SexyZoneが解散したので家をヤケ買いした話
27歳独身会社員女性、大好きなアイドルグループが実質解散したので家をヤケ買いしたよ〜!
わたしが購入したマンションはこんな感じ↓
・築38年(新耐震)
・45㎡ 1LDKS
・駅徒歩5分以内
・副都心近辺
・リノベ済み
買い終えて思ったけど、好きなアイドルが解散しちゃった~もうこの世界全部嘘だったことにならないかな~と絶望している人に物件購入はかなりおすすめ!少なくとも私は家の購入がなかったら2024年の精神健康状態はもっと救いようがなかったと思う。自分にとって大きい経験だったから書き記しておくのと同時に、今後同じような経験をする人が何かしらのはずみでこの文章に出会ってくれたら嬉しい。すべてのアイドルに〝永遠〟はないから…。
(あとSexyZoneの幕引きを「解散」と表現するのはあくまで現段階の私の捉え方なのでお気を悪くされる方がいたらSexy Sorry…。)
住宅購入に興味をもったきっかけ
「家を買う」という選択肢が自分の中に芽生えたのは、3~4年ほど前にセクゾ担の方が書いたマンション購入noteを読んだことがきっかけだった。
まわりで家を持っている人は家族がいる人しかいなかったので、なんとなく家を買うことは「家族のためにすること」というイメージがあったけれど、その固定観念を払拭して家購入のハードルをぐんと下げてくれたこのnote。
人間を信仰していると家にモノが増える一方で、特にそれがアイドルだったりするともうゆとりなんてものは部屋に存在しない。このサブスク全盛の世でいまだにCDも雑誌も買い続けている絶滅危惧種の名はDORUOTA。SexyZoneのCD。SexyZoneのBlu-ray。SexyZoneの雑誌。SexyZoneのカレンダー。SexyZoneのツアーグッズ。8畳弱の部屋に5つ設置していたカラーボックスは、引っ越してきてからものの2年強ですべて埋まってしまった。SexyLifeに対して部屋の大きさが見合わなすぎて、早い段階で広い家に憧れるようになったけど、家賃がネックで諦めていた。でも、家を買えばそれが普通に叶っちゃうし資産形成にもなっちゃう! 感化されやすい私はこのnoteを読んだ後、友人各位に「わたくし30歳までに家を買いたいの」とさえずりまわっていた。
もっと遠くだと思っていた「その日」がすぐ来た
永遠はないとわかっていたけど、まだまだ永遠の真っただ中にいられると疑わなかった。忘れもしない1月8日、2023年は例の問題によってかなり最悪な気分で過ごしたけど、それよりきっとずっといい年になるよねっハム太郎!と呑気な楽観と正月余韻をぶち壊すかのごとく、中島健人くんのグループ脱退が発表された。そのときのリアルタイム日記はこちら。
なんて鬱々しい文章。でも今もまだこの気持ちは薄い雲のようにたなびいている。友人には気持ちの整理がつくには10年かかると言われた。ちょっとぞっとする長さだ。
自分の人生だからね。寂しいけどしょうがない。ファンは健人くんの人生に責任をとれるわけでもないし、権利もない。彼の選択に1ミリのケチだってつけられないし、ましてどうして責められようか。どんな好きな職場でも、キャリアのために異動や転職を選ぶこと、全然ある。同じ言葉を繰り返しながらも整理にまごついていたら、あっというまに3月31日になった。SexyZoneは彼ららしい温かさと誠実さでその幕を閉じた。そして翌日、残った3人は新しいグループ名を「timelesz」とすることを発表した、のみならず、事務所で初めてのメンバー増員オーディションを敢行することを発表した。
あぁ……そっかぁ。驚いたけどそうだね、本気で五大ドームや国立を目指すのならこれ以上の手はない。人数が減ったことによってどうしてもパワーダウンしてしまう声の厚みも、ダンスの迫力も、これならむしろ新しい可能性が拓けるし、何より「メンバーを失って減速したグループ」という世間の見え方を覆せる。天晴れだよ、逆境をチャンスに変えるクレバーさと実行力。timeleszも、そして健人くんも、同じ社会人として現状維持を良しとしないその生き方を本当に尊敬する。
長いような、短いような、うたた寝してるような、苛烈で激烈なような、2024年の4月だった。わたしが宝箱に刻まれたSexyZoneという名前を未練がましく撫でているうちに、timeleszも健人くんも目まぐるしくいろんなことを発表していった。わたしはそのたび、新しい未来によろこんでみせて、そしてSexyZoneを思い出して、もうあの愛おしいたからものたちは戻ってこないのだとめそめそ泣いた。泣いているうちにもブログは毎日更新されるし、彼らが新体制で毎日仕事をしていることが伝わってくる。彼らはすごい、めちゃくちゃ自分たちの人生を生きている。たいしてわたしは。でもだって、つい4ヶ月前はドームであんなに楽しい夢を見ていたのに。それが急に終わりだなんて、それぞれ新しい道でなんて、そんな勝手な。わかってるよ、人生は自分が主人公だって、そう歌ってくれたもんね。他人の夢に自分の夢を乗せてしまっていたわたしが間違ってた。でもあなたたちがどんどん前に進んで、わたしだけがこんなふうに悲しんでるのって、それってなんか不公平じゃない?わたしだけがみじめで情けないのおかしくない?そんなふうにあなたたちがゴーイングマイウェイするんなら、わたしだって好き勝手するんだからな!
