
退院のめど。
とうとう、やってきた。
退院する、その日が。
知らんおじいちゃんに、告げられた。
とうとう、この病院もあと少しで…
潰れちまうんだな!
いやー!突然でびっくりしたよー!
経営うまくいかなかったんだな!
ん?はて?潰れる?えっ?
と状況が飲み込めない私。
おじいちゃんは、参ったもんだ!
と言いながら、あんたはどうすんだい?
と聞かれた。
ははっ!お医者さんからは、退院だって。
そう告げると、わしもそうなんだ。
浮かれていいもんか、わからんよな!
私はアワアワしながら、
回診しに来る、医者に問いただした。
その医者は、ぽりぽりと頭をかきながら、
いや…はい。そうなんです。
ちょっと、病院を続けられない事情が、
ありまして…なので、一度退院してもらって、
こちらから、指定の病院に紹介状をお渡しし、
そこの病院に、カルテ、診断書等を共有して、
もらい、アフターケア出来る様にいたします。
なので、安心して下さい。
すかさず、
っておい!安心出来るかよ!
聞いてねーよ!オレが聞かなかったら、
お前たち、黙ってたのかよ!
医者は、いえ…本当に今日、
その事を報告するつもりでいました。
なので、先に言われたので、びっくりしました。
ふーん。
なんで、もっと早く言わねーんだよ!
騙したな!おい!オレの主治医呼べ!
こんなの、納得できねーわ!
そう叫ぶと、
他の患者様もいるので、お静かに願います!
と、看護師になだめられている間に、
医者に逃げられた。
主治医の先生にも、
リハビリの先生にも、
カウンセリングの先生にも、
同じことを言われたのだ。
退院と、病院が閉院する事は関係ない。
紹介状の病院に、それぞれ、先生達は、
移動して働くので、通院してきても、
場所が変わっただけで、その他は、
変わらないと言う事らしい。
ふーん。
だけど、看護師さん達とは、おさらばだ。
あの新人だった看護師さんも可哀想だ。
病院って潰れるイメージがなかったが、
こればっかりは、しょうがない。
何か医療ミスや、闇がある訳ではなさそう。
本当に経営が悪化しただけなんだな。
いやな世の中だよ。
と、言う訳で今月末で、病院は閉院。
そして、私は27日金曜日に退院となり、
来月からは、違う病院での通院となりました。
あまりにも急な展開についていけない。
心の準備が…あぁ…どうしよう。
看護師さんを見つけるたびに、
ダメだ…涙が出そうになる…。
オロオロしてしまう。
金曜日…天気いいのかな…。
って!呑気に考えてる場合か!
色々顔なじみの方々に、
お礼とお別れの挨拶回りしなければ。
売店で、奮発しちゃおう!
一体何が喜ばれるのだろうか…。
甘いスイーツか?スイーツなのか?
よし!買い占めてやる!