イラスト&ドローイング集「hometown_01」解説
こんにちは、川田はらいそです。
コミティア147終わって1ヶ月経ってしまった……
前回に引き続き、「hometown_01」についても文章を残しておきたいと思います。
その場その場の思考を書き残し、蓄積させることに意味がある。たぶん……
宮崎県で撮ったバショウを描いた。葉っぱが大きくてかっこいい。繊維に沿って裂けているところを描きたかった。
山に囲まれた盆地の中で育ったから、広い海と、そのまた向こうにある南国の景色に憧れがある。「はらいそ」をペンネームに選んだのもだいたい同じ理由(細野晴臣の「はらいそ」からもらった)
描き込み量を上げてみたところ、反応がいつもより良かった。「ふ〜ん、そうか」と思い、数枚この路線で描いてみることに。
これは宮崎の青島で撮った写真を元に。自生してるものではないかもしれないが、こういう葉っぱがわさわさ生えてるのはすごいテンションが上がる。
表紙に使った絵。山梨県JA会館の1F。
この日は土曜日だったからか利用者が少なかった。薄暗くて空気が重く、どこかじっとりしている。
あたりを見回すと、革張りの椅子、有孔ボードに書道コンクールの作品、富士山の油彩画、観葉植物、カモシカの剥製。
「地方都市を濃厚に煮詰めたような……田舎が渦を巻いているような……なんなんだこの空間は……」
そう思って写真を撮ったのが3年前。今回やっと絵にできて嬉しかった。
ちなみに当時、私はこの建物の5Fに用事があった。帰りに窓から甲府の町を見下ろしたらあまりに灰色すぎて身震いした。イルすぎる。非常に思い出深い。
ヤツデとネットフェンスを描いた。
ヤツデの葉は形が面白くて絵になる。花は白いポンポンみたいでかわいい(トーン置いちゃったから見えないけど)
ネットフェンスは右から左に向かって破綻していく様が描きたかった。でも人でほとんど隠れてしまったからまたチャレンジしたい。
家から掘り出した古いデジカメを描いてみたけど非常に大変だった。
人工芝とコンクリートブロックの壁。
テクスチャをひっぺがしたイメージ。
人の家の庭。なぜか大きい石がゴロゴロ置いてある。
デッカい石を見るとマグリットの作品を思い出して気分が良くなります。
近々閉店するスーパーからテナントが抜けたところの絵。
ここ数年は地元のデパートやスーパーマーケットが立て続けに閉店したのでこのような光景はよく見た。
埋没林の根。富山県の埋没林博物館で撮った写真を元に描いた。
かっこいい~~
この辺りの風景を描いた絵は「背景の3Dモデリングやってみたいな〜」と思いながら描いた絵。
blenderぼちぼち挑戦してみたい。作品としてリリースできずとも、背景作画の補助に使えるようになりたい。がんばろう。
自分で紙を漉き、シルクスクリーン印刷した作品。スキャンして本に載せた。
製紙→印刷の工程を自らの手でやってみることに。
デジタル作品を印刷して「モノ」とするとき、用紙にプリンターで印刷する以外の様々な方法を試してみたかった。
印刷は楽しかったけど、製紙はあまりに大変で、本当にもうやりたくない……
でも手間暇かけて試行錯誤することは大切だったと、思う!!!!!
☆その他
・地元山梨・甲府の風景を描きたいと思って「hometown」ってタイトルにしたのに旅行先の絵も入れているからすでに破綻している。もう、好きにやれし……
・気に入らない絵をボツしまくったらページ数めっちゃ減った。
ごめん……(デカ盛り定食屋の店主がションボリしてる顔)
次の本はできる限りページ数を増やしたい。
がんばるね(デカ盛り定食屋の店主がニッコリしてる顔)
・コミティア終了後に「もうちょっとやれることがあるな~」という気持ちになって、実は1ヶ月経った今もかなり思い悩んでいる。この文章のリリースが遅れたのもそういうことで……
最近は写真を撮りためて、良い絵を見て、イラストのための参考書籍を買って、みたいな生活です。背景が描けるようになりたい。人が描けるようになりたい。
今回の本は赤ん坊って感じ。ここからどう成長していくか……う〜ん……
・betcover!!とは、荒れた空き地、冬の湖、雨の高速道路、裸電球の六畳間、下水の臭う高架下、銀色の星、暖かな川べり……
……私もそういう作品を作りたい泣
・地方の寂れた風景を描きながらも「レトロ」「郷愁」「懐かしい」といったアプローチは極力避けたい。なぜなら甲府は"ice city"なので……
とりあえずデスクの近くに「クール、ソリッド、真摯、リアル、殺伐」と書いたメモを貼っている。
・創作のために、個人の生活空間を雑に消費しないこと!!(自戒)
終わり!!次回はたぶん8月コミティア!!
成果物を引っ提げて参加できるよう頑張ります!!さようなら~