢なところに住んだら罰が当たる。
”Do you like it? Mr."
とPor。
"Too perfect…."
としか答えらず窓から外を見るとOnNutの街を一望できた。街を見下ろすと車がトミカみたいだった。結局私は今ここに住んでいる。
大人の力すごい。
これ以外にも、食事や週末の過ごし方など、極貧だった以前とは何もかもが違う。以前は量の少ないタイ飯1人前ではお腹いっぱい食べれなかったが、今は2人前頼んで沢山食べられる。週に一回はマッサージに行ったり、Prom Phonで本を買ったりできる。
もはや私は研修生でも浪人生でもないので人間並みの生活をしてもいいだろう。「大人の力」を少し享受させてほしい。一方で貧乏ならではのサバイバル感がないのも、なんとなく張り合いなく感じる自分もいる。身の周りにお金や物が増えれば、それだけ自身の力は必要なくなって来る。何が自分にとって「豊か」なのかは常に探求していたい。
不便なホワイト社会
こちらに入ったタイミングはソンクランでタイの長期休みだった。日本のゴールデンウィークみたいなものだ。「水かけ祭り」としてよく知られるこの期間は街中水鉄砲を持ったハイテンションなタイ人でごった返して、少し歩けばびしょ濡れになる。
これで服が濡れるより困るのはどこもお店が開いてないことだ。
銀行口座の解凍やVISA申請はもちろん、行きつけだったトンローのタイ飯屋台も古本屋も閉じていて困った。
タイでは「休日は休む」のだ。
ソンクラン明け以降もこの「休日は休む」というタイ文化に悩まされた。
荷物を受け取りに郵便局に行くのも、シャワーの給湯器の修理も平日でないと対応してくれない。平日は私が仕事なのでこっちが対応できない。
日本でもこの前までゴールデンウィークだったので記憶に新しいだろう。ショッピングやレジャーを楽しんだ皆さん。そのサービスを提供する側の人たちの休日はどうなってしまったか想像していただろうか。
日本でも昨今労働環境の見直しが叫ばれている。これはライフワークバランスの観点から素晴らしい傾向だと思う。しかしサービスを受ける側の立場にたった時に同じように「労働時間を減らせ!」と主張できるだろうか。
夜中に近くのコンビニがやってなかったら?
土日に映画館が開いてなかったら?
夏休みの間、市役所がずっと閉まっていたら?
とても困ってしまう。
日本の暮らしやすさは日本人の長い勤労時間の賜物なのではないだろうか。
まずサービスの向こう側に働いている人たちがいる事に感謝しなければならないと改めて思った。同時に日本の「働き方改革」がいまいちブルーワーカーのレベルにまで普及しない理由も、なんとなく分かった。
仕事の方もあと1、2週間すれば落ち着きそうだ。
ここからも変わらず日々の発見や思ったことを共有できたら嬉しい。
最後まで読んでくれてありがとう。