尼寺へゆけ、もしくはカウカモへゆけ
というわけでGW、わたしは吉祥寺のカウカモショップにいた。「ウチはウチの人生歩いてるから!」と主張してtimeleszと中島健人に張り合わなければ、と一念発起した結果、いわゆる人生のエポックメーキング的事象になりうるもののなかで、一番実現可能そうだったのが家購入だった。SUUMOを見てるだけじゃ始まらない!とりあえず動こうと思ってまずやってみたのが「カウカモセミナー」の申し込み。
家を買うぞという意気込みだけは十分だったものの、不動産サイトで物件内見を申し込んで業者からメチャクチャな営業を受けたりしたらダルいな…怖いし…とビビっていたので、セミナー紹介の導入文「なんとなく、購入を考えはじめた。そんなあなたに、購入のイロハをわかりやすく解説」の敷居の低い感じに心惹かれた。あと物件購入を考えるきっかけとなったブログの筆者ノンちゃんさんもカウカモのエージェントを利用していたことで安心感があった。
結果的に、セミナーで教えてくれたことは、ノンちゃんさんのブログと、ブログ内で紹介されていたジェレミーさんと香織さんのインスタを通して既に知っていたことがほとんどだった。というかこの3つで発信されてる知識でほぼ物件購入は乗り切れたから本当に有料級の情報源。物件購入を考えてるみんなは絶対にチェックしようね!とはいえ、セミナーは基礎をわかりやすく教えてくれたし勧誘も一切なかったのでこの時点でカウカモさんは好印象で、この人たちに物件購入のサポートをしてもらいたいなと思えた。
セミナーのあと、個別相談会があったので参加した。むしろこの個別相談会の方がこの日の本命。エージェントさんと1対1で話して、より詳しい話が聞けたり、どんな物件が欲しいのか整理ができたりする。本格的な家探しのスタートだ。
エージェントのYさん
「まずは物件探しの指針を立てましょう!どんな暮らしができる家が欲しいですか?」
わたし
「暮らし…(これまで趣味に全力投球すぎた結果、今とんでもない虚無に陥っているので)仕事と趣味のバランスがちょうどいい暮らしがしたいです」
Yさん
「なるほど、いいですね!それでは広さはどれくらいがご希望でしょう?」
わたし
「家に(SexyZoneの雑誌とかCDとか)荷物がそこそこあるので、50㎡くらい…? あと大きいテレビと本棚が置ける場所が必要ですかね…?」
Yさん
「路線のご希望はありますか?」
わたし
「特にないんですけど、職場に近いところ、あとは(これから遠征に行くかどうかもわからなくなっちゃったけど)今住んでいる場所より東京駅に行きやすいところだと嬉しいかも…?」
と、申し訳ないくらいの曖昧さで並べた最初の条件がこれ↓
・50㎡前後の広さ
・2階以上
・駅徒歩7分以内
・今より通勤時間が短くなる場所
・できれば新耐震
・できればペット可(猫が飼いたい!)
・できれば今より東京駅に行きやすい場所
もちろん、ここに購入上限額の条件ものっかります。詳しくは書かないけど、この時点でわたしがすぐに動かせるお金は250万。物件契約の際に現金で払う必要がある手付金分用のお金です。他の諸費用はローンに組み込むことができるけど、この手付金だけは現金で用意しておく必要がある。逆に言えば、この現金と社会的信用さえあれば、家って買えちゃうのである。そのあたりはノンちゃんさんのブログにとってもわかりやすく丁寧に書いてあるのでそちらをご覧あれ!
(この先の文章も物件購入に関わる具体的な知識・説明類はすべてノンちゃんさんのブログにぶん投げていきますので悪しからず…)
(というわけでこの辺りでもう一度ノンちゃんさんのブログのURLを貼るよ)
さあここから、怒涛の内見編が始まるよ!
