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技術革新がもたらす未来:北信越地域の先進スタートアップを紹介

未来技術

様々な科学技術の進歩のおかげで、私たちが生存するために解決すべき課題はかなり減少しました。しかし、まだまだ地域単位・国単位での課題や、地球規模の課題が残っています。
そのような課題の解決や、数年以上先の社会をより良いものとするために、日々奮闘しているスタートアップが北信越地域にも存在します。

この記事では、北信越地域でより良い未来の実現のために活動している企業を3社と、それらの企業とは別に北信越地域で支援・採択された興味深いスタートアップを1社紹介します。
また、今回紹介するスタートアップ4社のうち3社は大学発のスタートアップです。これまで大学内で蓄積されていた知識がスタートアップという形で社会に還元され始めています。今後も、産学連携の推進がより一層期待されます。



1.ファーメランタ株式会社(石川県)

会社HP:ファーメランタ株式会社 会社概要 | Fermelanta, Inc. Company Information

なにをしている会社?
ファーメランタ株式会社は、石川県を拠点とする合成生物学による物質生産の専門家集団です。植物由来の希少成分を微生物で発酵生産することにより、新しい産業革命を生み出しています。石川県立大学発のベンチャー企業であり、実用化研究を行っていることが特徴です。

事業内容
・合成生物学による植物由来の希少成分の微生物発酵生産
・遺伝子操作及び代謝経路設計を通じた菌株の構築サービス
・健康増進に寄与する製品開発

特筆コメント!
・2億円の資金調達実績!

石川県立大学発のスタートアップであるファーメランタ社が、合成生物学の分野で世界をリードする技術力を持ち、シードラウンドで2億円の資金調達に成功しました。この資金は、研究拠点の整備や人員の増強、さらに生産効率の改良を進めるために使用される予定です。
URL:世界トップクラスの技術力持つ石川県立大発「合成生物学」ベンチャーが2億円の資金調達…微生物を「生産工場」に | Business Insider Japan

・海外での事業展開を目指している
現在、国内での成功を受けて、海外での事業展開を目指している段階です。この動きは、グローバル市場での競争力を高め、世界中の人々にその革新的な技術を提供するための重要なステップとなります。
URL:ファーメランタ株式会社/【フルリモート可】海外事業開発メンバ/バイオテクノロジースタートアップ/物質生産の産業革命/勤務地:野々市市の求人情報 - 転職ならdoda(デューダ)

ファーメランタ社は、微生物を利用して医薬品などの有用成分を生産する「生産工場」としての機能を持たせることを目指しています。特に、大腸菌に20個以上の遺伝子を導入し、適切に発現させる技術において、世界トップクラスの成果を上げています。

この技術により、植物由来の希少成分を工業的に生産する際の時間やコストを大幅に削減することが可能になります。ファーメランタ社の今後の動向が、合成生物学の分野における新たな可能性を切り開くことに期待されています。

また、遺伝子編集技術として、クリスパー技術(CRISPR)というものがあります。この技術が発展すれば、人間は病気とは無縁となり、寿命も大きく伸ばすことができるのではないか、とまで言われています。AIが社会がもたらした変化と同等かそれ以上の影響をもたらすとも言われています。

ファーメランタ社のように合成生物学を活用した企業が、その先導役となるでしょう。

<関連・参考書籍>
コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来 | ウォルター・アイザックソン, 西村 美佐子, 野中 香方子 |本 | 通販 | Amazon
コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来 | ウォルター・アイザックソン, 西村 美佐子, 野中 香方子 |本 | 通販 | Amazon
Amazon.co.jp: ゲノム編集の世紀: 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか : ケヴィン デイヴィス, 田中 文: 本


2.株式会社ナフィアス(長野県)

会社HP:株式会社ナフィアス
関連:信州大学発ベンチャー企業特集 ナノファイバーの量産化・製品化はここまで進んでいた!

なにをしている会社?
信州大学繊維学部内に拠点を置くナノファイバーテクノロジーに特化した研究開発型ベンチャー企業です。ナノテク繊維素材を通じて、学び、深め、繋がり、広がったアイデアをカタチにして、世の中に新しい価値を提供していきたいと考えている。

事業内容
・新たな素材や材料のナノファイバー化に関する研究開発
・ナノファイバーフィルターNafiaS®を用いたマスク開発
・NafiaS®を用いた新しい応用用途の開発

特筆コメント!
・ナフィアスの新製品「NafiaS N-95」
:細かな粉塵や有害な微粒子を通さない高いフィルター性能を持ちながら、呼吸も会話もしやすい理想的な「N95規格」のマスク。
*N95規格:米国労働安全衛生研究所が規定。ウイルスなど直径0.3マイクロメートルの粒子を95%以上捕集できる性能を持つことを示す。国際基準。
・ナノファイバー量産機:ナノファイバー自体は約80年前から研究がされていたが、ナノファイバー量産化成功は、「弓や刀の時代にロケットを作った」それほどインパクトのある出来事。

