メディア・行政に感じた違和感
昨日、東京都の小池都知事が都民向けに「自粛の年末年始」「ステイホームで」「忘年会・新年会は見送り」などを説明していたが、はたしてどれだけ多くの人たちにその言葉が響いたであろうか?
正直、マスコミや行政長(知事など)が強く訴えかけたところで、観衆に響くのはせいぜい2割程度でないか?今回は従わない(従えない)人々もたくさんいるだろう。なぜなら人々は皆”生活”が懸かっているからだ。メディアはその事実は報道せず、医療現場を中心に伝えている。もう一方の現実も正しく伝えてほしいものだ。
おそらく年末年始は春の緊急事態宣言のときのように従う人は少ないだろう。そして”今”を楽しもうと考える人も多いのではないだろうか?
なぜならたくさんの我慢を抱えると、その反動で自由を求めたくなるからだ。特に精神的・心理的に疲弊し、メディアや行政の発信に嫌悪感を抱く人も少なくないだろう。そういった人々の発言はメッセージ性はあるにしても、心理的な安心感・精神的な豊かさは感じられない。
それに忘年会は文化のようなものなので、忘年会を禁止することは難しいだろう。忘年会は社交の場でありつつ、人々がつながれる安心感・一体感、精神的豊かさを感じられる文化的側面・精神的安定の場であるからだ。もし禁止すると人々の精神的なつながり、安心感が破壊され、「明日も頑張っていこう!」という活力を失う。それから社交の場・文化を否定することになりかねない。
ただし筆者は忘年会を全肯定するわけではない。会食によって感染が拡大している事実もあり、医療体制がひっ迫しているのも事実である。そして感染拡大とともに重症者が増えるのも事実である。
しかしながら「禁止」までは行き過ぎだ。先ほどの文化的価値観もそうだが、何より困るのが飲食店事業者だ。春の緊急事態宣言で一つの苦境を味わい、その後苦しい中で何とかそれぞれの努力で頑張ってきた。GO TOによって少しずつ回復傾向にあったが、GO TO停止で2重苦、年末年始の控えでさらなる衝撃。そこに”緊急事態宣言”でも出されたら、飲食店事業者、およびそこに卸している業者や生産者、もとより労働者など幅広い人々に対して、”死刑宣告”を行っているようなものだ。もし”緊急事態宣言”がだされればどれだけ多くの人々が失業し、路頭に迷うか想像がつかない。「緊急事態宣言を早期に派出を」と考えている人は、こうした背後におきるリスクもしっかりと考えるべきだ。
では、感染対策をしつつ、経済を回し、飲食店事業者、ならびに利用者がwin-winになる方法。そして私たちが精神的健康、身体的健康を保ちつつ、私たちの生活を守るためには何ができるだろうか?
あくまで個人の意見だが、会食の場では「マスク会食の履行」が重要だろう。マスクによる感染防止効果は証明されているので、エチケットとして会食の場でもマスクをして会話する。食事をするときだけマスクを外して飲食する。その後、再びマスクをつける。これの徹底しかないだろう。
これが徹底されれば、感染対策にもなり、お店の経営を守ることができる。お店の経営がも盛れれば、私たちの雇用も守ることができるのだ。感染が防止できれば、私たちの身体的健康を守ることができ、医療体制、医療従事者を守ることができる。
このような多角的な視点で、様々な影響を考慮しつつ、双方がwin-winとなり、ともに豊かになっていくような情報発信をメディア・行政長は力強く発信すべきでないか?前向きな発言、双方が豊かになり、片方が損をしなくてすむような、気持ちが明るくなるような積極的な情報発信をしてほしい。前向きな情報が、私たちの希望を与え、「また明日からも頑張っていこう!」という活力になるのだ。
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