見出し画像

春の定置、網入れ。

ツキノワグマに後ろ髪を引かれながら本州を出る。
苫小牧から、北見を経由して羅臼へ。
ひた走りに走って、眠らないまま早朝の漁船に乗り込む。
春定置の網入れ。土砂降りの中の出港となった。

網入れには、他の網からも手伝いに来る人達がいる。
かつて船に乗っていた人の姿も。
「久しぶり」
「また撮りに来たのか」
「そろそろ手順がわかっただろう。カッパ着て手伝うか?」
そんな風に彼等が笑顔で声をかけてくれる時、
どんな快心の一枚を撮った時よりも嬉しい。

初めて羅臼を訪れた時、遠い世界の人たちだと思っていた。
今は彼らを身近に撮らせてもらっていることが
僕の撮影人生の大きな支えになっている。

間に合ってよかった。





いいなと思ったら応援しよう!

Sinh
いただいたサポートは、旅費や機材など新しい撮影活動の資金とさせていただき、そこで得た経験を、またこちらで皆様にシェアしていきたいと思います。