試着旅新宿伊勢丹編
前回までのあらすじ
近県のそこそこ大きい街で試着の練習をし、うまくいったりいかなかったりしながらも結局のところ靴が決まらないとどうにもならないのでは?ということに気づく。
(そもそもコンセプトが定まっていないのが問題なんだけど、とりあえずそっちは置いておく)
自分の見るべきブランドをピックアップし、ついに新宿伊勢丹へと足を踏み入れる……!
メンズ館、Y-3
化粧品コーナーでタッチアップをしてもらったところめちゃくちゃかっこいい顔になったのに驚きつつ(これは後でまとめる)、まずは二階の婦人靴フロアへ。
ph7+とオニツカタイガーがあるはず、と思って二周くらいして、オニツカタイガーは見つかったけれど店員さんは全員接客中で試着を申し出るのはちょっと申し訳ない、ph7+は見あたらず。
とりあえず別のところ、ということでメンズ館六階のY-3へ向かった。
何から申し出ていいのかわからず、一番目立つ場所にあったスニーカーを試着させてもらうことにした。
店員さんがサイズの商品を持ってきてくれている間に他の商品を眺める。
アディダスとヨウジヤマモトのコラボ?らしく、全体的にスポーツテイストでキャップなんかもあったりする。
そしてよく見ると見覚えのあるスタンスミスのシルエットがあった。
スタンスミスは大学時代に履いていたので何となくなじみがあり、少し安心する。
(Twitterのおしゃれピープルからは偽物呼ばわりされがちな合皮の量販店型スタンスミスだけど)
Y-3のインスタはフォローしていたのだけれど、イメージ画像みたいなのが多くて商品の予習があまりできなかったので、結局どんなものが売っているのかがわからなかったのだ。
店員さんが持ってきてくれたスニーカーを履いてみる。
特にサイズや履き心地にに違和感はない。
元々履いているニューバランスに色・形とも近いので、鏡に写った印象も特に変わらない。
説明を聞いたところアディダスと別ブランドのコラボらしいのだけど、Y-3との関係はよくわからない。
この際だから、とスタンスミスも履かせてもらうことに。
白黒ツートンと黒一色のものを履いてみる。
白黒の方は「アマグニヒトヤ……!(ヒプマイのキャラです)」という感じ、黒の方は履いてみたときは「かっけー!」って感じだったけれど、写真を見直してみるといまいちぴんとこない。
履き心地は柔らかくて本革にしては軽い。話を聞いた感じでは防水スプレーを使った上で、でも雨の中をガンガン歩くという感じの靴ではないみたい。
お礼を言ってお店をあとにした。
そのままエレベータで下がっていってメンズ館B1、1F、2F。
店員さんはたくさんいるけれど、いまいち目当てのものが見つけられない。
紳士!って感じの靴ばかりで、自分が履いても良さそうなユニセックスのデザインがよくわからない。
そして何より、インバウンドのお客さんが多い。
なるべく混んでいない日ということで連休明けの平日、早めの時間にしたのだけれど、外国の人には関係ないわけで。
下手するとお客さんの半分くらいは外国の人かもしれない、人数も多いし元気もあるので、なんとなく気後れしてしまう。
とりあえずそれぞれうろうろして、だいたいこんな感じか、ってのとあきやさんの記事で言ってた靴のメンテのお店ってここか、ってのを確認して本館に戻った。
本館、ph7+
本館2F再び。オニツカタイガーはまだ混んでいるのでもう一回りして、今度は無事ph7+を見つけた。
インスタでチェックした記憶のある、ちょっとデコラティブなショートブーツを見せてもらうことにした。
(いま思えばもう一つ気になっていた、シンプルなブーツも試させてもらえばよかった・・・)
やはり店員さんを待っている間にうろうろと見て回る。
このブランドはなんとなくおしゃれで取っつきにくい印象だったけれど、よく見ると目立たないところにサイドゴアが入っていたりファスナーが隠れていたりと、おしゃれだけど履きやすそうな工夫がされている感じ。