素材系ベンチャーのビジネスモデルは、通常初期の設備投資が多額になることに加え、収益が出るまで時間を要しますが、ナフィアスは大学発ベンチャーとして大学の保有している高性能な評価機器も時間料金のみで使用できたため、初期の設備投資を抑えて研究開発することができました。

マスクに着目したのは、他製品に比べ構成部品も少なく、素材から製品までの開発ステップが短いということ、当時国内では花粉症対策等で一定の需要があったこと、さらにPM2.5等の大気汚染や今回のようなパンデミックが起こる可能性が増していたことも理由の一つです。
URL:株式会社ナフィアス 代表取締役 渡邊 圭

〈出典〉https://www.nafias.jp/products/mask/470/

3.株式会社ドローンショー・ジャパン(石川県)

会社HP:株式会社ドローンショー・ジャパン (droneshow.co.jp)

なにをしている会社?
株式会社ドローンショー・ジャパンは、ドローンを活用したエンタテインメントショーを手がける企業です。彼らは高輝度LEDを搭載した無数のドローンを夜空に放ち、プログラミングされた振り付けと光のパターンで人々を魅了する最先端のエンタテインメントショーを提供しています。

事業内容
・ドローンショー事業
・ドローンライト広告事業

特筆コメント!
・2020年度の「スタートアップビジネスプランコンテストいしかわ」にて最優秀起業家賞
株式会社ドローンショー・ジャパンは、日本で初めて完全自動操縦で100台以上のドローンが夜空で舞い踊る「ドローンショー」のビジネス展開について発表し、最優秀起業家賞を受賞。現在国内でLEDとGPS受信機を搭載したドローンや自動操縦に必要なソフトウェアの開発からショーの実施までを自社で一貫して手がけているのはただ1社で、2020年8月には金沢港で初めてショーを成功させました。
URL:2020 | スタートアップビジネスプランコンテストいしかわ (isico.or.jp)

・北陸新幹線福井県内開業を祝うドローンショーに7,000人が歓喜
福井県あわら市と共催で、あわら温泉開湯140周年記念事業と連動した企画として、北陸新幹線芦原温泉駅開業を祝い、北陸最大規模のドローン500機によるドローンショーを実施しました。このイベントは、ドローン技術とエンタテインメントの融合を通じて地域の祝賀を盛り上げた記念すべき瞬間でした。

<出典>「北陸新幹線がきた~」北陸新幹線福井県内開業を祝うドローンショーに7,000人が歓喜 - 株式会社ドローンショー・ジャパン (droneshow.co.jp)

最後に、おまけとして
「猫は世界を救う!」
という文脈で、未来のためのサービスを紹介します。

+α neco-note(ネコノート)・株式会社neconote

HP:neco-note(ネコノート) - 保護猫ファンクラブ
運営会社HP:株式会社neconote

どんなサービス?
ネコノートは、保護された猫が新しい家を見つけるのを助けるサービスです。ファンクラブに参加して、猫にギフトを送ったり、特別な写真をもらったりできます。

<出典>投げ銭・課金の「推し活」で保護猫支援できるWebサービス、2022年2月22日開始 | 株式会社neconoteのプレスリリース (prtimes.jp)

特筆コメント!
・猫を飼えない人でも支援できる

イメージとしては、Youtubeのスーパーチャットなどの投げ銭や、メンバーシップ加入に近いものです。ユーザーは猫のギフトを購入したり、特別な写真を入手したりすることで、保護された猫たちの生活に貢献できます。

・長野スタートアップスタジオ(NSS)の支援企業に選出
NSSは、地域のスタートアップ企業の成長を支援し、地域経済の活性化に寄与しています。ネコノートがNSSの支援を受けることで、より多くの保護猫が新しい家庭に迎えられる可能性が高まります。
PORTFOLIO | NAGANO STARTUP STUDIO やさしい起業コミュニティ 長野スタートアップスタジオ (nagasta.jp)

現在、犬や猫の殺処分数は減少傾向にあります。
例として、新潟県の殺処分の実態をみてみましょう。
平成9年(1997年)は犬が約1700頭、猫が約5400頭の計7431頭が殺処分となっていました。 しかし、令和4年度に新潟市を含む新潟県内の行政施設で致死処分(収容中の死亡も含む)となった動物は、犬9頭、猫219頭、合わせて228頭と大きく減少しています。
URL:新潟県動物愛護センター統計情報【新潟県動物愛護センター】 - 新潟県ホームページ (niigata.lg.jp)

このような殺処分数の減少には、保護団体や支援者、そして関連するサービスの取り組みが大きく寄与しています。
ネコノートのような取り組みは、保護猫たちの新しい家族との出会いを支援し、結果として殺処分を減らす効果が期待されています。地域社会全体での意識の向上や動物愛護活動の推進も、この傾向の背後にある重要な要素です。


おわりに

北信越地域でも技術革新の可能性は広がっています
北信越地域の先進技術スタートアップが追求する技術革新は、社会に革新的な変化をもたらす可能性を秘めています。これらの取り組みが成功し、地域が世界に誇る技術の拠点として輝くことを期待しています。


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