GPT-4は、自然言語処理技術の中でも高い精度と応用範囲の広さから注目を集めています。その中で、中島聡氏がGPT-4を用いて開発したアプリについてのツイートが話題となっています。中島聡氏は、GPT-4の高度な自然言語処理技術を活かし、どのようなアプリを開発したのでしょうか。ツイートをまとめたので、その内容を見ていきましょう!
GPT-4でアプリを作ってみた!
GPT-4のAPIだけど、一般向けのアプリを作る前に、まずは自分専用のアプリを作っているけど、はっきり言って「凄い」の一言。
「メルマガのコンテンツがはるかに効率的に作れる」し、「英単語のボキャブラリを楽しんで増やせる」ようになりました。
具体的には、GPT-4のAPIを使って「AIインタビュアー」と「英語に詳しい大阪のおばちゃん先生」というアプリを作成しました。
「AIインタビュアー」は、話した内容を豊富な知識を持った上で、ちゃんと理解して次の質問をしてくれるため、平均的な人間のインタビュアーよりも優秀であることがわかりました。(メルマガに採用しました。)
「大阪のおばちゃん英語教室」は、覚えたい一連の単語を渡しておくと、対話型で単語の勉強をさせてくれるため、勉強の過程がコンテンツになることが特徴です。(こちらもメルマガに掲載。)
どちらのアプリも私にとっては「ものすごく価値のあるアプリ」で、このようなアプリがサクサクと1日2日で作れてしまう今の時代は本当に凄いと思います。プログラマーであれば、GPT-4のベータ版に申し込んで色々と試すべきだと思います。
この手のアプリを作る場合、プログラムそのものは OpenAI のAPIを呼ぶだけなのでとても簡単です。難しいのはプロンプトと呼ばれるAPIに渡す文字列の設計です。この設計次第では、本当に「いきなり役に立つアプリ」が作れてしまいます。
プロンプトを設計することを「プロンプト・エンジニアリング」と呼ぶが、従来のプログラミングと大きく違うスキルが要求されます。ある意味、文系の人にもチャンスがあると思います。
作ったアプリを一般に配布しても良いけれど、使う人に向けた最適化が簡単ではないし、ビジネスモデルの設計も難しいです。特に英語の勉強アプリの場合、ちゃんと使って勉強すると、APIの料金だけでも月に100ドルぐらいになってしまいます。
英語のマンツーマン指導を受けるのと比べたらはるかに安いし、それだけの価値はあるけれど、アプリに月々100ドル払ってもらうのは簡単ではないです。
当面は、どちらも私専用のアプリとして楽しませてもらいます。
メルマガには、これらのアプリを使った結果(私とAIとのやり取り)を公開するだけじゃなく、ソースコードやプロンプトの技も紹介するので、お楽しみください。
GPT-4で実際に作成したアプリの実例
「大阪のおばちゃん英語教室」での私と先生とのやりとりを実況中継します。編集は全くしていません。これを読むとGPT-4がいかに画期的かが分かると思います。
このアプリは、わずか2日で作りましたが(わずか60行)、そのクオリティの高さに本当に感動しています。GPT-4のAPIを使いまくっているので、1日3ドルほどかかっていますが、その価値があると感じています。
この「大阪のおばちゃん英語教室」の作り方は、メルマガで解説しています。初月は無料なので、ぜひともお試しください。
ちなみに、これをアプリ単体で販売するビジネスをやる気はなくて、既存の英語教室などと共同開発したいと考えています。興味のある会社があれば、DMをください。
AI-Transfomation(AIX)と呼ぶことに!!
先の「大阪のおばちゃん英語教室」を見てもらえば分かる通り、GPT-4とそれに続く技術の社会に与えるインパクトはトンデモないものになる。そこでこれを、AI-Transformation(AIX)と呼びたい。Digital-Transformation(DX)の異次元版だ。
DXは「デジタル技術を活用して、全く新しいビジネスを作りだして、既存のビジネスを破壊すること」だけど、AIXの方は「AIの技術を活用して、圧倒的に少ない人数でより良いサービスを提供するビジネスが数多く立ち上がることにより、世の中がひっくり返ってしまうこと」を指します。
私が2日で作った「大阪のおばちゃん英語教室」は、人件費ゼロでマンツーマンの個別教育が施せるんです。これが通常の英語教室ビジネスに与えるインパクトを想像してみて下さい。
これと同様のことが、これからあらゆる業界で起こります。当然ですが、従業員を抱えた旧来型のビジネスが駆逐されるのは時間の問題です。世の中の大半の人が働かなくても良い(=社会に価値を提供できない)時代が来ようとしているのです。
私たちは早急に、そんな時代に向けた準備を開始する必要があります。AIは諸刃の剣なのです。何もしなければ、大量の失業者が溢れて社会保障システムや年金が破綻します。貧富の差がますます広がり、社会に不満を持つ人たちを対象にしたポピュリズムが台頭します。
Elon Muskらが「GPT-4をさらに凌駕する規模のAIの開発は6ヶ月間ストップすべき」とオープンレターで提言したのはこれが理由です。政府にこの問題を真剣に検討する部門を作り、来るべきAIXに備えるべきなのです。
ちなみに、このオープンレターには私もサインしました。日本政府に何かができるとは期待していませんが、少なくとも米国政府にAIXに備える部門を作るプレッシャーを与えることが出来ると考えています。
終わりに
現代において、AI技術は様々な分野において多大な影響を及ぼしています。その中でも、自然言語処理におけるGPTシリーズの登場は、自動翻訳や対話システムなどの分野で大きな進歩をもたらしました。また、画像認識技術や自動運転技術など、AI技術の応用範囲はますます拡大しています。この中で、OpenAIが開発したGPT-4は、より高度な自然言語処理を実現し、更なる進歩を約束する存在となっています。GPT-4のAPIを利用することで、簡単に自然言語処理のアプリケーションを開発することができるようになり、AI技術の更なる進化が期待されます。今後の技術革新に期待が高まる中、AI技術の進化は私たちの暮らしや社会に大きな影響を与えることが予想され、ますます注目を集めることでしょう。