試着しながら店員さんに話を聞いたところ、日本人のデザイナーさんだからというのもあって、履きやすさにはかなりこだわっているみたい。
確かに履いてみたブーツも足首にフィットして歩きやすく、それでいてきりっとしている。
ちょっとメンズっぽい形だけどきりっとした美人、という感じ。
この形は今期限りなので、気に入ったようなら早めに手に入れた方がいいですよ、と言われる。
とはいえまだ旅の途中、写真だけ撮らせてもらった。
履いたときはいい感じだったけれど、全身の写真を見るとなんだかいまいち……
カーキブラウンっぽい色だったけれど、自分の服装に合わせるなら黒の方がよかったかもしれない。
Y'sのブーツ
さて、と思ってオニツカタイガーを見るけれどまだ混んでいるので、服も見てみることにした。
Y'sの服を見ていたら試着させてもらうことになって、色々着せてもらったのだけれど(これに関してもまた別に書く)、履かせてもらったブーツが、なんだかずっと履いてきたような感じがした。
以前地元で履かせてもらったのと同じものだと思うけれど、着替えて足を入れた瞬間にすっとなじんで、もう脱ぎたくないと思ってしまった。
いい服のすごさにもびっくりしたのだけれど、靴のインパクトが後からじわじわときた感じ。
もしかしたら、色々な人が試着してある程度「育った」状態になっていたのかもしれない。
ブーツに足を入れた瞬間の「おかえり!」って感じ、その後に自分のニューバランスに足を入れて、それはそれで履き心地はいいのだけれど。
自分で育てればもっとしっくりくるようになるのだろうか。
カフェラテとモンブラン
色々情報過多で脳の容量がいっぱいになってきたので、休憩することにした。
頭が疲れている状態でおしゃれカフェに入ってもしょうがないので、安心のチェーン店を探す。
地下って気分ではなかったので新宿三丁目のTully'sでモンブランとカフェラテを頼んで二階席へ、一瞬でカフェラテを飲み干してしまい途方に暮れつつとりあえず伊勢丹の復習をする。
撮った写真を見返しながらとにかく覚えていることを書き留めて、さて次はどうしよう、と行きたいお店リストとグーグルマップを開いた。
原宿に行ってスニーカーか、ブランドショップを回るか、と思っていたら、すぐそばにドクターマーチンの店舗があることに気づいた。
さっきY'sで履いたのもドクターマーチンだったし、これはオリジナルを見ねばなるまい、ということで行ってみることにした。
ドクターマーチン
ドクターマーチンの路面店は思いのほかこぢんまりしていて、道路側はガラス張りで親しみやすい外観。
壁に色々な型のブーツや靴が飾られている中を一回りしてみたけれど、Y'sのものよりも惹かれるブーツは見あたらない。
見たところレースアップシューズの方がしっくりくる気がして、あまりごつくないスリーホールシューズを試させてもらうことにした。
25cmだと横幅はちょうどいいけどつま先がきつい、25.5cmだとつま先はちょうどだけど足の幅は余る、ということで、25.5cmの方にインソールを入れてもらったらしっくりきた。
しっかりしたいい革、重さは少しあるけれど嫌な重さではない。
お手入れの方法なども教えてもらう。
それほど面倒ではないしけっこう頑丈な感じ、手入れしながら履けば十年単位で履けますよ、と言われて店員さんの愛用している靴も見せてもらう。
つやつやとして履いた時にできるシワすらも味になっていて、タフに履いて丁寧にケアするとこうなる、というお手本のような姿。
見せてもらったお値段は長く履くことを考えたらお手頃といってもいいくらい、強くてかっこいいという自分のコンセプトにもよく合っている。
が。
今持っている革靴はマーガレットハウエルのレースアップ。
スーツに合わせるつもりで買って、それ以外のきれいめな服装にも合わせている。
それがくたびれてきたので代替わりしたい、というのが革靴の目的なのだけれど、後継にするにはドクターマーチンはいささかカジュアルすぎる。