内見わがままプリンセス
セミナーの時に出した諸条件を踏まえて、エージェントのYさんが内見候補をかなりの数出してくれた。住みたい地域も決まってないふんわり条件からたくさん物件を探してくれて万謝…。けれどもちろん条件すべてに合致してる物件なんてほぼ無い。予想の範囲内だったけど特に「ペット可」は厳しかったね…ねこちゃん…。物件ごとに間取りや周辺環境などの説明をオンラインで受けた後、送ってもらった資料を吟味して板橋区〜練馬区〜中野区の物件を中心に内見を決めた。
そして6月中旬、初めての内見。Yさんに「今日1日でご希望いただいた7部屋全て回ります!」と満点笑顔で言われたときは「デスクワーカーになんて酷な…」と軽く腰を抜かしてしまったけど、初っ端でいろんな部屋を見る経験ができたのは結果として良かった。1日で多くの数を巡る一番のメリットだと感じたのは、40㎡、45㎡、50㎡、それ以上の広さの体感を忘れずに比較ができること。わたしは特に感覚全般を覚えておくのが苦手なのだが(ダージリンとアールグレイもいまだに2種類用意してもらって飲み比べないと味を判別できないし、毎年「20℃ってこんな寒かったっけ…」と言ってる)、さすがに7部屋を時間を置かずに巡ったことによって、部屋の広さの感覚は体に叩き込むことができた。
内見をすると、物件選びの条件がより具体的にブラッシュアップされていく。やっぱり眺望は捨てがたい。1階はもともとNGにしていたけど2階でも結構外からの人の目って気になる。良い部屋でも実際のアクセスを考えたときにデパートやジムが固まってる駅が定期券内にないと嫌かもぉ…。
こんなにわがままで本当にわたしが欲しい家って存在するのかしら…と不安になりながら、1回目の内見を経て再度整理した物件条件はこちら↓
・45㎡以上
・3階以上
・駅徒歩7分以内
・眺望に抜けがあること
・通勤経路内(定期券内)に大きめの駅がある場所
・できれば新耐震
そして1回目の内見終わりに、7部屋の中で1番印象が良かった物件でローンの仮審査を複数の銀行に出した。別にここに決めた!とかではなく、これは一度審査を通しておくことによって本命が出てきた時の審査をスムーズにするためのもの。ちなみにこの時点ではまだ「内見という体験をしてみよう」というくらいの感じで、むこう一年以内に家を買えればいいかなぁと思っていたし、Yさんにもそれを伝えたうえで内見に付き合ってもらっていた。
新たな物件条件で部屋を探してもらって、2度目の内見はそれから1ヶ月後の7月上旬。このあいだにもオタクとしてはマァ〜〜いろんなことがあった。timeleszとして初のCDの発売、3人体制初のライブツアー、SexyZoneの卒業配信ライブの見納め、中島健人とキタニタツヤのユニット「GEMN」の本格始動などなど…。そのひとつひとつ、楽しくなったぶん寂しくなって、感動したぶん悲しくなった。きらめきを直視するたびに、まぶたの裏で瞬く星たちの残光に思いを馳せずにはいられなかった。でも、こんな心の浮き沈みを真正面から受け止め続けるのって本当に体に悪い、というか、そんな体力がもう残っていなくて、だけど、それでもtimeleszと健人くんのことを好きでい続けたくて。そんなときは無心でSUUMOを見た。無数の物件情報を見る作業は、気づけば時間を忘れていて、何より「未来のために使った時間」な気がして罪悪感がなかった。
来たる2度目の内見。ここでわたしは今の部屋に出会うことになる。入った瞬間からビビッときた…というよく聞くやつはなかったけど、一通り部屋を回ってみて好感が残った。実はここ、SUUMOで見かけてはいたけれど、窓にある消防隊侵入マーク(ビルの窓によくある逆三角マーク)がどうしても嫌で候補から外していた部屋だった。内見も迷ったけどまあせっかく提案してくれたし三角マーク以外に嫌な理由はなかったし…と経験値を積むつもりで内見を希望した部屋。実際に見てみたら三角マークの印象は思っていたよりも弱くてレースカーテンで覆えばほぼ気にならない程度。居心地良さそうなリビング、食洗機付きのカウンターキッチンに、壁一面本棚が置けるようなサービスルーム。もちろんほんのちょっとした「ここがこうだったらもっとよかったのになー」はありつつも、先に挙げた物件希望条件をすべて満たしているし、最寄駅の雰囲気も落ち着いていて好きだった。電車も2路線通っていて、利便性および資産性はそこそこ高そう。…………どうしよう、ケチのつけようがない。えっ、もう、今??? チラチラと頭の中で点滅する「出会いは突然に───!」という漫画のキャッチのような文言が「そう!今なんだよ今!」と猛烈に訴えかけてくるも、1週間後の再内見だけを取り付けるという日和った選択をしてその日は帰宅した。
が、しかし。
「一点お知らせがございまして、、本日売主様に内見報告をしたところ、あのマンションを前向きに検討されている方がいるようで、その方も明日から事前審査を始めるようです」
