奈良県宇陀市 薬草による街づくり
地域資源である薬草による街づくりを進める奈良。
江戸時代から漢方薬の原料、生薬の産地として栄え、その多くが中国産に置き換わってしまいましたが、産業として再生しようという動きが広がっています。
訪れたのは、奈良県宇陀市。
奈良県北東部、大和高原の南端に位置する、四方を山に囲まれた人工約25,000人の町です。
アクセスは近鉄大阪線の榛原(はいばら)駅。大阪上本町から約1時間です。
まずは阿紀神社に参拝。
こちらは元伊勢の一つと言われ、本殿は、伊勢神宮と同じく神明造り南向きとなっています。
さて、いよいよ本題の薬草です。一体が重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選定されている松山地区にある森野旧薬園。
江戸中期の享保14年に開設した私設の薬園であり、元は500年以上も続く森野吉野葛本舗です。
敷地内にはたくさんの薬草が標本のように栽培されています。
この宇陀の地で生まれた津村重舎が立ち上げたのが、津村順天堂。
さらにこの地から藤沢薬品(現アステラス製薬)、ロート製薬など
多くの製薬会社の創始者を輩出しているといいます。
お昼は宇陀市長を囲んで、大和当帰、枸杞、棗が入った薬膳鍋を各地から集まったメンバーと一緒にいただきました。
近くには薬草である大和当帰を使った薬湯の温泉があったり、健康や美容を求めてたくさんの方が京阪神など関西一体から来るそうです。
地域資源を活かした持続可能なまちづくり、とても良い事例でした。