海に溺れる前に

幸せなことをしたあとに、虚しさから余計に悲しくなることはありませんか。私はあります。しょっちゅうではないですが、あります。

今は、なんて幸せなのだろうと思ったあとに、地獄の悲しみが押し寄せてくるのです。涙で出来た海に、今日の流れた涙が足されていく。ほら、もうこんなに溜まってしまった。塩辛い涙が溜まってしまって海になってしまった。

私の悲しくてやりきれない海に、小さな船を浮かべてください。船を漕いで、海から見える絶景をどうか楽しんでください。そしたらきっと、私の海は喜ぶでしょう。こんな涙でも人を楽しませられた、と喜ぶでしょう。

まあ、どうせ現実にはならない悲しい妄想なのだけれど。悲しくてやりきれない気持ちはどこに置いていけば良いのでしょう。この海は、いつか溢れて洪水のように止まらなくなってしまうのではないでしょうか。

ああ、悲しくて、たまりません。