スポーツチームのDAO化を考えた時の利点と問題点
実際にDAOが社会に何をもたらすのか?分からない・疑問に思っている人も多いと思います。よくいわれているものの一つに会社に変わるものというのがあります。それは現在の会社と何が違ってどんなメリットが考えられるのか?その使い方の一つをスポーツチームの運営で考えています。
スポーツチームのDAO化について、すぐに思いつくことをダラダラと書いてみます。一番の利点は、二次流通の容易さです。 抜けたくなったら、OpenSeaでの売却ですぐに足抜け出来るし、キャピタルゲインの可能性すらあります。
悩ましいのは税金面と法律面。株の発効であれば税金はかからないが、オーナーシップトークンを発効した場合に、それがどちらになるかが今の法律では曖昧です。
株と同じと見なしてもらえれば、それは「増資」に相当するので無税だが、その場合、株式の発効と同じ情報開示・ガバナンスの仕組みなどが必要になり、そこを怠ると「投資詐欺」になってしまう可能性すらあります。
「株ではなく、DAOに参加する権利がついたトークンを販売した」だけ、という扱いであれば、それは売り上げであり、そこに法人税がかかる。せっかくDAOのメンバーから集めた貴重なお金の多くが政府に流れてしまうのです。
第三の方法として、チームの運営団体を非営利法人にし、「議決権付きの寄付」を集めるという逃げ道があるかも知れないと考えています。その場合、チームが稼ぐようになっても、配当は出せないので要注意です!
ちなみに、通常、スポーツチームが赤字を出した場合には、オーナーが持分に応じてそれを補填する(負の配当)のが常識ですが、気軽な気持ちでDAOに参加したメンバーにそれを期待できるとは思えません。
最初にたくさんのお金を集めてトレジャリーに貯めておき、それを食い潰しながら成長する。必要に応じて、新たにトークンを発効してさらに資金集めをする、という方法もあります。DAOの場合には、この方が現実的です。
チームの立ち上げ時には、安い価格でトークンを発効し、チームがリーグ昇格するたびに、トークンの発効価格を引き上げる、というのは理にかなった戦略で、より多くの資金が集まるし、既存のDAOメンバーは喜びます。
ただし、その価格上昇に二次流通価格がついてくる保証はないので、トークンへの需要をしっかりと作る出すマーケティング+コミュニティ形成が重要となります。
まとめ
■一番の利点は、二次流通が容易なところ
・OpenSeaでの売却ですぐに足抜け出来る
・キャピタルゲインの可能性
■問題点は、税金面と法律面。
・株の発効であれば税金はかからない
・オーナーシップトークンを発効した場合、今の法律では曖昧
■第三の方法
・チームの運営団体を非営利法人にし、「議決権付きの寄付」を集める
・チームが稼ぐようになっても、配当は出せないので要注意
おわりに
シンギュラリティ・ソサエティでは、テクノロジーがどのように社会に影響を与えるか、様々な議論をしています。 DAOなどに代表されるブロックチェーンやスマートコントラクトのテクノロジーは、社会や経済の仕組みをコード化し、透明且つ効率に仕組みに刷新する可能性を秘めています。
現在、シンギュラリティ・ソサエティでは、DAOやDeFi、Smart Contractなどの勉強や開発、NounsDAOへのプロポーザルプロジェクトなど、Web3の活動も行っています。今後もこれらに関する記事を発信していきますのでお楽しみに!