特にスーツは月一回の会議でしか着ないので、そのための靴を別に用意するのはもったいないし、パンプスは嫌いなので似たようなきれいめを探すことになる。
そして、強さとかっこよさを持ちつつ、それを内に秘めなければならない場面も少なからずある(例:実家に行くとき)。
となると、機能重視できれいめの革靴とドクターマーチンの二足運用、ということになるが、それもなんか無駄な気がする。
さらに、Y'sのブーツを買うとしたら(すでに買う想定をしている)キャラクターが完全にかぶる訳で。
まずはブーツ(着物と兼用)・革靴(きれいめ/フォーマル)・スニーカー(カジュアル)の三足で運用していきたい。
そうするとカジュアルの枠にドクターマーチンが入ってスニーカーが入る場所がない、だからといってこれがスニーカーの代わりになるかというとそうでもない。
弱っている時にこのかっこいい靴を履いて、帰ってきてメンテナンスできるかというとたぶん無理なので、カジュアル枠にはもっとラフに履けるものが必要になる。
やはり自問自答を深めなければ、ということでこれは保留して次に行く。
原宿、グラウンズとピエールアルディ
ナビタイムの指示通りに地下鉄を乗り換えて次は原宿、とりあえずグラウンズを見に行くことにした。
表参道の駅から歩いて、それらしいお店の裏手に出た。
グーグルマップではこの場所のはずだけれど、ガラス張りの部屋の中には靴以上に人がみっしりしている。
入り口は反対側とのことでそちら側に回ると、すごい行列。
どこまでがこれから入る人でどこまでが出てきた人でどこまでが野次馬なのかはわからないけれど、全体的に日本人ではない感じの、色々な国の人が入り交じっている。
伊勢丹を回った後で並ぶ元気はないので早々に退散して、歩いて行けそうなピエールアルディーに行ってみることにする。
若干迷いつつも無事にたどり着き、インスタでチェックしていたスニーカーを試させてもらう。
靴としてのビジュアルはとてもかわいいのだけれど、いざ履いてみると自分には似合わない気がした。
服装が全体的にマットというかざらっとしたテクスチャーなのに、靴だけがキラキラと浮いている。
ドクターマーチンのツヤ感は違和感がなかったのに。
そしてこちらもあまり雨の日などにガンガン履かないタイプのスニーカーらしく、自分の求める路線とはすこし違う気がする。
難しいものよのう、と思いながらすぐそばにあるドリス・ヴァン・ノッテン(ムーンプランナーさんが言ってた!)などもチェックして、オニツカタイガーに向かった。
オニツカタイガーとオニツカ
薄暗くなってきて裏通りを歩くのはちょっと怖かったので、表参道ヒルズの真ん前を通って、細い道に入ったら人だかりが。
……案の定、オニツカタイガーもインバウンドのお客さんであふれていた。道を挟んだ隣にあるお店はお客さんは少ないけれど置いてある商品も少なめ、国産のちょっといいスニーカーを扱っている店舗のようだった。
さてどうしたものか、と思ったら、反対側にもオニツカと看板のあるお店が。
こちらはスニーカーではなく、アパレルや革靴を置いている店舗らしい。
革靴があるのはチェックしていたので、実物を見てしっくりきたローファーとレースアップをそれぞれ試させてもらった。
リュックを背負ったままローファーを履いて、立ち上がろうと横の鏡を見て。
なんというか、形として完璧だなと思った。
黒いジャケットとリュック、濃い紺のデニム、ほどよい厚みのローファーと真っ赤なソール。
写っているのは見慣れた自分のはずだけど、佇まいがなんだか写真みたいだった。
鏡の前に立って正面から見て、ソールが真っ赤で浮かれている感じはなかなかいいと思った。
高校時代に流行っていたHARUTAの平べったい感じが好きになれずに、そこからほとんどローファーというものを履いてこなかったけれど、特に違和感なく履ける。
続けてレースアップ、ソールは赤だけでなく接地面が黒。
