四国ぶらり旅 3/4
旅の3日目。そろそろ疲れが出てくる頃です。
そのため、この日はあまり人がいないエリアを通過するように設定しています。旅の道中におけるメンタルコントロールは、コースの設定と密接に関連しておりとても大切です。
疲労が蓄積するとモチベーションが下がって良い写真が撮れないだけではなく、予想外の事故にあったりします。
体調は特に大切で、旅に出る一週間前から食事の栄養バランスを整えて、アスリート並みに体に気を使っています。1回の連続行動が20時間以上に及ぶこともざらなので、とにかく道中で気力を維持することが重要なのです。
宿泊した宍喰は太平洋に面した旅情溢れる小さな街です。
ウミガメの産卵地としても有名ですが、お遍路さんにとっては霊場巡りの試練ともいえる室戸岬へのスタート地点でもあります。
室戸岬はとんでもない僻地にあります。
太平洋へと突き出る非常に大きな岬であるにも関わらず、岬の先端はあっけなく海岸へ出ることができる珍しい地形で、奇岩がたくさんあります。
ここの岬には潮流の関係かいろいろなものが流れ着くのですが、中でも目立つのが真っ白で綺麗なサンゴの化石です。大量に流れつきます。とても綺麗な状態で流れ着いているため、グレーの岩だらけの海岸で大小の真っ白なサンゴの化石がアクセントになっています。
室戸岬を周ると、いよいよ高知方面へ折り返します。
岬の先端には霊場の最御崎寺があります。寂しく荒々しい室戸岬を感じながらも、最御崎寺があるお陰でここが文明の中にあることを意識させ、ほっとするような不思議な世界を作り出しています。
同時に、ここまでの過酷な遍路道を歩いてようやく24番。お遍路さんはある種の強い達成感と感動を味わい、それでもまだ24番かという、これから先の旅の道のりの長さを想う場所でもあります。
岬を越えてからは、高知県香美市にある龍河洞を訪れました。
龍河洞は日本三大鍾乳洞のひとつ、公開距離は約1km、ひたすら洞内を登る鍾乳洞です。
なぜ龍河洞を選んだかと言うと、涼しいから!
鍾乳洞はどこでも基本的に年間の気温が一定で、夏に訪れると寒気を感じるほどで、暑くてへばっている私には丁度良い息抜きです。
そしてここでレンズを交換です。
使用するのは激安ガジェットレンズのLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.です。
以前から言っているように、このレンズは実売価が2万円程度ながら、フルサイズの高級単焦点レンズの性能を凌駕するレベルです。
さすがマイクロフォーサーズ。
絞り値によって画質がほとんど変化しない上、開放の四隅の品質がずば抜けて高く、コマ収差がほぼ存在せず、しかも超軽量というヤベー奴です。
したがって暗い鍾乳洞の洞内撮影では無敵と言っても良いのだ。
私がもしも25mm(換算50mm)好きであれば、ほぼ間違いなく一生使いたいと思うレンズなのです。
予想通り、いやそれ以上に、開放で使いまくれるレンズです。
マイクロフォーサーズは被写界深度が深く、しかも4秒までは手持ちでいけるので、ほとんど真っ暗な場所でもガンガン撮影できます。
異次元の面白さです。
洞内をのんびり歩いて涼を取ったあと、最終宿泊地である愛媛県の松山市へと向かいました。
[ つづく ]