世界を信じる【ありのまんまでいいじゃないvol.17】
音楽を始めた時に思ったこと。
初めてエレキギターをアンプに繋いで弾いた時に大きな音が出た。
「ジャーン!」って大きな音だ。
世界を変えられるんじゃないか!?
本気でそう信じてしまう衝撃が走った。
だけど現実はそんなに簡単じゃない。
世界は変わらず何度も音楽にも自分にも絶望し続けた。
それでもやめられないから本当に意味が分からなかった。
なんで音楽をやるのか?
なんでこんな辛いことを続けるのか?
意味が分からないけど、辞めるって思い切れなかった。
「楽しいからじゃない?」
『楽しいけど賭けたものからのリターンに見合ってるような気はしない』
「好きだからじゃない?」
『好きとか嫌いとかそんな簡単な理由でもないんだ。』
「才能ないんだから辞めれば?」
『才能なんてないことも知ってる、音楽以外に辞めてきたことなんて腐るほどあるんだけど、これはなんか違う感覚なんだ。』
誰かに分かって欲しいわけじゃないけど、誰からも予測すらされない感覚。
けど最近自分のことが分かってきた。
「なんで世界を変えたいの?」
『僕の目に映る世界が美しくないと思ったからだ。』
「なんで美しくないの?」
『残虐なものしか目に入らない。人が人を蹴落として、自然を破壊して、世界の調和が取れているようには思えない。」
「それがなんで嫌なの?」
『この世界が美しいって信じているからだ。』
そうだったんだ。
僕は自分が命をもらったこの世界を美しいと信じていたいんだな。
世界を変えたいんじゃなくて世界を信じたかったんだ。
「美しい世界ってなんなの?」
『目に映る全てが笑っていて、分かち合える世界だよ。』
まだまだ未熟者だけど、そう願って今日も隣の人とパンを分かち合おう。
そしてその人と一緒に笑おう。
これは小さな小さな世界征服かもしれないね笑
そんな想いを伝えていく方法が僕にとっては『音楽』だったんだ。