慣れない場所
昔からの知人と、遠出をすることになったので駅に集まることにした。その駅はわたしの馴染みのある最寄駅よりかは遥かに都会で、まるで都会の見知らぬ街へ、迷い込んでしまったかのように感じた。
駅の中に潜んでいたビルの中は、一段と照明が店内を照らしており、コンクリートで造られた地面と、歩く都会の装いをしている人々と、そんな中馴染めずにいる田舎者の自分とを情けないぐらいのコントラストで埋めていた。
ただ立っているだけではみっともないから、仕方なく近くにあったカフェに入った。私に選ばれた飲み物は、ヨーグルトとフルーツ味で作られた液体で、その液体が上下に隔離されているかのように並んでいた。ヨーグルトはトロトロ、フルーツ味の液体はサラサラ…同じカップの中にあるのに、まるで別々の世界に存在しているかのようである。
味を確かめるようにストローをすすると、今まさに私がその状態なのではないかと感じた。いくらストローで混ぜても混ざり切らないこの液体は、生まれも育ちも田舎な私には、見苦しく、不釣り合いな空気を感じさせた。
しかし、その非日常感が私を、綺麗な街並みによく似合う都会のお姉さんにさせているのもあり、さらに気品の溢れるたたずまいをしたがるという気持ちも感じさせたワンシーンとなった。ああ、恥ずかしい。
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