兼夫のカネカネ童話①「賢いキツネのお話part1」


読者の皆さんこんばんは。
個人事業の方、長時間労働の方を応援する、石原兼夫です。


今日は、カネカネ童話「賢いキツネのお話し」を記事にします。


あるところに、名前はポコという、自分が大変賢いと思っている、若いキツネがおりました。
ある森でキツネの仲間達と集団で暮らしていました。

ポコはたくさんの本を読み、たくさんの先生から学び、たくさんの動物たちを観察してきたので、自分ほど賢い動物はいないと信じて疑いませんでした。

だけど、ポコはいつも失敗ばかり。キツネの食事になるねずみやハムスター、そしてリスをとろうとしても、いつもいつも失敗してしまいます。
そんなポコは先輩キツネのきよしに、いつもいつも叱られていました。「お前は本当にバカ、マヌケ、ノロマ!てめえなんか、使えない、役立たずだ!」と。
先輩キツネのきよしは、若いポコに、自分自身で生きていける強さを持ってほしいと、わざと厳しい口調で叱っていました。

ポコは悲しくて悔しくて、泣いてばかりいましたが、「私は自分のやりたいことをやりたいの。だから、キツネのみんなとはお別れします。」と、キツネの仲間から離れて暮らすことにしました。
ポコはうそをついて本当のことを隠して、キツネの仲間から逃げてしまいました。
先輩キツネのきよしは、「ポコには本当の事が伝わらなかった。ポコはどこに行っても、結局自分自身から逃げることは出来ないのに。」とキツネの仲間たちに言いました。そして、「いつかポコが戻ってきたら、みんなでポコのことを大切に守ってあげなくてはいけない。」と。

それから、何日経ったでしょうか。ポコは新しい森に移り住むようになりました。新しい森で次第にポコは他の動物たちを頭の悪い愚かな者と馬鹿にし始めました。

「やいクマ!お前は力ばっかりあって頭を使うことを知らないのか?本当に頭が悪いねぇ。」
「やいネズミ!あなたたちは小さな力で無駄なことばかりやっているね。本当に頭が悪いねぇ。」
「やいフクロウ!あなたは昼間は寝てばかり、昼に寝るのは間違っていますよ!本当に頭が悪いねぇ。」

そんな意地悪ばかり言うポコはどんどん森の動物から敬遠され気が付いたら一人ぼっちになっていました。

そんなあるとき、ポコのところにウサギのコチオが訪ねてきました。
「こんにちは!私は誰よりも賢いウサギのコチオです。あなたがとっても賢いと聞いて、ぜひ話をしたいと思いやってきました。お話しませんか?」
一人ぼっちで寂しかったポコは喜んでコチオと話を始めました。

「ウサギのコチオさんようこそ。私は賢いキツネのポコです。あなたは賢い方なのですね。だったら私の苦しみが分かるでしょう。私はみんなのためを思って自分の知恵を分け与えているのに誰一人耳を貸さないのです。それどころか私を煙たがって仲間外れにするのですよ!本当に愚かで馬鹿な動物たちにはあきれました。」

コチオはそれを聞いて、さも解ったように、うなずきます。

「うむうむ。よーく分かりますよ。愚かなものはいつもそうなのです。知恵のある大事な話には耳を貸さないのです。それゆえに愚かなのです。そうだ!私があなたの苦しみを取り除く素晴らしい教えを授けましょう!」

ポコは自分を理解してくれる者が現れてとても気分がよくなりました。

「さすが、賢いコチオさんはよくわかっていらっしゃる!どうかその教えを授けてください。」

コチオは腕組みをしてこう言いました。

「当然でしょう。賢い者同士でしか分かり合えないことがあるのです。喜んで教えを授けましょう。ただ・・・この教えは秘伝中の秘伝なのです。本当はすぐにでもこの教えを授けたいのですが・・この教えを受け取るだけの力があなたにあるのか試さなくてはなりません。ポコさん、あなたの力を証明するために、ネズミの家にあるライ麦の種を2000粒をもってきてはくれませんか?」

ポコは考え込みました。ネズミが一生懸命収穫したライ麦の種を持ってくるには、ネズミを追っ払い、それを盗むしかありません。

「コチオさん。私にはネズミが一生懸命蓄えたものを横取りするようなことはできません。」

コチオは大きなため息をついてこういいました。

「はぁ~。ポコさん。私はあなたがもっと賢い方だと思っていましたよ・・愚かなねずみが蓄えたライ麦など、なんの価値があるのですか!それよりもあなたがそのライ麦を私にもってきて素晴らしい教えを授かることのほうがもっと有効で価値のあることなのですよ!あなたがもっと賢くなれば、ネズミを愚かな動物から賢い動物へ導くことだってできるのです!あ~ぁ、まったくポコさんがその程度の賢さだったとは。わたしはあきれました。」

ポコはあわててこう言いました。
「コチオさんコチオさん!私は賢いキツネです!そうでした、そうでした。愚かなネズミを導くにはこれしかないのです。当然ですよ。」

コチオは「わかったでしょう。では、早めに持ってきてください。先に持ってくることが大事です。それも秘伝の技術のうちです。」

そして、ポコはネズミの家に向かいました。ネズミが出掛けるのをじーと待っていました。
待つ間にもポコは、「コチオさんからはどんな教えを授かるんだろう。本当に楽しみだな!」と心は踊っていました。

続く。


今後も、応援よろしくお願いします。

かしこ。


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