諸行無常の響きを実感
烏丸御池2番出口から地上へ上がると、ヒューッと下から噴き上げる風が妙に冷たい。そんなとき、季節が通り過ぎていく音を実感するのです。
あれだけ緑一色に輝いていた御池通りの樹木たちも、知らないうちに赤橙色へと色を落とし、広めの歩道がそんな葉っぱたちで埋め尽くされはじめている。行き交う人々の首元にも、色とりどりのマフラーが巻かれていることに気づいた。
しばらく通り沿いに歩いていくと、今日のひとつ目の目的地がある。
御金神社です。
金色で塗り固められた独特の鳥居が一際目立つのですが、そもそも神社自体が黄金で包み込まれているような感じがします。
想像の通り、資産運用や証券取引の成功を願う人たちで賑わってきた神社ですが、最近では競馬や競艇だけでなく、宝くじの当選を願う輩たちで賑わいを見せているという。そうなんです、この神社はお金に纏わる神社として有名なんです。
そんな僕も同じ穴の狢。
今年こそ年末ジャンボが、、、という欲が出てしまい、、、、ひひひ、、、
の、筈でしたが、角を曲がると既に大行列ができている。
ざっと数えても300名はいるだろう。
なんてこった、こんなにも欲にまみれた輩たちがいるとは。
まぁ、自分もそんな強欲な人間の1人なんですけどね。
で、そそくさと諦めて、本日の本命の場所へと急いだのです。
今日の本命、、、実は「食彩アドコムさん」の記事に即発されて訪問することにした場所があるのです。
「寂光院」と大原「三千院」
実に12年ぶりの訪問。前回は冬でした。
地下鉄の終点「国際会館」まで行って19番のバスに飛び乗る。
勿論、本日も地下鉄・バスの1日乗り放題の無敵チケットで散策です。
三千院のわらべの地蔵。
地面にはびっしり苔が生えており、明らかに西洋の庭園とは違う別世界が広がっている。日本独特の「侘び」がちゃんとここにはあるんです。
そんなわらべのお地蔵さんにしっかり癒されてしまいます。
大原のバス停を境に「三千院」と真逆に位置しているのが「寂光院」です。ここは建礼門院徳子が余生を過ごした尼寺です。
ところで、建礼門院って誰だっけ。
子供のころ習った教科書を思い出し、朧げに記憶にある知識は、平清盛公の娘だということだけである。深くは知らない。
覚えていただけでもびっくり。
お寺の和尚さんにお話を伺うと、壇ノ浦で一旦は入水自殺を図ったが、幸運にも助け出され、ここ寂光院で滅亡した平家一門と息子の安徳天皇の菩提を弔いながら、36歳まで余生を過ごしたのだという。そんな建礼門院徳子の面影を追ってここまでやって来ました。
大原女の小径をしばらく進むと、その突き当たった場所にひっそりと佇む尼寺がある。決して豪華ではなく、それでいて出過ぎてもいない。ひっそりと静寂に佇んでいる。
「寂光院」、、、なるほど、名前とマッチしているな。
建礼門院御陵
『平家物語』
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。
諸行無常の響きが聞こえて来そう。
食彩アドコムさんのお陰で素敵な場所までやって来ることができました。
とても久々でしたが、訪れる度に優しさを感じることができますね。
優しく静かに暮らして行きたい。
正直な気持ちに浸る、今日はそんな1日でした。
最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
時間があるときに優しく静かな環境に身を置いてみるもの良いですよ。🍁
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