結城さんが来る。
もうすぐ、会津に結城幸司さんが来る。
アイヌアートプロジェクト代表。版画家、木彫作家。
いや、肩書はどうでもいい。
語り、描き、歌うこの人に出会った時、
彼の口からこぼれ出る言葉一つひとつに漂う気配の濃さに
僕はすっかり魅せられてしまった。
僕がツキノワグマの小さな子どもの写真を見せた時
彼はそこから、切ない一つの物語を作ってくれた。
僕はその素晴らしさに感動したし、
何より、僕の撮った写真が彼の心を動かしたことが嬉しかった。
南会津で夜話し込んでいると、結城さんがボブ・サムと旅をした話になった。この写真のペンダントは、結城さんがボブからもらったものだという。
星野道夫さんの著作に何度も登場するボブ・サム。
彼と結城さんが深い繋がりを持っていることに、
僕はあまり不思議さを感じなかった。
精神の底に、世代を超えて培ってきた何かが
琥珀の様に、重く、透き通った光を反射している。
僕たちには決して持ちえない、その輝きを、きっと二人とも持ち合わせ
そしてそれが共鳴するのを、互いに感じとっているのだろう。
とはいえ、僕はボブ・サムに会ったことはない。
こんな言葉を読むと「美化し過ぎだ」なんて
結城さんには窘められるかもしれない。
でも、それでもいい。
結城さんが、ボブと会津にやってくる。
僕は会いに行く。彼らの話を、一番後ろから、
彼等の話に聞き入る人々の背中を感じながら聴き、
ファインダー越しにその情景を切りとろうと思う。
神話で辿る聖なる旅路『天鹿・渡鴉巡礼』
奈良裕之×ボブ・サム in 会津
2019年7月17日(水) 17:00~
奥会津ただみの森キャンプ場内・目黒家
福島県南会津郡只見町大字只見字向山2832
詳細は下記リンクより(Facebookイベントにリンクします)
※北海道では7/20に札幌"虹のしっぽ"で開催予定
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