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映画「スオミの話をしよう」を観てきました

「スオミの話をしよう」
この題名を見た時、多くの方が
「フィンランドの話かな?」
と思われたことでしょう。私もです。ここらあたりにも三谷幸喜監督のし掛けが見えています。

<ネタバレ検索と三谷幸喜の話>
私は理解力が低いため読書も映画も1回ではよくわかりません。ですから「邪道」と言われようとお構いなしに、本も映画もその要約やネタバレサイトなどを見てから読んだり観たりするのが最近のやり方。「そんなことして何が楽しいの?」と思われる方が大多数だと思いますが、私は十分楽しいのでご心配なく。

さあ、それではネタバレのネット検索です。
ただ今回はバレるところまでは観ていなくて、映画の批評をされているものを見ました。そしてたまたま見た一つは、かなり酷評したものでした。その酷評を一言で書けば
「三谷幸喜は映画と舞台の違いをわかってない!」
というもの。それを書いた人はどうやら業界人であり、なかでもバリバリの映画業界人。私には舞台と映画がどう違えばいいのかわからないのでそのことはそのままになっていました。

ところがそれを読んだ翌日、三谷幸喜さんがYouTubeで対談されているのを見ると、まさにそのことを語っていらっしゃって
「僕は元々舞台の人間なので、舞台のようなことを映画でやってみたかった」
なるほど!ということになると、先程の映画業界の方の発言は、批判どころか三谷さんへのエールのようにさえ読めてきます。

・・・と、ここまでが映画を見る前の記述です。
このあとは映画鑑賞後に書きます。

<「スオミの話をしよう」鑑賞直後の感想>

9:55からの上映、観終えて今帰ってきました。
面白い!
正直に書きますと、<ネタバレ検索と~>の部分、もっと酷評されている文章をたくさん読んでいたのです。しかし、それらを全部書き上げるのもどうかと思い控えていました。また、あまりに酷評されているので他の作品を観ようかと思ったりもしました。
でも、私のように特に映画通でも舞台通でもない普通の人間には十分楽しめましたし、おすすめもできます。その理由の一つとして<ネタバレ検索と~>の部分にも書いた、三谷幸喜さんのお話をたまたま聞いていたことがとても良かったと思いました。三谷さんのおっしゃるとおり、これは映画であり舞台なんです。最初からそういう気持ちで見るととても楽しめます。これからご覧になる方はぜひそういう視点でどうぞ。

<ネタバレギリギリの話のご紹介>
ここから先はネタバレにかなり近いので、これからご覧になる方は自己判断でお読みになるかどうかお決めください。

映画の予告編でも流れていたように、主人公スオミは多くの男性との結婚歴があり、その男性によって全く違った人物像。そのことがあるきっかけでその男性たちが集まったことでどんどん明かされていきます。普通の映画とは違いカット割りが極端に少なく、まさにお芝居をスクリーンで見ているような長回しの映像で。こういうところが映画通の人はお嫌いなのかもしれませんが私は全く気になりませんでした。加えて俳優陣は、三谷幸喜さんのお眼鏡に叶った演技の上手い人ばかりでそういう点でも文句ありません。
宮澤エマさんは本当にうまい!
そうそうYouTubeで三谷さんは
「映画では普通やらないけれど、今回はお芝居のように稽古をしてから撮影に入った」
と仰っていました。たしかにあの長台詞長回しはちゃんと稽古をしないと無理だと思います。

スオミは
・あるときは活発な女性
・あるときは控えめで日常のことはすべて男性に頼る女性
・あるときは日本語の喋れない外国人
など全く違うスオミ像に皆わけがわからなくなります。
またそれと同じくらい集まった配偶者たちも全くタイプの違う男性たち。
それらがちょっとした推理映画のようなストーリーで進んでいきます。
そしてラストは誰も傷つかない風で終わっていきます。
さらにエンディングはミュージカル風。これも気に入らない人には気に入らないでしょうが、スオミ役・長澤まさみさんの歌唱力で大満足。
長澤まさみさんは私の大好きな映画「Sing」でも素晴らしい歌唱力で楽しませてくださって私は高く評価しています。

さあみなさん、いかがでしょう?
私のこのブログで「観たいな」と思っていただければ幸いです。でも人それぞれ趣味は違いますから、お気に召さなかった時の保証はいたしかねます。

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