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ハンズフリー認証の製品化に向けて本格始動!|2024年の振り返りと2025年の展望|経営者インタビュー

こんにちは。Sinumy広報担当の福島です。
 
当社は、「シームレスな体験で世界を幸せにする」をミッションに、独自の特許技術「Sinumy Technology」の開発を行っています。
 
今回は、経営者のメッセージを通じて、当社の2024年を振り返り、2025年に向けた展望をお伝えします。当社の研究や事業の進捗に加え、業界の変化についても触れています。ぜひ、お読みください。
 
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代表取締役CEO兼CTO 足立 安比古
京都大学学部時代にベンチャー2社設立し、学部3回生でペンシルベニア州立大学の客員研究員として超音波を研究、学部4回生でQNDE国際学会で発表。学部時代は素粒子物理を、大学院ではテラヘルツ波などのレーザー光学の研究を行った後、大手電機メーカーの本社直轄研究所にてレンズレスデジタル顕微鏡や光トランジスタ、などの研究を通じて5年間で50件の特許を出願 、レンズレスデジタル顕微鏡についてSPIE Photonics West 2016国際学会で発表。2018年当社設立、代表取締役に就任。

取締役COO 倉内 亮弥
東京大学薬学部卒業後、新卒入社までのギャップタームにて創業期スタートアップのCADDiでのインターンを経験。スタートアップへの想いを強める。 コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーに新卒入社。国内外のヘルスケア企業をクライアントとし、中長期戦略策定、M&A、全社再生等の幅広いテーマのプロジェクトに従事。 その後オンライン薬局を運営するPharmaXに創業期から参画し4年間在籍。執行役員・事業部長として事業立ち上げを牽引。


2024年の3大ニュース

福島:2024年の3大ニュースをあげてください。

足立:Japan IT weekに出展したこと、日経新聞に取り上げられたこと、心強い新メンバーの参画です。これらはすべて連動しているのですが、まず、2024年3月に日本最大のIT・DX展示会「Japan IT Week」に出展し、製品として形を成したハンズフリーゲートをお披露目できたことのインパクトは非常に大きかったです。

Japan IT Weekへの出展に際しては、PR活動を戦略的に行い、その結果、日経新聞や日刊工業新聞に掲載されたことも大きな成果でした。特に日経新聞については、初めて本格的な取材を受けたのですが、オンライン版では動画も掲載されました。Japan IT Weekの後には、毎月のように大きな問い合わせが入るなど、大きな反響がありました。商談においても、「日経新聞で取り上げられています」というと、信頼を得やすいと感じています。

そして、Japan IT Weekの直前にエンジニアの穴井さんが、直後にCOOとして倉内さんが正式に参画してくれました。お二人ともハンズフリーゲートのプロトタイプが完成したタイミングで参画いただけたことは、非常にタイミングが良かったと思っています。その後、倉内さんはあらゆる機会を逃さずに事業開発を進めてくださり、その結果として会社の成長に繋がったと実感しています。

過去には、資金繰りや事業が思うように進まないことに悩んだ時期もありましたが、2024年は急速に成長し始めた事業に対して、会社の体制をどのように整えていくかという「嬉しい悩み」が生まれた年でした。

福島:倉内さんはいかがですか。

倉内:Japan IT weekに出展したこと、スマートゲートのプロトタイプが完成したこと、スマートスポットのプロトタイプが完成したことです。スマートゲートは、物理的なゲートを通過する際に認証を行うもので、交通改札やオフィスのエントランス、イベントの入退場などに利用されることを想定しています。一方、スマートスポットは、特定エリアへの立ち入り時に認証を行うもので、レジでの決済やオフィスや車などのスマートロックに利用されることを想定しています。

これらは研究・製品チーム主導の出来事かもしれませんが、事業開発担当としては、見せられるものがあるからこそ、営業をより加速することができました。その意味で、この3つを選びました。

福島:スマートゲートとスマートスポットが完成したのはいつ頃でしょうか。

足立:スマートゲートのプロトタイプが完成したのは2024年の3月、スマートスポットのプロトタイプが完成したのは同年の9月です。

計画に対する進捗は想定通り。複数の大企業との実証実験がスタート

福島:2024年の計画に対する進捗はいかがでしょうか。

倉内:概ね想定通りの進捗です。現在、複数の大規模な実証実験が並行して進行中ですが、5月から6月頃には現在共同実験を進めている大企業の取引先との話はすでに始まっていました。そのため、上期に2024年の見通しが立っており、下期はそれらを着実に進めました。

一点、計画を上回る成果としては、具体的なプロジェクト名はプレスリリース前のため控えますが、ある大型実証実験の公募で採択されたことが挙げられます。採択は1社限定の予定だったため、正直なところ難しいだろうと思っていましたが、見事に採択され、実験のための予算をいただくこともできました。

この実証実験では、うまくいった点もありつつ、課題も明確になりました。特に、今回初めて実証実験に関わった社内のメンバーとも課題を共有できたことは非常に大きな成果となりました。全社員が肌感覚で課題を認識し、その後、細かな課題を一つひとつ解決していくことで、開発がスムーズに進んでいます。

足立:その点はとても共感します。研究サイドとしては、これまでも常にその悩みがあり、資料に残してもなかなか実感として伝わらないという課題がありました。こちらの実証実験では、現場で予想外の事象に衝撃を受けた社員もいたようですが、その後につながったと思います。

