LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO 1/2
以前、私の好みの焦点距離はマイクロフォーサーズで18.5mmであり、その焦点距離のレンズが欲しいという記事を書きました。
(厳密な話をすると35mmフルサイズとマイクロフォーサーズは縦横比が異なります。対角線画角なのか水平画角なのかといった話をするとややこしくなるため、この手の話の時にはわかりやすく単純化して2倍換算で話を進めています。要するにマイクロフォーサーズの規格で、私は18.5mmの時の画角がベストであるという意味の記事を書きました。)
ところがふとネットを見ると、なんと中国のLAOWAからマイクロフォーサーズの18mmが出ているではないか!!!!
まさに大事件!!
LAOWAは当初から私が非常に気にしていたメーカーです。
中国企業とは言え極めてレンズの品質が高く、様々なデータを見ると、最高峰であるオリンパスのPROレンズに匹敵する性能を持っているようです。ひょっとすると凌いでいる部分もあるかもしれません。
もちろんマニュアルフォーカス専用レンズですが、単焦点でパンフォーカスを多用する私にはほとんど関係ありません。
LAOWA社長のインタビューを見たことがあるのですが、とても実直な性格で、しかも能力がかなり高そうに感じました。
私はこのメーカーは十分に有望だという認識でした。
レンズに対する考え方も共感できるものが多々あり、これはタダモノではないなと思っていたのですが、調べてみると彼は長年タムロンで名レンズの設計に関わった一人のようです。なるほど、納得しました。
今までLAOWAには他のメーカー同様マイクロフォーサーズの17mmがあり、これが非常に優秀な光学設計であるため欲しかったのですが、17mm!!17mm!!
あーLAOWAよ、お前もか。お前も17mm派なのか。。。
と、がっかり諦めていたら、今年の1月にとんでもない最高性能を引っ下げて18mmが登場していました。
さすがLAOWAはわかっている。わざわざ1mmプラスしてくるとは。
彼はインタビューで、写真家からの要望をガンガン取り入れていると述べていたので、やはり私と同様の意見がその中にあったのではないかと思います。
それにしても伸びる企業は違う。
そんなわけで迷うことなく即購入。
到着までに1週間ほどかかったものの、無事に厳重な梱包で届いたので、試しに撮影してみました。発注したショップはアマゾンのPCボンバー店。梱包の厳重さから、このショップは十分に信用できそうです。
試しに撮影してみましたが、相当なレベルであるのは間違いありません。
解像度は恐らく他社を含めた全てのレンズ中、ダントツの最高レベルだろうと推測されます。しかもマイクロフォーサーズらしく、四隅まで完ぺきに解像しています。風景写真では四隅が極めて重要で、この四隅の性能があるからマイクロフォーサーズを利用していると言っても過言ではありません。
実際、先に発売された同じシリーズの25mm(換算50mm)の性能はずば抜けていて、恐らくこの18mmレンズもそれに準ずるレベルだと思います。
少なくともオリンパスの17mmPROに十分匹敵するでしょう。
私はあまりレンズに対して解像度とか求めたりはしないのですが、このレンズの解像度は、現像時に一切の補正を必要としないほど高いレベルにあります。
あとは耐久性がどうかという点ですが、そればかりはわかりません。
このレンズは防塵防滴ではありませんが、しかしかなりカッチリしっかりした造りになっているのは事実です。操作しても快適で全く不満はありません。精度の高い製品だと思います。
このクラスのレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO、NOKTON 17.5mm/F0.95、LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APOの3本があります。
NOKTONのナチュラル系に対して、M.ZUIKOとLAOWAは超高解像の違いがあります。
NOKTONが劣っているかと言うと全くそうではなく、色味がしっかり乗るタイプであるし、ナチュラル系のNOKTONにはフィルム調の現像で力を発揮するため、それぞれ一長一短あります。
LAOWAはレンズだけの能力で素晴らしい補正を行っており、超高解像を実現していることもありますが、その分、色味はあっさりしている印象です。
どれも使いこなせば極めて優秀なレンズであるため、選択には悩むかもしれませんが、面白いのは3本とも焦点距離がちょっとずつ違う点です。
たかが0.5mmの差と言えど、仕上がりのイメージは結構違います。
以下はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIとLAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APOで、日南で撮影してきた写真です。
作品として撮影しているため現像時の色調整は加えてありますが、シャープネス等解像度や色収差の補正は行っていません。ほんのちょっとだけ歪曲がありますが、ほとんどの人は気が付かないレベルでしっかりコントロールされていて、NOKTONと同レベルの歪曲だと思います。
写真は大気汚染が10㎍/㎥ほどあったため、すこし霞んでいますが、参考にはなると思います。
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