『悪魔と夜ふかし』って映画を観たよ🎥
オーストラリア発のオカルトホラー映画。
しばらく前にTwitter(自称:𝕏)のタイムラインで話題に上がってて気になっていた映画。
舞台は1977年のアメリカ。
生放送の深夜番組で放送中に怪奇現象が起こるという話。ベタなあらすじである。
序盤に番組の沿革といった体で主人公の顔見せをしつつ、ナレーションで前提を説明するというテンポの良さ。
ここで尺を取らずにコンパクトにまとめることでクライマックスに時間をかけつつ、上映時間93分に収めている。バランスをとるのが上手い!
主人公は番組MCのジャック・デルロイ。演じているのはデヴィッド・ダストマルチャン。
このダストマルチャン、いかにも主人公らしいバタ臭いハンサムでずっと見てられる。顔が良い。
話の流れは、最愛の妻を病で亡くし休業していたジャックが、1977年のハロウィンの夜に番組に復帰し、ハロウィンらしくオカルトをテーマにゲストを呼ぶというもの。
霊媒おじさんに超常現象否定派おじさん、超心理学者の女性と悪魔付きの少女が登場する。
まず霊媒おじさんが登場し、チャネリングを披露、失敗。からのコールドリーディングで雰囲気を出して番組が盛り上がる。次に登場した超常現象否定派おじさんが、霊媒おじさんはインチキだと言って……という、オカルト番組にありがちな流れ。ベタベタな展開だがMCの喋りが上手く、面白く見ていられる。
映画の観客(我々)はテレビ越しの視聴者という設定なのだが、時折画面にノイズが走る。パッと見、霊障かと思うのだが、時代的にただの映像の乱れかもとも思わせるノイズ。
デジタル放送を液晶テレビで見ている現代ではありえないが、ブラウン管の時代にはちょくちょくあったよね、画面に横縞のノイズが走ること。
ノイズに関しては劇中誰も触れないものの、スタジオでは明かりが消えたりスパークが走ったりといったポルターガイスト現象が発生する。
何が起きる度に一旦コマーシャルとなるのでなかなかの頻度でCMが入るのだが、そのCM中に舞台裏というか、番組スタッフとかとの会話が入る。それによって、起きている事態が仕込みなのかガチなのかがなんとなくわかるという構成。
ストーリーに関してはこれ以上はネタバレになるので控えるが、とにかく見せるのが上手い。
放映中はカラー、CM中はモノクロで画面にメリハリが出て、テンポが良くなるし、オカルト番組にありがちなネタもその場で反証もしてくれるのでスッキリ感がある。
そして何よりダストマルチャンの演技が上手い。
微妙な表情の出し方、普通に笑いを取ってる時と裏に恐怖を押し殺している時の差。
信じたくないが信じざるを得ない絶妙な表情。
上手い。
あと、個人的にストーリーと関係ない部分での不快さがなかったのが良かった。
番組アシスタントの女性にセクハラまがい(というか普通にセクハラ)の弄りをするのは昔は当たり前のようにあったと思う。そういうのがなかったし、そもそも番組アシスタントが男性だった。
主人公の女性関係(超心理学者の女性やその他)で不穏な匂わせ的な演出がありつつも結局主人公は妻一筋だったのも良かった。(愛妻家と思わせつつ裏で不倫してて、妻が無くなったから愛人をコネで番組に出させてるのかもと勘ぐってしまった。違ってよかった)
大衆受けしないオカルトホラー、ハリウッドではなくオーストラリア映画、超有名俳優がでているわけではない。
そんな集客が見込めない映画は田舎のシネコンはかける余裕がない(事情はわかる)ので、この映画を上映してくれた町のミニシアターには感謝してる。ありがとう。