擬似マリッジブルー、そして。
小さい頃からたまに想像する、人生は手のひらサイズの箱庭で、それを俯瞰で見ているとてつもなく大きい何かがいるんじゃないかと。その何かが、然るべき選択をするように手心を加えているときがあるんじゃないかと。
Yさんから連絡をもらって、1週間後に予定していた再内見を翌日の仕事終わりに急遽前倒しした。疲れ切った夜に来てみても、やっぱり良い部屋だった。うだうだその部屋で30分ほど考えて、とりあえず購入申込書を書いてYさんに預けておくことにした。「GO指示が出たらいつでも提出しに走ります!」と力強い言葉をもらい、また家に帰ってうだうだうだうだと一晩考えて、翌日に「申込書提出お願いします!」とYさんにメッセージを送った。翌々日、Yさんから「おめでとうございます!番手確定です!次の日曜にご契約お願いします!」と連絡があり、無事に一番手で物件購入の権利を得ることができた。ローンの仮審査も通り、そして、いよいよ物件契約日の前日、わたしはかつてないド鬱の波に飲まれていた。
結婚したことはないけど、あれはマリッジブルーとしか言いようのないものだった。極度の緊張と憂鬱。今ならまだ逃げられる、という全リセット症候群。申込書はあくまで購入の権利を確定させるためのもので、いわば婚約みたいなものだ。結婚する意思があるよ!という表明に過ぎないもの。明日の契約で手付金を払うまではまだ全てをつつがなく白紙にできる。(もちろん方々に迷惑はかかるけど。) だってあの部屋と出会ってから1週間しか経ってないんだよ?!本当にあの部屋でいいの?後悔しない?間違いなく人生でいちばんの買い物だけど、あの部屋とうまくやっていける自信ある??? 物件に関する資料を改めて隈なく読んで、ローン返済シミュレーションを飽きるほどして、マンション購入の本を読み直して、発作的に「マンション購入 メリット デメリット」で検索して、噴出する心配事をYさんにチャットで聞きまくり、「もう全部やめます!」と何度かチャットに打ち込みかけたけど、そのたびノンちゃんさんのブログを読んでなんとか正気を保っていた。やっぱり最後に後押ししてくれるのは、信頼を置くアカウントの現場レポ。不安の波の中で掴み続けた浮き輪、ずっとお守りがわりで助けられたから、わたしだけはあのブログにお金を払ったほうがいい。今でも大大大感謝。わたしと家のキューピッド。
そして、この日は間違いなく、近年の中でいちばんSexyZoneのことを考えなかった日だった。
物件購入という体験は
翌日、無事に手付金を払って家を契約した。手付金を払ってしまえば、昨日の情緒不安は嘘のようにさっぱりと無くなっていた。「重大な選択をしなくてはいけない」というストレスから解放されて、晴々しい気持ちが身体中に満ちていた。そういえばわたし、悩んでる時間を終わらせるためにさっさと買ってしまう性格だったね。人生、選んだものを正しい選択にしていくしかないのだ。朝井リョウと健人くんもそう言っていた。
契約を終えて一息つけるかと思ったら、むしろ怒涛のやることリストが待っていた。ローン本審査、団信契約、火災保険契約、印鑑登録、引っ越しの諸手続きetc…。確認事項も手続きも膨大だったけど、そこまで苦ではなかった。SexyZoneについてはどれだけ考えたって答えは出ないし今が変わるわけでもないけど、物件購入のことは考えたり行動すれば確実に前進する。もうSexyZoneに会えなくなってしまったのはどうしようもなく寂しいし学習代としてはあまりにも痛すぎるけれど、自分の手の届く範囲で変えられないことを人生の軸にすると人は動けなくなってしまうってことに気づけて心の底から良かった。
新居はすこぶる快適! 引っ越して1ヶ月半、仕事から帰ってくるたび、毎日新鮮に「えっ、こんな素敵な場所がわたしの部屋ですか…?」とウキウキする。ソファが特にお気に入りです! ここで寝られる。タイプロオーディション視聴の定位置でもある。
https://youtu.be/wCkxjy7aJ8U?si=PTZ_GeARuySFA34L
家を買うという経験は、その経験以上に自他境界の線引きをする経験でもあった。でも、家を買ったことによって、前よりも今の彼らのことを、一つ置き場所を見つけたような気持ちで好きになれている気がする。SexyZoneを好きなわたしも、timeleszや健人くんを好きなわたしも、これから新しく何かを好きになっていくわたしも、この家にぎゅっと詰め込んでいきたい。やけっぱちが原動力だったけど、それでも純粋に自分の意志だけで買ったこの家のことを、この先きっともっと大好きになっていく。そうだよね!ハム太郎!
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