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ブラジル・コーヒー

 コーヒーは世界60か国以上で作られています。それぞれの地域の地理や天候に合わせた栽培方法の違いやそれぞれの品種あります。コーヒーの味も生産地によって違いがあります。同じ国でも農園が違えばコーヒーの味が変わることが良くあります。

1.コーヒーベルト?
 コーヒー生産地は、赤道を中心として北緯25度から南緯25度のあいだで生産されている地域を指します。この赤道付近の地域のアフリカ、東南アジア、中南米がコーヒー栽培に向いているといわれています。

 標高が高い地域で栽培されることが多く、主に標高300mから1500mでコーヒーは栽培されています。

 2.ブラジルコーヒーの生産地の特徴
 コーヒーと言えばブラジルと言えばサッカーを思い浮かぶ人も多いと思います。ブラジルは世界最大のコーヒー産地です。生産量も輸出量も世界で1位です。

 ブラジル連邦共和国は人口約1億9400万人。国土面積は8510000㎢で日本の約23倍です。南米大陸の東部に位置しており高現地帯は国土の約60%以上を占めています。

 コーヒー豆は広大な台地で栽培されており、生産量は年間約355万トンともいわれています。ちなみにコーヒー生産量の第2位はベトナムで、161万トンです。約2倍もの差がありますね。

コーヒーの花➀

3.ブラジルコーヒーの栽培の歴史
 ブラジルコーヒー文化は、1727年にエチオピア原産のコーヒーがヨーロッパ経由でブラジルに入ってきました。もともとブラジルにはというよりアメリカ大陸にコーヒーはなかったんですね。

 1727年にパラー州でコーヒー栽培が始まりました。後にリオデジャネイロへ移植され、爆発的に生産量が伸び100年後の1850年には世界最大のコーヒー生産国にまでなりました。

 コーヒー産業からの歳入は1930年代の世界恐慌の影響で1ポンド当たりの価格が22.5セント(1929年)から8セント(1931年)の急降下するまでブラジルの経済をけん引し続けていました。税収によりブラジルの貿易収支は黒字を保ち、道路、港湾、通信システムの建設に充てられました。

 1920年代には、世界のコーヒー市場はほとんどブラジル産による自然独占の状態になっていました。しかし、1950年代になると世界的にコーヒーの生産が盛んになりブラジル産のコーヒーの占める割合は徐々に減少していきました。

 現在では、ブラジルスペシャリティコーヒー協会(BSCA)が設立され、品質管の点に力を入れるようになました。カップ・オブ・エクセレンス(COE)で毎年スペシャリティコーヒーの評価をしています。

 4.ブラジルコーヒーの栽培状況
 ブラジルのコーヒー農園の面積は約27000㎢あり、約60億本ものコーヒーの木が栽培されています。平坦な地形にある農園から、山岳地帯にあり手作業で収穫する小さな農園まで、大小の様々なコーヒー農園が20万以上あります。平坦な農園では機械化が進んでいますが、山岳地帯など機械化ができない農園では、ストリッピングと言われる枝から実を葉ごと落とす方法が用いられています。コーヒー農園で働く人達だけで約350万人おり、コーヒー生産の関連業種に携わる人も含めると700万人もの人達が働いています。

 ブラジルコーヒーの精製方法は、基本的にナチュラルと呼ばれる乾燥式を採用しています。コーヒー栽培では、大量の水を使うことができないのでほとんどの農園がナチュラルの精製をしているそうです。そんな中、品質の高いコーヒーを作る為にパルプドナチュラルと呼ばれる精製方法も増えてきました。パルプドナチュラルとは、ブラジルで開発され、収穫した実から果実を除去し粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる方法です。ナチュラルの風味特性を残しつつ比較的に品質の均一性があります。

コーヒーの木⑥

5.ブラジルコーヒー豆の特徴
 ブラジル国内の多くのコーヒー豆が集まるサントス港から輸出されたものが「ブラジル・サントス」と呼ばれています。コーヒー屋さんのメニューにも「ブラジル・サントス№2」を良く目にすると思います。

 味の特徴としては、苦味、酸味、コクがとてもバランスが良いです。クセがないのでコーヒー初心者にお勧めができます。他の産地のコーヒーの味を邪魔をしたりすることなく、どの豆とも相性が良いのでブレンドのベースとして使われることもあります。

 6.ブラジルコーヒーのグレード(等級)
 コーヒーにも米と同様に格付けがあります。各国でグレードのつけ方が異なっているのが特徴です。

 ブラジル産のコーヒー豆のグレードの主な基準は下記のようになっています。

  ・欠点豆数

  ・豆の大きさ(スクリーンサイズ)

 欠点豆の数は、生豆300gのサンプルから欠点豆がどのくらいあるかで、№2~№8に等級分けがされます。黒豆なら1個で1点、未成熟豆なら5個で1点というような形がとられています。

 豆の大きさは、スクリーン選別機を使い豆の大小を分け、SC20~SC13に分けられます。

 あれ?№1はよほどグレードの良い豆なのかな?と思う人がいるかもしれませんが、ブラジルでは「№1」は欠点豆が一切なく完璧な豆と考えられています。欠点豆が全くない完璧な豆を作り続けることができないということで「№1」は存在しないそうです。店頭等でよく見かける「ブラジル・サントス№2」は最高級の豆になるんですね。

コーヒーの木③

7.ブラジル人のコーヒーのライフスタイル
 ブラジルは世界1位のコーヒー生産量を誇っています。世界全体の約30%を占めています。コーヒーの消費量も世界で2位となっています。ブラジル国内では日本のようなインスタントコーヒーや喫茶店はあるのでしょうか?

 ブラジルでのコーヒーは主にエスプレッソコーヒーで家庭でもインスタントコーヒーを飲む習慣がないようです。ブラジルの家庭ではコーヒーポットにコーヒーを入れて家族みんなで飲みます。家庭以外でも会社や病院、商店等でコーヒーポットが置いてあり食後や休憩中に無料で飲めたりもします。しかも大量の砂糖が入っているようです。

 喫茶店はどうなのかというと喫茶店というよりバールが多いようです。バールや飲食店等でコーヒーを注文すると「砂糖ですか?ダイエット・シュガーですか?」と良く聞かれるそうです。最初からブラックで飲むということは考えられていないようです。

ブラジルのコーヒーは主にエスプレッソコーヒーなので基本、アイスコーヒーがないものとなっていましたが、近年ブラジルにもコーヒーチェーン店が進出をしてきたためアイスコーヒーも徐々に認知されてきているようです。

 

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