「皮蛋《ピータン》擬人化vTuber（デビュー１ヶ月後フォロワー数２８３人）がV限定公開彼ピ募集かけたら思ったよりもヤバい奴らが来ちゃった件」
「こんばんピー！ どもー！ 中華の国からやって来た、食感ネッチョリ系Ｖチューバー、あなたのハートをヌッチョリしちゃうぞ♡ ピーたんですっ！ いやー今回の企画ですけどねー、実際あんま乗り気じゃなかったんですよぉ、だってだってなんか所属事務所のさ、規約って、あるじゃないですか。Ｖ同士の恋愛禁止とか？ リアルで彼氏いたら即契約解除とか？ あーゆーの、ウチの事務しょ……あいやいや違った『党』的には〜党規に無いらしくってぇ、んで、ウチの首席がですね、『お前この歳まで彼氏いないのも可哀想だから公開処け……じゃない公開募集しちゃる！』て張り切っちゃったもんだからなんですけどさぁ……」
デデン！
「というわけで早速一人目の希望者が来てるみたいです。こんばんピー！ まずお名前からどうぞ！」
「スメスメ〜！ 激臭悪臭なんでもコイ！ 異臭系Ｖ、匂異田スメルです〜！ クンクン！」
「うわ初手からエラいニッチな人きたなコレ」
「激臭配信って言いまして、クサヤとかシュールストレミングとかの食レポ実況やってんですけど、今回は皮蛋ってことでアンモニア臭に期待してるんですよ〜。ピーたんさんは臭います？」(ガコン！ と床が割れてＶのキャラが落ちる音)
「ちょｗｗ待って何このシステムｗｗ無理って思ったら手元のスイッチ押せって言われて反射的に押しちゃったけど強制退去ってアリなんだｗｗ まあいいや、匂いフェチはちょっとなあｗｗピーたん毎日ちゃんとお風呂入ってるわｗｗ ってことで次の人いってみよ〜！」
デデン！
「こんばんは！ 食わず嫌いは良くないぞ！ 台湾出身のお料理啓発系Ｖチューバー、ゲテ山ｓｈｕです！」
「ども〜！ なんか既視感あるビジュアルですけど、なんかの食品系擬人化キャラなんですか？」
「自分、臭豆腐のですね(ガコン！)」
「何なんｗｗ去れｗｗ速攻で押したわｗｗ キャラ被ってるし一旦『臭さ』から離れよ？？ 次行こ次！」
デデン！
「こんばんわ！ 郷土料理推しのＶ、伊豆諸草也で(ガコン！)」
「名前バレｗｗやめよｗｗ お前たち同士落ちた先で合コンでもしとれｗｗ 誰かー！流れ変えてぇぇｗｗ」
デデン！
「はあ……なんか企画の流れが分かりかけて来たけどさあ！ 視聴者には匂いとか動画だから伝わらないんだよね……っていってる側から次の人来たし。あれ、今度は何だか金髪碧眼のイケメン風ビジュだぞ……こんばんピー！ まずはお名前からどうぞ！」
「トローフノーナ マヒ グチ！ 推し酒紹介Ｖやってます、奥人モアだよ⭐︎」
「あっなんかイイ感じ！ その挨拶どちらの言葉なんですかー？」
「これはスコットランドで話されてるゲール語といって、『こんばんは』って意味なんですよー。ピーたんさんはお酒お好きですか？」
「そりゃあもうエヘヘ大好きですよぉ♡ ピーたん永遠のハタチなんで、コンプラ的にもオッケーオッケーです！ 奥人さんおススメのお酒とかあるんですか？」
「ありますよぉ。良く行くＢＡＲで配信もさせてもらってます」
「うわぁ大人ぁぁ……あ、じゃぁじゃあー、こんどＢＡＲ連れてってくださいよぉ。一緒に配信コラボとかしちゃいましょう？」
「イイですねー。実は今日、ピーたんさんにお土産がありまして」
「えっちょ、聞いてないけど？ うわマジ嬉しいですぅ♡ え？ いま飲めるの？ うわ最高♡ あ、グラス、なんかかっこいいグラスが出て来ましたよー！ ウイスキー、実はハイボール以外で飲むの初めてなんですよぉ。おおっ！ ボトルも真っ黒のメタリックな感じで大人な雰囲気ですよ！ なんて読むんでしょ、おく？ ともれ？ とにかくカッコ良さげです！ みなさん！ 期待大！ ですよ！ どうしようこのまま酔わせてどうするんですかみたいなことも言ってみたかったりしてｗｗ あ、注いでもらっちゃってすみません！ それじゃいただきまーす！」
チビリ。
「くっさぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ！ 正◯丸！ ◯露丸が！ くちいっぱいにぃぃぃぃぃい！」
ポロロン♫（※『オクトモア』というウイスキーは世界で最も『匂う』お酒と言われています)
「次回！ 皮蛋とウイスキーの最強マリアージュ！ お楽しみにうぉええええピ────(自主規制)」(ガコン！ と両キャラ床下に落ちる)
（完）