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『創造的でなければ死んでるのと同じ』 夏野剛✖️松本徹三 対談連載 3.海外から見た日本
2021年10月26日(火)に開催された「Invent or Die - 未来の設計者たちへ:第11回 夏野剛 x 松本徹三」の書き起こしです。
通信業界の黎明期に、ソフトバンクとドコモで活躍。現在、日本の携帯電話の礎を作ったと言っても過言ではない二人。夏野剛と松本徹三氏が日本の未来に関して議論します。
3. 海外から見た日本
松本氏:僕のこの本では、登場人物はごく当たり前の普通の人間です。それに、話は2022年に全部完結しちゃうんだから、未来小説じゃないんです。ただ、日本の首相だけは、ものすごくできる人が突如出てくることになっているのです。そうでないと小説にならないから。日本の首相が国連で演説するのですけど、あの演説の内容は、自分が実際に演説の原稿を書かされたつもりで随分考えました。
権限がない人の発言は...
夏野氏:あの話に出てくる日本って、世界から見ると実はすごく尊敬されていて注目されてる国なのに、発信する人がいないんですよね。松本さんがGSMAとかやられたように、僕もいろんな国際会議とか出て日本が発言するっていうと、みんな滅茶苦茶聞いてくれるんです。
松本氏:聞いてくれる。ほんと。
夏野氏:なんだけど、発言する人がほとんどいないんです。
松本氏:ほとんどいない。その通りですね。
夏野氏:あの小説の中で出てくるあの演説とかも、日本が演説するから説得力があるみたいなところがあるって、ちゃんと示してると思って。
松本氏:そうなんですよ。それなのに、みんな、まずは「えっ?」と思うわけです。「日本人の話だと、またどうせつまらない話だろう」という思い込みが一般的にあるからです。そうですよね。夏野さん。
夏野氏:ある。
松本氏:日本人がまたブスブスと毒にも薬にもならんこと言うのだろうと思っていたら、アッと驚くようなことになるので、みんなびっくりするっていう筋書きを考えたのです。日本人にも実際にできる人はたくさんいますけど、数が少なくて埋もれてるんです。
夏野氏:あと、地位がない。それが社長とか、地位がある人が言うからパワーがあるんです。海外では。だけど、そこでエンジニアがいくらいいこと言っても、ふーんで終わっちゃうわけです。だから、CSOはいいんです。
松本氏:海外はCEOとかCSOは一番分かってて、何でも自分で話せ、自分で決められる人なんです。日本はそれが分離してる。
夏野氏:そうなんです。
松本氏:多くの社長は「俺何言ったらいいの?」と部下に聞く。
夏野氏:そう。原稿。
松本氏:実際に原稿を書いている人は権限がないんです。これも何とかしないと、この国は良くならない。
わからない事は聞いて決断
夏野氏:ほんとにそう思います。しかも、それは知識の問題じゃない。最近僕も、全く畑違いの出版社の社長になっちゃったので、分かんないこともあるんです。あるんだけど、だから決断できないってことにはならないんです。分からなければ、分からないところはいくらでも聞けば教えてくれる人がいますので。でも、分からないから決断しない。あるいは分かってても決断しないから話が進まない。だから、僕が社長になってから一番変わったことは、会議の時間が全部半分に。まず、資料は読まないでっていうのと、それから必ずその会議で結論を出す。分かってないところは、ちゃんと聞けば分かるので。分からないことってないんです。世の中に。30年やってなきゃ分かんないことなんてないですよね。松本さん。
松本氏:何もない。絶対ない。
司会:松本さんは、今の夏野さんのお話聞かれて、結構なるほどって納得される?
松本氏:夏野さんの言うことは、大体いつも納得してるんです。
4. AIの未来、人類を救うのは!?
(に続く)
『創造的でなければ死んでるのと同じ』 夏野剛✖️松本徹三 対談連載1〜7
1. 地獄を知っている二人!?
2. 迷った時は遠を見ろ
3. 海外から見た日本
4. AIの未来、人類を救うのは!?
5. 知識の幅を広げよう
6. 日本の市場と会社の限界
7. 若者よ、会社や社会をハックせよ!