【伴走スタッフ日誌3】シングルマザーズデジタルキャンプ実施レポート:インフォーマルな会(自発的な集まり)がもたらす、意外な効果①
就労支援プログラム「シングルマザーズデジタルキャンプ」の伴走スタッフ、檸檬です。
このnoteでは、伴走スタッフの視点から気づいたことや感じたことをお伝えしていきます。
今回は、就労支援プログラムで開催しているインフォーマルな会についてご報告します。
オンラインならではの交流
「自分らしく働く」を目指すシングルマザーズデジタルキャンプのプログラムには、全国から受講生が参加しています。
ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議システムを活用して、下記のプログラムをすべてオンラインで実施しています。
セルフケア講座
キャリア面談(50分×2回)
仲間と集まり振り返りをおこなうグループリフレクション(60分×5回)
デジタルトライ講座
必要なドキュメントはクラウドで共有し、連絡にはChatworkというチャットツールを活用しています。
このように、コースの期間中に「実践を通して」基本的なICTスキルが身につく仕組みになっています。
受講生は、子どもの年齢や仕事の状況に応じて、自分の生活スタイルに合わせて受講を進めることができます。
交流の重要性
時間の自由度が高い一方で、交流のニーズも存在します。
受講生と面談する中で、「同じシングルマザーとして参加者同士の交流を深めたい」というニーズを肌で感じてきました。
身近に「シングルマザー」がいなかったり、普段の生活の中では周囲に「ひとり親」としてカミングアウトしていないことが影響しているかもしれません。
3つの交流の場の特徴
シングルマザーズデジタルキャンプの特徴のひとつは、「自分らしく働く」の実現を目指し、仲間とともに歩むことです。
シングルマザーズデジタルキャンプでは、その効果を最大限に引き出すために、目的や性質の異なる3つの交流の場を用意しています。
3つの交流の場については、下記の記事でご紹介しています。
今回ご紹介する任意参加のインフォーマルな会は、この3つの中の「3.自発的な交流の場」に該当します。
参加が任意である重要性
この「3.自発的な交流の場」は、オフィシャルのプログラムではなく、インフォーマルな、任意参加の会です。
飲み物を片手に気軽に参加できるよう、受講生が参加しやすい週末の早朝6時半~、平日の夜21時~などの時間帯で30分程の短時間に開催しています。
この会には3つの種類があります。
もくもく会:参加者が集まって、それぞれもくもくと作業をする会
シェア会 :作業したものを発表し、お互いにフィードバックする会
おさらい会:講座での学びを、実践できるように練習する会
それぞれ、目的に合わせて活発に開催されています。
分かち合いと達成感
まず、もくもく会:参加者が集まって、それぞれもくもくと作業をする会について。
この会は、「ただ、もくもくと作業して終わり」ではありません。
必ず、会の最初にはチェックインとして今の気持ちを共有し取り組みたい内容を伝えます。
そして20-25分ほどもくもくとそれぞれ作業します。
最後には、またカメラをONにして、チェックアウト。
チェックアウトの時間には、自分の作業の進捗をシェアしたり、作業していて気づいたことや感想を口に出す機会が設けられています。
これにより、自分が取り組んだことを明らかにして、小さな達成感を味わうことができたり、参加者同士の理解が深まるのです!
もちろん、仲間同士で頑張りを讃えあうことも、参加して嬉しいお土産です。
「自分らしく働く」のために必要なこと
「自分らしく働く」を実現するには、自己理解を深め、自主性を発揮し、自発的に行動することが大切です。
外から与えられた課題やプログラムを従順にこなすだけでなく、自らの意思に基づいて行動すること、つまり、自分の頭と体を使って試行錯誤する力が必要なのです。
「自分らしさ」は、誰かが指し示してくれるものではありません。
だからこそ、自発的なたゆまぬ探求が必要なのです。
でも、そういった探究の道のりを分かち合える仲間がいたら、そしてお互いの探求を応援し合えたら、そのプロセスはより力強く加速します。
このインフォーマルな会は、そんな効果を生んでいます。
受講生の顕著な変化
シングルマザーズデジタルキャンプでは、伴走スタッフによる定期的なインフォーマルな会を開催していますが、受講生からのリクエストを受け付けたり、受講生自身が手を上げて企画・開催することも推奨しています。
最初は反応が薄かったものの、コースの半ばを過ぎると「最新のデジタルツールをテーマにした会を開催して欲しい」、「Canvaの練習会を開いて欲しい」「交流がメインの会があったらな~」など、さまざまなリクエストが届き始めました。
さらに、コース後半になると、自ら手を上げて「この日時で、もくもく作業会を開催したい」と会を主催するという変化も見られました。
主体性への道筋
プログラムを通じて自己探求に取り組む中で、「自分がチャレンジできること」が明確になり、「この場が安心してトライアル&エラーを繰り返せる環境であること」を実感していきます。
さらに、グループリフレクションで仲間と振り返りを重ねることで、スモールステップを積み重ねている自分を自覚することができ、自己効力感が高まります。
その結果、チャレンジすることへのハードルが自然と低くなっていくのだと思います。
次回は、これまでに開催した会について、その事例を具体的にご紹介していきます。お楽しみに!
文責:檸檬(伴走スタッフ)