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無職マレーシアの旅
タイで無職になった私は転職時間確保のVISAランと次職有力候補地視察を兼ねてシンガポールを訪れることにした。他愛もないただの旅の記録だが、一緒に旅した気分で読んでもらえたら嬉しい。最近暗い記事ばかりなので楽しい記事にしたい。
あってないような計画
6月4日、私はBKK ThongLor の喫茶店で旅の計画を練っていた。
私はシンガポールという国について何も知らない。大学の授業でも本でもあまり触れたことのない国だった。なんとなくASEANの中でも発展していて、教育水準が高いと聞いたことがある。
そのくらいだった。
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早速、現地の宿泊先を眺めていて困った。
高い。
タイでバックパッカーをするなら一泊฿200(¥800)くらいが相場。
しかし、シンガポールのホステルは฿1000(¥4000)はする。
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これではあまり長い時間滞在することはできない。
調べると、宿泊だけではない。
シンガポールは物価がとても高いことで有名。
ものにもよるが日本と同じかそれ以上だという。
参った。
どうせ旅するなら、1週間ぐらいはウロウロしたい。
折角仕事もないのだし。
そこでひらめいた。
1週間のうち数日でもシンガポールを見ればいいのだから、残りの時間をマレーシアで過ごせばいい。
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航空券はマレーシアのクアラルンプールでとって、滞在期間中にシンガポールになんとか入国して帰ってこれないだろうか。
よくわからないが、なんとかなるだろう。
マレーシアでの時間の過ごし方は、まあ適当にウロウロしよう。
マレーシアに行って、シンガポールに行って、マレーシアからBKKに帰る。
とりあえず計画がたったのでルンルンで航空券を抑えた。
クアラルンプール(KL)
6月6日13:00、クアラルンプール国際空港に到着した。
暑い。タイより暑く感じる。
それもそうだ。タイは沖縄よりはるかに南で、そのタイよりマレーシアは南にあるのだから。
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ほぼ赤道の真下
KL国際空港は北朝鮮の金正恩の腹違いの兄・金正男(ジョンナム)が暗殺されたことでも有名な場所だ。彼が立っていたであろうカウンターの近くまで行ってみた。
独裁者の兄として生まれなくてよかった、と思った。
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空港から市内までは電車で移動できる。55MYR(¥1500)だ。
チケットを受け取るときいつもの癖で
”ขอบคุณ ครับ”(ありがとう)
と言ってしまって、受付のお姉さんに笑われた。
"I know you are Korean."
(あなた韓国人でしょう)
"ケッチャナ"
もうぐちゃぐちゃだ。
車窓に映るのはジャングルばかりだ。
マレーシアはあまり発展していない国なのだろうか。
途中、牛や羊が草を食んでいるのを眺めていると仕事とか転職とかどうでも良くなってきた。
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市内に近づくと背の高い建物がちらほら見え始めた。一気に都会になった。
到着駅はKL Sentral。路線図を見て驚いた。
BKKよりはるかに路線が多い。なんだ、しっかり大都会じゃないか。
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街もタイに似た感じを予想していたが、全然違う。
まず歩いている人々が異なる。インド系・中華系・マレー系の人種が入り混じるように駅を流れていく。女性はアバヤを被った人も多い。(地域によって呼び名が異なるがマレーシアでなんていうか知らない。)
英語もタイより通じる。
流れている匂いはドバイにそっくりだ。
香水とスパイスの匂いだ。
それでも歩みや会話のテンポ感はタイに似て穏やかだ。
とりあえず、アロー通りのご飯が有名と聞いたので行ってみよう。
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すごい都会
GoogleMapでみると”Bukit Bintan”という駅がアロー通りから近そうなので移動する。降りるとすごい。渋谷と見紛う程の都会だ。
みんな綺麗に着飾っている。観光客が多いようにも感じる。
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アロー通りは駅から5分もかからない。屋台がたくさん並んだ1km弱の飯屋街だ。中華・タイ・インド・西洋。多様な屋台が立ち並んでいる。
人でごった返して全然前に進めない。
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適当にお店を選んで麺とビールを注文する。
タイでは食べられない中華系の味付けでとても美味しかった。
面白いのはイスラム人口が半分以上でありながらお酒が飲めることだ。
調べるとビールはTiger・Guiness・Carlsbergが主流で(タイでも結構人気だ。)アルコール度数10%を超えるウィスキーなどの提供には政府の許可がいるらしい。
日本にいるとイスラムは非常に厳格で融通の利かない宗教であるようにマイナスのイメージを持つが、本当は寛容を模索できる柔軟性のある宗教なのだ。
他民族の文化がしっかり秩序を持って共存しているのは面白い。
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雑なグラスで飲むのもいい
退職した憂鬱さを引きずりながらも少しずつでも気分が前向きになったらいい。どうせ楽しく旅するしか選択肢はないのだから。
とりあえず明日はBatu洞窟に行ってみよう。近場でメジャーな観光地だ。シンガポール行きの計画も立てなければいけない。
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続きはまた今度。
記憶がはっきりしてる内に書きたいのですぐに書こうと思う。