また、計画に対する進捗は想定通りでしたが、実は2024年の上期は非常に多くの開発事業が同時進行で進んでおり、研究開発としてはかなり大変な時期でした。下期に入ってからは、事業が徐々に絞られ、着地点も見えてきています。

2024年は追い風の年。「より便利に」することへの関心が高まる。

福島:ハンズフリー認証やSinumyを取り巻く環境の変化について、どのように感じていますか。

倉内:大きく変化したと感じています。スマートフォンでのハンズフリー認証とは異なりますが、大阪メトロが「顔認証改札機」を導入したことや、JR東日本が交通系ICカード「Suica」をタッチせずに鉄道を利用できる「ウォークスルー改札」を10年以内に実現すると宣言したことなどは、業界にとって大きなニュースだと思います。

また、2025年の大阪・関西万博でも顔認証による入場管理や電子マネー決済が導入される予定になっており、認証や決済を「より便利に」することへの関心が高まっていると思います。

足立:2018年に起業して以来、ハンズフリー認証の時代が来ると信じて事業に取り組んできました。当初から大企業にも関心を持っていただいており、そのニーズには根拠があり、チャンスも存在していたと感じています。それでも、2024年が追い風だったことは事実ですし、営業活動もしやすくなったと思います。

以前は、営業に行ってもプロトタイプを持参できず、「ゲートを持ってきてほしい」と言われても対応できない状況でした。今では、他のハンズフリー認証や手ぶら決済の仕組みと比較していただけるだけの素材が揃い、この追い風のタイミングで、しっかりと比較検討していただける段階に進むことができたと感じています。ここからは、計画通りに開発を進め、順調にリリースを重ねていくことが重要だと考えています。

福島:ハンズフリー認証には、さまざまな仕組みがありますが、その中でもSinumyの「Bluetoothによるハンズフリー認証」が選ばれる理由はどこにあるのでしょうか。

足立:ハンズフリー認証の選択肢としては、顔認証のような生体認証と、スマートフォン等を利用する所持認証が挙げられます。生体認証は、誰でも何も持たずに認証できるというメリットがありますが、なりすましのリスクや精度の問題が懸念されます。一方で、Sinumyは、Bluetoothの事前ペアリングがなくても自動認証し、なりすましや改ざんに対して強固な個人認証技術と、誤差はわずか10cm程度という高速高精度な位置測定技術を確立することで、セキュアなハンズフリー認証を実現しました。これは当社の独自技術です。

また、先端技術というと初めは少数にしか受け入れられないことが多いのですが、Sinumyの技術は面白いことに、多くの方が評価してくださいます。そのため、その点に不安を持つことはなく、安心してお客様にお勧めできます。

倉内:お客様との接点においても、その点は高く評価されていると感じています。もちろん、すべての場面に適しているわけではありませんが、Sinumyのハンズフリー認証は、より大規模なサービスへの導入に特に向いていると考えています。市場のすべてをターゲットにするわけではなく、Bluetoothのハンズフリー認証が特に効果的であると思われる分野で積極的に展開していきます。

2025年はオープンな場の実証実験を実現する予定

福島:2025年のスタートダッシュはいかがでしょうか。

足立:2024年に複数の事業がスタートしたことを踏まえ、2025年から2026年にかけてのロードマップを明確に引き、これから2年間のやるべきことが明確になりました。もちろん、過去にもソフトウェア開発のロードマップを作成するなどの取り組みはしてきましたが、今回のロードマップの大きな違いは、事業ごとに具体的なパイプラインをしっかりと設定できたこと、そして事業開発、製品開発、研究開発、各部門のそれぞれの役割を明確にすることができた点です。多くの重要な事業のパイプラインがありますが、現在はそれらを実行できる優秀なメンバーと体制が整っています。

福島:2025年の展望を教えてください。

足立:10月に幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC2025」に出展する予定です。そちらに向けて、決済関連のデモンストレーションの準備を進めています。また、他の展示会や実証実験の場でも、新しい技術やサービスを皆さんにお披露目できる機会が増えるはずです。

倉内:事業の具体的な内容についてはまだ公表できませんが、2025年には一般ユーザーの方々にも体験していただけるオープンな実証実験を実施したいと考えています。

また、現在、製品開発部門と研究開発部門ではエンジニアを積極的に募集しています。事業開発が進む中で、プロジェクトが増加しており、製品化に向けた体制をしっかりと整えるための採用活動を進めています。

唯一無二のエキサイティングな事業に取り組みたい方はSinumyへ

福島:最後に、転職希望者の方々に向けてメッセージをお願いします。

足立:Sinumyは、あらゆる認証や決済をハンズフリー化することで、次世代の生活様式を創造することを目指しています。Sinumyで働くことで、将来的には「次の世代を自分たちが創り出した」と実感できるようになるはずです。ぜひ、私たちと一緒に働きましょう。

倉内:AIやWeb3といった業界は活気があり、エンジニアの転職市場でも人気があります。多くの優秀なエンジニアが集まり、面白い分野だと思います。そういったホットな市場に比べると、我々は非常にニッチな立場ではありますが、だからこそ、Sinumyが取り組む「Bluetoothによるハンズフリー認証」は特許も取得しており、我々にしか実現できないサービスです。また、目に見え、手に取れるハードウェアの製造をしているのも独自の面白さだと感じています。

他ではできない唯一無二のエキサイティングな事業に取り組みたい方にはぴったりだと思います。普通のビジネスやプロダクト開発では物足りないと感じる方に、ぜひ加わっていただきたいです。

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