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春先の鹿。

春先の鹿。 -森の移動祝祭日 01
2024年1月より新しいマガジン森の移動祝祭日を始めます。このタイトルは、ヘミングウェイの作品から拝借しました。
主題は私の自然観。それに写真を添えたエッセイです。有料記事で、1000字程度、月1回の更新を目指します。
興味のある方は覗いてみてください。どうぞよろしくお願いします。


まだ冬の寒さが支配する春先。北関東の小さな山。
白い林床に残った雪を踏み固めながら、進んでいく。
冬眠から目覚めたクマの気配を探しつつ、
自身の冬の引きこもりになまった身体をほぐすように
ゆっくりと、慎重に歩いていく。

クマを探す。という意味においては、これが僕の一年の始まりだ。
しかしながら、雪の残る山で、
そう簡単にクマの姿を見ることができるわけではない。
一年の最初の印象的な出会いは、大抵が別の動物だ。

最初の出会いで、最も多いのがニホンジカだ。
そして、その出会いの中で記憶に多く残るのは、
生きたシカではない。死んだシカである。

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