放射冷却現象と逆転層〜氷点下20度の北海道東川町より
きょう1月24日(日)の東川町は気持ちよく晴れて、
最低気温は午前5時半過ぎに氷点下22.0度まで下がりました。
マイナス20度台はこの冬3回目。
日中も青空が広がり、大雪山系の山々がきれいに見えました。
ところで下で紹介しているのはちょっとマニアックな写真。
町内の木工場から出る煙ですが、
厳しくしばれた日にしか撮れない光景なのです。
撮影した午前9時半過ぎは気温が氷点下19度くらい。
ほぼ無風でしたが、煙は数十mほど上空で直角に曲がっています。
これは放射冷却現象で地表近くの大気が冷やされ、
上空の空気の方が暖かくなる接地逆転層という現象です。
冷たい空気は地表付近にとどまろうとするため、
煙は上空に拡散されません。
このため煙は一定の高さまで上がった後、
見えないふたがあるかのように地面の近くを漂うわけです。
厳寒期特有の光景です。
ただ人口約8300人の東川町ならともかく、
33万人都市の旭川市あたりでこうした現象が起きると、
少しやっかいです。
自動車の排ガスなど汚染物質も地表に滞留しやすくなり
PM2.5など大気汚染の数値が一時的に上がるためです。
風が吹いたりすればすぐに解消するのですが、
天気がいいからといって外で深呼吸はしない方がいい
現象でもあります。
(2021/01/24付 コヨミ舎のInstagram、Facebookより転載)