【伴走スタッフ日誌4】シングルマザーズデジタルキャンプ実施レポート:インフォーマルな会(自発的な集まり)がもたらす、意外な効果②
就労支援プログラム「シングルマザーズデジタルキャンプ」の伴走スタッフ、檸檬です。
このnoteでは、伴走スタッフの視点から気づいたことや感じたことをお伝えしていきます。
今回は、前回に引き続き、就労支援プログラムで開催している「インフォーマルな会」について、事例のご紹介をしていきます。
3種類のインフォーマルな会(参加は任意)
前回の記事でご紹介したように、シングルマザーズデジタルキャンプのインフォーマルな会は、大きく分けて3種類あります。
この中で、一番開催回数が多く、多様なテーマで開催されるのが「もくもく会」です。
もくもく会の開催の様子
これまでに開催してきたもくもく会について、開催の様子も含め、いくつかご紹介いたします。
もくもく会 ~タイピング道場~
受講生の中には、就職だけでなく収入アップやキャリアチェンジを目指している人もいます。
デジタルキャンプに参加するまでは、パソコンに触れる機会が少なかった人に向けて、タイピングスキルの向上とスピードアップを楽しく目指せるよう、「もくもく会~タイピング道場~」を開催しました。
寿司打というタイピンング練習ゲームを使って、それぞれにタイピングの練習をします。回転寿司のお皿が流れてしまう前に画面の文字をタイプして、どれだけたくさんお寿司を食べられるかを競うゲームです。
楽しみながら、タイピングも上達してしまうという一石二鳥のゲームですが、一人でやるよりもみんなでやったほうが楽しい!
この会では、タイピング中も画面をONにして実施したため、Zoom越しに仲間の悔しがっている表情や、高スコアを取って両手を上げて喜ぶ姿を見ることができました。
会の終わりには、お互いにスコア表をシェアしましたが、スコアはあくまで受講生同士が競うためのものではなく、自分自身の成長記録です。
パソコンに苦手意識を抱いていた受講生も、早朝にお子さんがまだ寝ている時間を活用し、仲間と楽しい雰囲気の中でタイピングを練習することで、その苦手意識を払拭できたようでした。
もくもく会 ~Myコーピングリストを作ろう~
なぜセルフケア?
シングルマザーズデジタルキャンプでは、就労の土台としてまず「セルフケア」を重視しています。
これは、どんなお仕事であっても、どれほど技術的なスキルがあっても「セルフケア」ができていなければ、ひとり親として長く仕事を続けていくことは難しいからです。
セルフケアを普段から意識できると、自分の体と心の状態に目を向ける習慣が身につきます。
シングルマザーが長く働き続けるために
シングルマザーが仕事と子育てを両立し、長く働き続けるためには、
1)自分の状態に意識を向けることを習慣化する
その上で、
2)日常のストレスに対する自分なりの対処方法をたくさん準備しておく
この2つを実践することが役立ちます。
そこで、ストレスや困難に直面したときに、その状況に対処するために有効な方法をリストアップする「Myコーピングリストをつくってみよう」を開催しました。
15分ほどのもくもく作業タイムでは、クラウド上のファイルを共有し、参加者それぞれがこのようなシートに1枚ずつ入力をしていきます。
まず最初に、お名前欄の下にある顔のアイコンから、自分の今の状態に近いものを〇で囲みます。
これにより、会に参加している自分が、今どんな状態なのかに意識を向けることができます。
続いて、日常的な5種類のシュチュエーションごとに、自分にとって効果的な対処法をリストアップしていきます。
もくもく作業タイムが終了したら、参加者同士でお互いのリストを共有し、感想を伝えたりフィードバックをおこないます。
というように、多くの発見や気づき、アイデアが湧いてくる時間になりました。
シートの6つ目の項目「人から言われたら一番うれしい言葉」については、会の最後に「ここに書いた言葉を毎日、自分自身に言ってあげてください」と締めくくり、閉会しました。
もくもく会 ~Canvaでデザイン~
デジタルトライ講座で人気のCanva講座の開催に合わせて、おさらいとスキルのブラッシュアップを兼ねた「もくもく会~Canvaでデザイン~」を開催しました。
この画像のようなスケジュールで、デザインの四原則を簡単におさらいし、各自12分ほどで、もくもくとCanvaで手を動かす時間を持ちました。
参加者は、講座で作成した名刺をブラッシュアップしたり、地域の子ども会のハロウィンイベントのちらしを作ってみたり、自分の思い描く将来の夢に対してパンフレットを作成してみたり、思い思いのもくもくタイムとなりました。
会の最後には、お互いの作った作品を見せ合ってシェアし、ひと言ずつ感想を伝えます。
仲間の表現力や発想力に驚き、アイデアが広がる時間になりました。
また、はじめてCanvaを触る参加者とっても、どんなことができるのか探索してみるのにいい時間になりました。
朝活もくもく会 ~メタバース空間~
いつものもくもく会はZoomを使用していますが、今回は新しいプラットフォームで。
下記の画像にあるようなメタバース空間でで、平日の朝6時から30分間の「朝活もくもく会」を実施しました。
もくもく会のようなインフォーマルな会は、途中参加OKで出入り自由です。
お子さんがまだ起きる前のちょっとした時間を、活用して参加することができます。
まず、メタバース空間に入ったら、挨拶がてら「今日こんなことをやります」の一言をチャットか、ビデオ通話で宣言します。
同じメタバース空間で、みんな思い思いの場所で、もくもくしている様子が見えるので、自分一人だけじゃないことを感じられ、仲間の存在が励みになります。
参加者からは、こんな感想がありました。
グループリフレクションで立てた目標に向けて、調べ物をしたり、ちょっとした勉強の時間をとったりと、ささやかな努力を仲間と同じ空間で行うと、楽しさもあります。
退出する際には、「この時間に、こんなことをできました」と一言シェアします。
参加者は、朝から楽しく充実した時間を「お土産」にして、日常へと戻っていきました。
もくもく会 ~みんなでChatGPTを触ってみよう~
もくもく会では、オンラインでできる「やってみたい!」ということを、声を上げて試してみることができます。
ChatGPTの使い方を参加者同士でシェアしながら、色んなプロンプトを試してみるもくもく会を開催しました。
仲間と一緒に取り組むと、一人ではとっつきにくいことでも、不思議とハードル下がります。
楽しみながらプロンプト力を高めることができました。
もくもく会は、気軽にチャレンジできる場としても機能しています。
成長を共有し、共に高め合う
参加者同士の交流、スキルの向上、習慣の定着など、多方面に良い影響を与える、さまざまなもくもく会をご紹介しました。
短時間の些細な取り組みでも、会の最後に自分の取り組みをシェアすることで、充実感や成長を感じることができます。
それは仲間へのよい刺激となり、相乗効果を生むメリットもあります。
任意参加だから会は生きもの
インフォーマルな会は、任意参加のため、テーマや参加者の顔ぶれによって、ガラッと雰囲気が変わります。
それはまるで「生きもの」のようです。
毎回、同じテーマであっても、新たな発見があり、受講生同士の相乗効果も予測できません。
そんなポジティブな一期一会を、これからも生み出していきたいと思います。
次回のレポートもお楽しみに!
文責:檸檬(伴走スタッフ)