全てはまだ始まったばかりだ!よく覚えとけ!
珍しく俺の予想が予想通りにいきましたね。
逆に言うと想像超えてこなかったな、という肩透かしはありますが。
というわけでコロナ禍によって興業中止を余儀なくされていた新日本プロレスが無観客で再開したNew Japan Cupが終わり、その優勝者であるEVILが劇的な裏切りによって二冠王者内藤哲也を下し、念願のIWGPどころかインターコンチまで手にしました。
予想通りといいつつNJCUP始まるときは組み合わせみると鈴木みのる選手が勝ち続ければ今の新日本のトップを尽く倒すコースだな〜遂に戴冠の時きたか!って思い、1回戦でタイトルマッチかよ!ってくらいの激闘で負けたってことは永田さんが〜って優勝予想してたんですが。さすがに2回戦終わったくらいには(これはヒロム、SANADAが勝ち上がるから「何がなんでもローブロー」で裏切っていくのか)って思い始めました。
片方でレインメーカーを封印して変形コブラクラッチで横綱相撲みたいに圧勝を重ねるオカダ選手は最近はメディアでプロレス界の顔になりつつあるし、やっぱり再開して最初の大会だから華々しくオカダ選手が優勝して内藤さんと決戦するのがいいのかなぁとも思いつつ。
だってコロナでず〜んと陰鬱なご時勢にようやく再開した新日本プロレスで、暗いストーリー誰も望んでないでしょ〜wって思いますやん。
でもここ数年の流れとしてLIJの中で4番手とか言われてシングルでは結果の残せてないEVILが輝くにはLIJを出るしかないって感じでもあったわけです。
で、SANADA選手にローブローをかました時に(ああ、そういうことなのね)と。
案の定、決勝ではバレットクラブが介入。
これ、コロナがなかったらどうだったんですかね。本来なら「今年は俺の年だ」と豪語していたKENTA選手が優勝して再び内藤さんとやる予定だったのかもしれないし。たらればを言っても仕方ないんですが。
ただこの長引きそうなコロナの影響でBCの主要メンバーが参戦できない以上、ジェイやKENTAに変わるヘビー級の主戦力はどうしても必要だったでしょう。そこで一番、BCに入る可能性があってかつトップを張れる選手…。
ということが念頭にあったのでバレクラの介入と寝返りは想像の範囲内でした。
でもそうなると難しいのはNJCUP優勝者は内藤選手の二冠に挑戦できるわけですが、
A:ここまで劇的な裏切りをしたからにはEVILが勝って二冠!最悪のバッドエンドで会場お通夜状態!
B:追い詰めるも反則とか介入でなんやかんやでノーコンテスト、決着はお預けだ!で…は、ぽん?
締まらないな…これは締まらないけど、声援も禁じられた圧倒的多数の内藤ファンを1.5に続いてどん底に突き落とすかなぁ…。
一応C:内藤選手が裏切り者に快勝してハッピーエンド!デ!ハ!ポン!
これはね絶対ないと思いました。
BCに必要なのはジェイ、KENTAに匹敵するBCの柱、でっかく咲いた惡の華なんですよ。ここまで「何がなんでも」で急所攻撃してきた悪者が肝心のとこでポカしたら結局三下どまりなんですよ。だったらLIJを出る意味がない。やるからには突き抜けて最悪の悪になる!結局KENTAがやったことをもう一回やるしかなかったわけですね。
いや〜マジでやりよったわw
はい、というわけで介入と反則によって新日本プロレスの至宝二つが移動しました。EVILは念願のIWGP戴冠です。
案の定ツイッターはお通夜じゃなくて炎上です。なると思ったけど。LIJファンはピュアな人多いなぁ。裏切りや改心、バッドエンドがないプロレスってあんまりないと思うんだけど。まあせっかくお金使ってこんな時期に会場まで観戦にいってお通夜エンド見せられたらそりゃ落ちるでしょうけど…。もう今日のメイン始まる前から(内藤ファンは気の毒だなぁ)って思ってました。
ただ、裏切りもバッドエンドも敗北もプロレスの物語を彩るものでそういう美学を一番大事にしてるのはむしろ内藤選手なんじゃないですかね。プロフェッショナル観た人なら分かると思うけど。ていうかそれ分かってないプロレスラーなんてあんまりいないと思うけど、内藤選手って新日でも特に受けのうまい人で
こんな感じで相手の技の迫力を印象付けるド派手な受けを見せてくれるんですよ。その根底って相手を引き立たせるっていうマインドの現れだと思うんすよ。
だから内藤選手は死に物狂いでとった二つのベルトをお土産につけて、EVILをバレクラの、新日の新しいトップとして送り出したんじゃないかなと。
ただ、勝ち方としては結局、介入と金的に頼っててプロレスとしての「いい試合」ではなかったんですよね。やるにしても「それでも立ち上がってきた内藤を今度は完全に技で倒す」って形だともう少しみんなスッキリしたのかもしれない。
このモヤモヤはEVILがこれから新しいヒールの王者として成長していくスタートラインだからだと思います。
内藤選手自身がメキシコから戻ってきてスターダストジーニアスから制御不能になって反則しまくり介入上等でオカダ選手からIWGPを奪ってます。そして、反則をするヒールなのに相手がブーイングを受けるという逆転現象を起こしてカリスマになるわけですが、徐々に反則は減り、反体制的姿勢だけを残したダークヒーロー化するわけですね。これはCHAOSが歩んだ道と同じ。最近じゃ鈴木軍もちょっとそうなりかけてますが。
だから、とりあえず格上の内藤選手から「何としても」もぎ取ったベルトとそのために就いたポジション。ここを守るには今のままじゃダメなわけで。実力のプロレスでぐうの音も出ない勝ちを重ねていかなきゃいけない。内藤選手がやったように、ジェイがやったように、タイチがやったように、ブーイングが歓声に変わっていく、ヒールだけど実力も認められる(ていうかもう十分認められてるけど)真のキングオブダークネス像をこれから作っていく、その物語の始まりなんだろうな、と。
そして、これは内藤選手の物語の新しい始まりでもある。
俺はヒールが好きだし、ヒールが輝いてこそベビーもそれ以上に輝くと思っているんで人気が肥大化したLIJには相応のヒールが必要だと思ってて、だからこその1.5のKENTAだったと思う。もうほんと救いようのないクズみたいな好感度ゼロの敵が欲しいんですよw
前にも書いたことがあるけど、2冠獲っちゃったら内藤哲也のプロレスラー人生終わっちゃうじゃん、と思ってたんですよね。もうやることがないもん。
となると、内藤さんには新しい目標、物語が必要なわけです。
で、LIJを共に作ったパレハが裏切り、プロレスラー人生の集大成ともいえる2本のベルトを掻っ攫って行った下衆野郎が現れるわけです。たぶん、仇討ちに出た愛弟子もやられるでしょうね。
もう、そいつが築き上げるダークネスワールドぶっ壊すしかないでしょ!
どんなヒーロー物語でも、一度ヒーローはどん底に落ちてそこから這い上がって逆転するのが定石なわけで、今はまだ物語の序盤も序盤なわけです。
だから、新日本嫌いになったとか言わないでw2時間映画の半分にもまだ行ってないと思いますよ。
なんなら今日出てくるべきタイミングで出てこなかった人たちの動向も気になりますし…。
つまり、結局俺が何が言いたいかって言うと!
トランキーロ!
あっせんなよ!