タイの太鼓村に行く
タイで太鼓を入手する方法を調べてAngthong県という場所を見つけた。ここには太鼓生産が主産業となっている「太鼓村」があるという。今回はここに行った記録。
本当にあるのか
Angthong県は有名観光地アユタヤの一個北、タイの中央部に位置する。
日本人にこの名を聞いても知っている人は誰もいなかった。太鼓村はこの県のPamokという場所にあるらしい。
全く行き方がわからない。Googleで調べてもはっきりとした行き方は出てこない。インターンの仕事の休みは週に1日。なんとか日帰りで太鼓村を見にいけないだろうか。ほとんど計画を立てずにとりあえず家の近くのエカマイバスターミナルで聞き込みを開始した。
エカマイバスターミナルに着くとズラッと並んだカウンターのあちこちから
"Pai nai!!!"
(どこ行くの?)
と大声で聞かれる。これはいい。そちらから聞いてくれるのか。
”yaak ca pai Angthong. Mii rot mee mai K”
(アントンに行きたいです。バスはありますか?)
カウンターのおじさんは慣れた様子で答える。
”mai mii.Mochit! £%# nan rot fai! ”
(ないよ。モーチットだ。-----電車に乗りな。)
GoogleMap で調べると「モーチット」はどうやらBTSの駅の名前だ。そしてモーチットには「バンコク北バスターミナル」がある。
ここからならAngthong行きのバスに乗れるのだろうか。おじさんを信じてモーチットまでBTSで移動。駅から徒歩20分ほどでバンコク北バスターミナルに到着した。エカマイと同じようにAngthong行きのバスを尋ねるとターミナルの反対側にある別のステーションからチケットを購入するよう言われた。言われるがまま移動し、ようやくAngthong行きのバスを見つけることができた。
バスに揺られること3時間。Angthongバスステーションに到着した。周りを見回すととんでもない田舎だとすぐに分かった。観光地でもないので心なしか人々が日本人の私をめずらしがっているように見えた。
ここからが大変だった。
そこら辺の人を捕まえて帰りのバスを確認する。
”Phom ton klap khrun teep. rot mee toopai ook kii moon K ”
(私はバンコクに帰らないといけません。次のバスは何時ですか?)
”ook sii moon”
(4時だよ)
今2時だ。これを逃すとさらに次は8時出発だという。12時帰宅はごめんだ。
あと2時間で太鼓村までいかなければならない。
Angthongバスステーションから太鼓村があるというpamokまでは20km近くある。しかし誰に聞いてもバスがないという。太鼓村はそんなに僻地なのか・・・。最終的にバイタクを拾うことにした。往復240バーツ で約束して移動開始。両脇の広大な沼を眺めながらバイクは目的の太鼓村に到着した。
Dram making Village Pamok AngThong
村についた私は久しぶりに興奮気味だった。通りのあっちもこっちも太鼓の店だらけだ。
すごい。1〜2キロほどの通りに大体10店ほど太鼓の工房が点在している。
そのうち一つの店に入ってみると奥から背の小さなお母さんが出てきた。
”duu dai mai K”
(見てもいいですか?)
”dai K”
(いいよ)
工房には一尺にも満たない小さな太鼓から三尺を優に超える巨大な太鼓まで、煩雑に、しかし状態に配慮して並べられていた。日本でよくみるタイプの宮太鼓(中太鼓)・桶太鼓だけでなく見たことないタイプのものもある。宮太鼓は鋲が銀色で一重にしか打たれていないものが多い。カン(胴についた持ち手)のデザインもタイっぽい。
”thaya ruup dai mai K”
(写真撮っていいですか)
”dai K. nak suk saa chay mai.”
(いいよ,大学生かな?)
”Chai, phom maa caak yiipun. yuu thii krun teep toon nii K”
(はい、日本から来ました。今はバンコクに住んでいます)
事前に聞きたかったことを取材する。
”an nii thaorai K”
(これはいくらですか)
"peet pan K"
(8000です)
1.6尺の宮太鼓が8000バーツ!?
円安の今でも3万円以下!?
日本なら安いものでも10万円はする。
”Thaa phom suu an nii, khun son an nii krun teep dai mai?”
(もし私がこれを買ったらバンコクに送ることはできますか?)
"dai K"
(できますよ)
すごい。予想していた何十倍も環境が整っている。
その後も太鼓の種類や台に関しても色々聞いて、お母さんのLINEをゲットした。LINEでオーダーすればバンコクまで太鼓を送ってくれるという。
それにしても何故こんなに太鼓の工房が密集しているのだろうか?
”Thanmai raan kroon yuu thew nii ye ye”
(なんでここには太鼓のお店が多いのですか?)
”£%#&□△?£%#&□△?£%#&□△?£%#&100pii leew”
(-------------------------------100年前)
流石にタイ語のレベルが高すぎた。100年前からなんかあるらしい。
もっとタイ語を勉強しないといけない。
いずれにしても太鼓チームを作るための最初の課題はなんとかなりそうだ。次はスタジオを探さないといけない。とりあえず1時間ほど借りて笛でも吹きに行ってみようと思う。
とても長くなってしまった。
最後まで読んでくれてありがとう。