カフェからはじめる 新しい生き方
ゆっくり いそげ
カフェからはじめる人を手段化しない経済
影山 知明 2015年
を読んで考えたこと。
問いを生きるのではなく、人生から問われた「答え」を生きること(私の主張)
○本書の趣旨
この本は、東京西国分寺でカフェを開店し日本一のカフェになった主人公のカフェから始める経済の話である。
この世の中の経済は、お金を稼ぐこと、資本を増加させるが目的とされ、その手段として人を使う。人が手段化され、費用として消耗品として扱われる。
そんな社会の中でカフェが担える役割として、人と人とがつながり関係性を持つこととし、その関係性をテイク(奪う)からではなく、ギブ(支援する)から始めることを提案する。
○私が考える歴史的背景
日本人が戦後にしがらみのある不自由な田舎から都会へ出てひとりの自由をてにいれた。
しかしそこには、孤独な自己責任という自由であり、繋がりを断ち切ったために他人に頼れない、お金しか信じられない人と人とが分断された社会となった。
日本人が若く社会経済が高度成長しているときには、拡大成長を目指してみんなが頑張れば、企業も潤い給料もあがり、めしを食っていけ、国の税収も増え社会保障にも余裕があった。
○現状の日本
しかし、時代が変わり、高齢化、少子化が進んでくるともう役所や国に頼れない財政状況や社会の担い手不足が加速してくる。将来への不安が国民に浸透してくると、国が経済成長を唱え、大企業を優先してGDPを上げようとするが、もう国民が自己防衛に走り、お金が回らなくなる。
非正規労働者や若年層の低所得から消費社会は回らなくなる。かつて成功を収めたオーバーエイジ世代は、過去の栄光をもう一度、いまの社会の継続を訴えて政治も変わらない。
若年層も生まれたときから成長など知らず、物の豊かさに沈没している。人と人とで協力することを学ばず、競争することを教えられ、言われることを盲目的にすることを強制され、自分と他人の比較にさらされ生きている。
また、将来を生きるための教育もされず、いまだに良い学校、大きな会社への就活が叫ばれる。
○社会の課題の探し方
以上の現状を見ながら、現在の日本の古いシステムの課題や問題を探すことが解決にはならないことに気づくべきである。
もう現在の課題や問題を解決するという従来の延長線上の解決策は、新たな問題課題を創るだけである。
こんな社会をどう生きればいいかという問いを発するまえに、あなたがこの社会をどう生きるかを問われていることに気が付くこと。われわれは問を発する前に問われているのです。
問いを生きるのではなく、人生から問われた「答え」を生きること。
○これからの社会の生き方
この本にもあるように、他人を支援して生きること。テイクではなくギブから始める生き方を取る。
それには、自らの特性・性格を知り、自分の好きなことは何か、得意なことは何かを理解することだ。
そしてそれを使って、他人を支援するギブを贈る。自分が何にワクワク、ドキドキして暮らせるのか?絵を描くことか?大工仕事か?人に教えるのがスキなのか?自然の草木を見てると一日過ごせるのか?などなど・・・。
ただそれを他人にしてあげよう。そして、他人をそのまま受け入れ関心を持ち、信頼する態度を身に着けよう。
あなたはあなたのままで良い。私も私のままでよい。それをお互い分かち合おう。
○カフェの在り方
人と人が語り合うことから文化が創られ広がり時代が作られる。
20世紀初頭のパリのカフェが良い例だ。そこにはピカソやヘミングウェイが集い文化が芽吹いた。
現在のパリのカフェは観光向けとしてにぎわっているようだが、人と人が語らう場所としての存在は、将来に渡って続くであろう。
そして、カフェは新たな文化と時代を創る場として存在し続けるであろう。
カフェ アルモンデは、人と人が自由になり・認め合い・分かち合い、新しい気づきや行動が生まれる場所となることを祈っている。