道の駅を活用した地域活性 三陸道
仙台駅で集合、バスを使って宮城県登米市へ。
三陸道を通って1時間くらい。
三陸道は震災復興のためにできた道路。高速道路にも国道とNEXCOの管轄が分かれているのは知らなかった。三陸道は国道らしい。
この区間が無料区間というのはなかなかすごい。
三陸道ができたおかげで仙台などの内陸から沿岸部へのアクセスは格段に良くなったけど、その途中地点にある登米市には通り過ぎる街になってしまった。
登米市内には5ヶ所の道の駅があるが、沿道の交通量の減少による来場者の減少、それに伴う売上の減少という課題がある。
訪れたのは国道45号線沿いにある「道の駅津山もくもくランド」。
1988年設立なので、築36年。
近隣の産業である林業を全面に出して、建物は杉の木がふんだんに使われている。
台風17号により床上浸水してしまったことを受けて、建物全体を底上げしている。
それに合わせて、建物の空調を木質バイオマス発電に切り替えたそうです。
登米市の産業は、杉。津山杉と呼ばれている。
北上川下流域にあたるため肥沃な土壌が特徴で、20〜30年で成木として育って出荷できるというのが特徴。
また成長が早いのでその年輪の幅の広さを生かした矢羽模様集成材やそれを活用した木工品が特産品。
登米市で生まれた家庭には、このようなフォトフレームが送られるらしい。
話はそれるが、登米という地名は、その昔、肥沃な土壌で獲れたお米を北上川をつかって江戸まで納めていて、伊達藩の貴重な収入源になっていたらしい。
そこでお米が江戸に登るので、登米という地名がついたとか(諸説あり)。
登米市には「米山」「米川」「米谷」など米がつく地名が多い。
ところで、この林業、生後復興期に植樹されて登米市の主要な産業になったそうだが、課題は山積。
ざっと以下のような状況。
市内全域2万haの森林がる。その7割が50年生で、伐期を迎えている。
登米市には、製材所が20ヶ所くらいある。この製材所をフル稼働するには6万m3の木材が必要。現状、登米市の素材生産量は3~5万m3。不足分は、周辺自治体から調達。
山から木を下ろしてくる人手が足りない。
SDGsの観点から、建築構造体に木質を使うCLTの製造により、材の需要は大きい。
需要はあって、作ればうれるが、単価が上がらない。丸太は1m3あたり、11,000円が相場。400mm、長さ4mの丸太でも(0.4*0.4*4*1.1=)約7千円というのが現状。
賃金水準が他の産業より低く、労働が非常にきついため林業従事者数が減っている。地域おこし協力隊を林業支援員として募集したが、2~3年応募がなかった。
林業に従事しても、夏の下草刈りが一番きつい作業で、夏場に離職する人が多い。
宮城県にはみやぎ森林・林業未来創造カレッジという林業従事者を研修する組織がある。 https://miyagi-morimirai.jp/
FSC森林認証を受けた広葉樹の需要がある(家具など)。国際的な枠組み(オリンピック等)での木材は、FSC森林認証の指定があるが、FSC認証をとっても単価は上がらない。
A材:建材 B材:合板 C材:製紙チップ D材:林地残材(災害要因)に分けられる。D材をバイオマス発電に活用している。
さて、この大きな課題。一体何から手をつけたらいいのか。
今回のテーマは「道の駅を活用した地域活性」
道の駅は全国に1,209駅あるそうです。(2023年8月4日時点)https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001689.html
最近できた道の駅は、道の駅自体が目的地になっているところが増えてきている。
道の駅やまがた蔵王もその一つ。
グルメ王国山形が誇る食材や加工食品が売られていて、観光名所になっているそう。
では、「道の駅津山もくもくランド」のように築30年選手のような道の駅はどうしたら良いのか?
一つは大きな施設を生かした地域の交流拠点になるということ。
特に有事の際にはこのような大施設は避難所の役割にもなる。
普段から日常生活の中で活用されることが望まれる。
途中立ち寄った道の駅三滝堂は、近隣のスーパーのようにたくさんのお客様で賑わっていた。
もう一つは、時間や場所という制限を超えてつながる仕組みを考える。
それが今回のテーマでもある「XRを活用」。
もくもくランド物産館というホールをつかってXRの体験をしてみた。
さっそくVRレンズをつけて体験してみた。
仮想空間の中に、写真などを展示することができる。
この技術をつかって、場所や時間という制約を取っ払った新たな集客施設ができるかもしれない。
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