ソールの赤の面積が減ってちょっと落ち着いた、でもちらっとふざけている感じ、つやつやのエナメルで履いたシルエットが細身できれい。
一瞬スーツにも行けるかな、と思ったけれど、形はともかく赤いラインは流石に会議には向かないかな・・・
あと、元気のないときにこれらを履くのはちょっとつらいかもしれない。
本当に弱っているときには靴底の赤にすら負けるのだ。
二度目のY-3
さてそろそろ帰り道も考えねば、と表参道駅に向かう途中、表参道ヒルズの地下にY-3があるのに気づいた。
店舗が違えば選ぶものも変わるかも、ということで入ってみた。
こちらは明るくてスポーティー寄りな陳列のイメージ、軽くて履きやすそうなスニーカーを見つけたのでので試させてもらった。
布っぽかったので、汚れたら普通に洗えますかね、と聞いてみたら店員さんは悲しげな顔をして、雨の日に履くのはやめた方がいいと思います、と教えてくれた。
多分今日履いた中で一番雨の日に向かないっぽい。
おしゃれスニーカーよりドクターマーチンのレースアップの方が酷使に耐えるのか……
ざっくりとしたまとめ
一日回ってみて、感想としてはインバウンドめっちゃすげえ、あと自分は定番が好きなんだろうな、と思った。
前者に関しては、コロナ前まではドラッグストアの爆買いでやれ漢方薬だやれ化粧品だと大騒ぎしていたけれど、今はファッションとか体験の方にお金が回っているんだろうな。
で、彼らはどちらかというとカジュアルなものを求めているっぽい。
後者に関しては、選んだものがことごとく「それ定番なんですよ」と言われた。
ベーシックな形が好きなおかげで、廃盤とか限定版とかの不安とは戦わなくてよさそう。
なので、次回の試着旅カジュアル靴編は、インバウンドの人とバッティングしないように、各メーカーの定番品を中心に試す作戦を立てることにする。
早めの時間に原宿周りのスニーカー系のお店を回って午後に服とかを見に行く、今回駆け足でしか見られなかったドーバーストリートマーケットもゆっくり見てくる。
まさか自分が服を見に原宿に行く計画をたてる日が来るとは……
高校時代に友達に連れて行かれてパーカーを買ってきて弟に「なんで原宿まで行ってそれ買ってきたの?」って聞かれた以来かもしれない。
(服以外なら「天使の窓」というガチのドールのお店を見に行ったことはある)
そして冬が始まる
そして、季節は秋を飛び越えて初冬に移りつつある。
いま履いているパンツ(ユニクロのデニムワイドパンツ)は薄くて冬は寒いし流石に二年以上履き倒すようにはできていない、一昨年買ったコムサイズムのプリーツロングスカートは秋から春先までほとんど毎回休みのたびに履いていて、合皮とはいえさすがにくたびれてきている気がする。
5年近く前に買ったベージュのワイドパンツは洗っても汚れが落ちなくなってきた。
そして全体的にいいかげんくたびれてきている秋冬のトップスたち。
タートルネックのカットソーは首元があきらかにだるっとしてきているし、ブラウンのニットは洗うたびに毛玉を取っても縦方面の縮みは隠しようがない。
ごまかしながら着ていた白いコットンシャツももう似合わないのが露呈してきている。
ついでに無印良品のダッフルコートも毛玉の感じが怪しくなってきた。
春先の断服式の直前に仕事が忙しくなって服について考える余地がなくなったのがここにきて響いてくるのか。
嬉しくない伏線を回収してしまった。
服を買いに行く服を買いに行く服がない
とにかく今からでも必要なものを洗い出して、どのあたりに探しに行くかの見当をつける。
都内まで大きめのブランドを見に行く時間はないので、日帰りかつ極力下道で行けるショッピングモール、どこのショップというよりアイテムを決めてとにかく試着して回ることにする。
おしゃれ初心者はショップごとのターゲットとかもよくわからないのだ。
さて試着、と思いきやいざ寒くなったら今度は試着に行くための服がない!
寒くなってきたから何か着るか、と開けたクローゼットは前述の通り。
……道のりの遠さに膝をついている。