実家の岡山へ帰省旅
私が宮崎へ移住してかれこれ10年になるのですが、高齢の両親に会うために実家の岡山へ行ってきました。
1年か2年に1度、岡山へ帰省していましたが、毎回不思議な感覚に見舞われます。
子供の頃から何百回、何千回と見てきたはずの風景、それなのに旅をしているような新鮮さを感じたり、突然懐かしさで溢れたり、よくわからない感動を憶えたりと、何とも不思議な感覚です。
岡山を中心として、子供のころから親の転勤によって住む場所は何度も変わっているので、このような感覚には慣れているはずなのですが、それでも毎回感じ方が異なるような気がして不思議です。そして毎回新鮮です。
「隣り町でも自宅の裏山でも旅は出来る」というのは旅好きである私の若いころからの口癖なのですが、結局のところ自分の脳や心が何を感じるのか、それが旅では重要なのです。
必ずしも訪れる場所が重要なのではなく、その場所をきっかけに自分の心がどのように動くのかが大切なのです。
そして冷静に自分の心や感情を知ることは、旅を楽しむ助けとなり、それは人生を歩む手助けにもなります。
これが旅の醍醐味の最重要部分だと認識しています。
話は変わって、私の実家の近くには「大阪屋」というドライブインが旧国道2号沿いにあり、ここは同郷の山本由伸選手が子供の頃に来ていたらしく、店舗を覗いてみるとサインやユニフォームが飾られていました。
へぇ~。全く知らなかったなぁ。
彼は岡山から宮崎県の都城高校へと進学しており、岡山から宮崎へと移住した私には何だかとても親しみを感じます。
せっかく岡山へ帰ったのだからと、日本三大庭園のひとつである後楽園を訪れてみたのですが、桜はまだ全く咲いておらず、雨でガラガラ。
しかも宮崎と比べると、なんと寒いこと。
それでも小雨が降る中、庭園はしっとりと濡れて美しさが際立っていました。
久しぶりに後楽園を訪れてみて、改めて庭園としてのレベルの高さを思い知らされました。後楽園はやっぱりすごい。
個人的に池泉回遊式庭園としては日本一であると思っています。
使用したレンズは先日購入したばかりのLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.。
いやぁ、このレンズ、以前のレビュー通り想像を遥かに超える高画質。
光学性能がフルサイズ15万円クラスのレンズと言ったものの、実際はもっと上ではないかなぁと本気で思っています。
岡山へ滞在したのはわずか二日間のみで、仕事があるためすぐにとんぼ返りです。
行きは関門海峡を通ったのですが、帰りは四国へ周って愛媛県の三崎港からフェリーを使って大分県へと渡りました。
フェリー上からの撮影で、いつもどの焦点距離のレンズを使ってもイマイチしっくりこないのが少し悩みでした。
そこで今回はこれまでに使用してきた標準域のレンズではなく、思い切って85mm(換算170mm)の望遠レンズで撮影してみたところ、これがバッチリマッチ。意外です。
フェリー上はそこそこ揺れていたのですが、ここでもさすが旅カメラと言われるマイクロフォーサーズ。
マニュアルフォーカスレンズであっても焦点距離を入力しておけば、例え換算170mmの望遠レンズでも強力な手振れ補正によって全然ブレません。
すごい時代になったなぁホント。失敗写真は1枚もありませんでした。
大海原を表現するなら標準レンズで良いのだと思いますが、フェリーから陸地を中心に撮影する場合は望遠レンズの方が良さそうですね。
宮崎への帰りには、いつも日向のお伊勢さまと言われる大御神社へ参ります。
私は基本的に無宗教ですが、日本文化の自然信仰を大切にしていて、その根幹にある神社へよく参ります。
旅の安全を見守って頂いたことへの感謝を伝えるためです。
お参りを済ませて駐車場に行くと、観光客から声をかけられました。
彼女はインドからの留学生らしく、ここまで観光に来たものの、近くの馬ヶ背へ行くためのタクシーかバスがわからなくて困っているとのことでした。
私も地元民ではないし、そもそもここは結構田舎で、すぐ近くとは言っても馬ヶ背はさらに僻地なので、簡単にタクシーやバスは見つけられそうにありません。
神様に参ったばかりだしこのまま見捨てていくのもなんだかなぁと思って、もうついでだからと、連れて行ってあげることにしました。
馬ヶ背は柱状節理の断崖上にある絶景の観光地で、今までに何度も訪れたことがあるため、それほど苦にはなりません。
どうせ馬ヶ背からの帰りも大変だろうと思って、一緒に2時間ほど観光して、そのまま最終目的地の日向駅まで送り届けておきました。
とても賢く可愛らしいお嬢さんで、SNSへの掲載も許可を頂いて写真を数枚撮らせてもらいました。
5か国語ほどを話せるそうで、素直に「すごいなぁ」としきりに感心していたら、「何事もチャレンジです~」と言っていたのが印象に残りました。
そう!何事もチャレンジ!
いい言葉を返してもらったなぁ。
いつもへんてこなチャレンジをひたすら続けている私にとっては、何とも元気になれる言葉で、ありがたいなぁと思いました。
これも神様に参ったお陰かな。
かなり疲れて、いつも通りヘロヘロになって宮崎へ帰ってきたのですが、しかし最後に短時間ではあったものの楽しい出会いがあって、元気を取り戻せたようです。
やっぱり旅はいいなぁ。